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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 環境省|
  • 平成25年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(1)溶融固化施設の運営及び維持管理並びに溶融スラグの利用について


平成25年度決算検査報告参照

1 本院が求めた是正改善の処置及び表示した意見

環境省は、廃棄物処理施設を整備する市町村、一部事務組合、広域連合等(以下「事業主体」という。)に対して、循環型社会形成推進交付金等(以下「交付金等」という。)を交付している。そして、事業主体は、交付金等の交付を受けて、ダイオキシン類の削減や廃棄物の容積の減容に資するために、焼却灰等を加熱し、溶融した後に冷却してガラス質の固化物(以下「溶融スラグ」という。)等を生成する施設(以下「溶融固化施設」という。)を設置している。しかし、事業主体において、適切な運営及び維持管理を行っておらず長期にわたって溶融固化施設を使用していなかったり、生成した溶融スラグの全部又は大半を建設資材等として利用することなく埋立処分したりなどしている事態が見受けられた。

したがって、環境省において、交付金等により設置された溶融固化施設について、適時適切に使用状況等を把握し、長期にわたって使用されていない溶融固化施設が見受けられた場合には、交付金等の交付要綱等に基づいた適切な運営及び維持管理が行われているかなどについて確認した上で、溶融固化施設の経過年数、交付金等事業の効果の発現状況、地域の実情等を踏まえて、今後の継続的な使用の再開等に向けた対応方針を検討するよう事業主体に促したり、今後の継続的な使用を見込むことができない溶融固化施設について財産処分を含めた取扱方針を策定して事業主体に対して示したりするとともに、溶融スラグの利用を促進している事業主体等の具体的事例や溶融スラグの品質確保に係る技術的知見等を活用するなどして、事業主体等に対して溶融スラグの利用に係る助言及び情報提供を行う体制を整備するよう、環境大臣に対して平成26年9月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求め及び同法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

本院は、環境本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、環境省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 交付金等により設置された全ての溶融固化施設の使用状況等を把握した上で、27年4月に都道府県に対して通知を発して、長期にわたって使用されていない溶融固化施設について、今後の継続的な使用の再開等に向けた対応方針を検討するよう事業主体に促すとともに、今後の継続的な使用を見込むことができない場合の財産処分を含めた新たな取扱方針を事業主体に周知した。

イ 27年3月及び6月に開催した事業主体等に対する説明会及び研修会において、溶融スラグを有効に利用している事例や溶融スラグの品質確保に係る技術的知見等を活用するなどして、助言及び情報提供を行うとともに、今後の説明会等においても、助言及び情報提供を行うこととした。