ページトップ
  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第33 独立行政法人産業技術総合研究所|
  • 平成25年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

研究用備品等の管理及び利活用について


平成25年度決算検査報告参照

1 本院が求めた是正改善の処置及び表示した意見

独立行政法人産業技術総合研究所(平成27年4月1日以降は国立研究開発法人産業技術総合研究所。以下「研究所」という。)は、研究業務を実施するために必要となる試験及び測定装置等各種の備品類(以下「研究用備品等」という。)を多数保有しており、これらを有形固定資産等管理要領(以下「管理要領」という。)等に基づき、固定資産管理台帳(以下「台帳」という。)に「使用中」「保管中」「処分」等の区分で記録して管理している。しかし、台帳に「使用中」又は「保管中」と記録されている研究用備品等について、その所在が確認できず、又は、既に廃棄されるなどして管理が適正を欠いていたり、研究所内で使用する見込みがなく不用決定された研究用備品等について、その利活用のための外部への譲渡が積極的に行われておらず、その大部分が廃棄されていたりしている事態が見受けられた。

したがって、研究所において、「使用中」の全ての有形固定資産等について管理要領等に基づき定期的な実査を適切に実施することとし、また、「保管中」の有形固定資産等の管理について管理要領等の内容を見直すなどして台帳の記録内容と現物の照合を行うこととして、研究用備品等の管理の適正化を図るための体制を整備したり、管理責任者等の職員に対して、研究用備品等の適正な管理の重要性や台帳の記録を正確なものとするための具体的な手続等について研修を実施するなどしてその周知徹底を図ったりするとともに、研究所内で使用する見込みがなく不用決定された研究用備品等について、譲渡を申し出る可能性が高いと思料される企業等に対して譲渡の希望の有無を確認すること、ホームページ等を用いて広く需要調査を行うことなどの外部に対する譲渡を積極的に検討する仕組みを整備するよう、独立行政法人産業技術総合研究所理事長に対して26年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求め及び同法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

本院は、研究所つくば本部において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、研究所は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 26年10月に管理要領を改正して、「使用中」及び「保管中」の有形固定資産等について、毎年度、台帳の記録内容と現物の照合を行う棚卸しを実施することを定めるなどして、研究用備品等の管理の適正化を図るための体制を整備して、27年4月から5月までの間に棚卸しを実施するとともに、全職員に対して、研究用備品等の適正な管理の重要性や資産管理業務の具体的な手続等について研修を実施してその周知徹底を図った。

イ 27年6月以降、研究所内で使用する見込みがなく不用決定された研究用備品等について、譲渡を申し出る可能性が高いと思料される企業等に対して譲渡の希望の有無を確認することとし、また、ホームページを用いて広く需要調査を行うこととして、外部に対する譲渡を積極的に検討する仕組みを整備した。