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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第80 北海道旅客鉄道株式会社|
  • 平成25年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

鉄道施設の維持管理について


平成25年度決算検査報告参照

1 本院が表示した意見

北海道旅客鉄道株式会社(以下「会社」という。)は、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」等(以下「技術基準」という。)に基づき、鉄道施設の維持管理を図るために、軌道に係る軌道変位検査及び補修工事並びに軌道に近接した法面や斜面からの落石の進入を防止するための落石止擁壁に係る通常全般検査を実施することとしている。しかし、軌道の維持管理について軌道変位検査及び補修工事が適切に実施されていなかったり、落石止擁壁の維持管理について擁壁背面の落石等の堆積状況が適切に把握されていなかったりしている事態が見受けられた。

したがって、会社において、軌道の維持管理について、技術基準等を遵守して軌道変位検査及び補修工事を適切に実施することについて関係部署に周知徹底して、その実施状況を確実に確認する方法を検討したり、軌道変位検査の対象箇所等を記録し管理するための管理台帳の具体的な運用方法を検討したり、軌道変位の評価指標である整備基準値以上となるなどしていた箇所ごとに補修工事の実施状況を管理するための補修箇所管理表の運用をより確実なものとする方策を検討したりするとともに、落石止擁壁の維持管理について、通常全般検査における適切な判断基準を検討するよう、北海道旅客鉄道株式会社代表取締役社長に対して平成26年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

本院は、会社の本社等において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、会社は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 軌道の維持管理について、26年9月以降、関係社員に対する講習会を行い、技術基準等を遵守して軌道変位検査及び補修工事を適切に実施するよう周知徹底するとともに、会社管内の軌道を区間ごとに管轄する保線管理室等が行う軌道変位検査及び補修工事の実施状況並びに保線管理室等を統括する保線所等が行う確認の状況について、本社の業務支援室が監査を行い、その結果を社内の会議等に報告することとした。そして、27年2月に、関係部署に対して通知を発して、管理台帳等の様式を改めて、これらの活用により進捗を管理して軌道変位検査を行うこととした。また、整備基準値以上となっている箇所について、システムの改修により、26年10月以降、補修箇所管理表に自動的に出力することとして、補修箇所管理表の運用をより確実なものとした。

イ 落石止擁壁の維持管理について、27年4月に、土木施設管理マニュアルを改正して、落石止擁壁の背面に係る落石等の堆積量を適切に把握し記録するための判断基準を定めて、これにより通常全般検査を適切に実施することとした。