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  • 平成26年度|
  • 第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等

第5節 特別会計財務書類の検査


平成25年度特別会計財務書類の内閣から本院への送付年月日
平成26年11月7日
検査対象
17府省庁等が所管する18特別会計の平成25年度特別会計財務書類
平成25年度特別会計財務書類の本院から内閣への回付年月日
平成26年12月22日

会計検査院は、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号。以下「法」という。)第19条第2項の規定に基づき、平成26年11月7日に内閣から送付を受けた17府省庁等(注1)が所管する18特別会計(注2)の平成25年度特別会計財務書類について検査した。そして、同年12月22日に、内閣に対して、同書類の検査を行った旨を通知し、同書類を回付した。

(注1)
17府省庁等  国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務、法務、外務、財務、文部科学、厚生労働、農林水産、経済産業、国土交通、環境、防衛各省
(注2)
18特別会計  交付税及び譲与税配付金、地震再保険、国債整理基金、外国為替資金、財政投融資、エネルギー対策、労働保険、年金、食料安定供給、農業共済再保険、森林保険、国有林野事業債務管理、漁船再保険及び漁業共済保険、貿易再保険、特許、社会資本整備事業、自動車安全、東日本大震災復興各特別会計

内閣に通知した検査結果の概要は、次のとおりである。

平成25年度特別会計財務書類について、正確性、合規性等の観点から、法、特別会計に関する法律施行令(平成19年政令第124号)、特別会計の情報開示に関する省令(平成19年財務省令第30号)、同省令第1条の規定に基づき定められた特別会計財務書類の作成基準(平成20年財務省告示第59号。以下「作成基準」という。)等に従った適切なものとなっているかなどに着眼して検査した結果、作成基準等と異なる処理をするなどしていて、特別会計財務書類の計上金額の表示が適切とは認められないものが、次表のとおり、17府省庁等が所管する3特別会計において6事項見受けられた。

なお、上記の6事項については、全て6省庁(注3)において所要の訂正が行われた。

(注3)
6省庁  復興庁、総務、財務、厚生労働、国土交通、防衛各省

表 特別会計財務書類の計上金額の表示が適切とは認められないもの

番号 特別会計名
(勘定名)
所管 財務書類の科目等 事項
計上金額
(単位:百万円)
適切な計上金額
(単位:百万円)
1 財政投融資
(特定国有財産整備)
財務省及び国土交通省 区分別収支計算書
I 業務収支
2 業務支出
(2) 施設整備支出
  土地に係る支出 本会計年度 (記載なし) △409
建物に係る支出 本会計年度 △13,931 △13,522
〈表示が適切とは認められない事項の説明〉
事項① 土地購入費は「土地に係る支出」に計上すべきであるのに、誤ってこれを「建物に係る支出」に含めていたもの(財務省)
なお、上記に連動して、合算区分別収支計算書の関連箇所に誤りが生じていた。
番号 特別会計名
(勘定名)
所管 財務書類の科目等 事項
計上金額 適切な計上金額
2 自動車安全
(保障)
国土交通省 注記
3 追加情報
(2) 貸倒引当金を計上している債権のうち、徴収可能性に重大な懸念が生じているもの
債権の種類:返納金債権、延滞金債権、過怠金債権、損害賠償金債権
  34,774百万円 49,859百万円
〈表示が適切とは認められない事項の説明〉
事項② 徴収可能性に重大な懸念が生じている債権の注記において、作成基準等により、貸倒れが懸念される債権の額を記載することとなっているのに、誤って貸倒引当金の額を記載していたもの
なお、上記に連動して、勘定を合算した財務書類の注記の関連箇所に誤りが生じていた。
番号 特別会計名 所管 財務書類の科目等 事項
計上金額
(単位:百万円)
適切な計上金額
(単位:百万円)
3 東日本大震災復興 国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省 貸借対照表 前払金 本会計年度 121,872 122,687
資産合計 本会計年度 3,479,578 3,480,393  
未払金 本会計年度 2,583 2,376
負債合計 本会計年度 9,024,567 9,024,360  
資産・負債差額 本会計年度 △5,544,989 △5,543,967
負債及び資産・負債差額合計 本会計年度 3,479,578 3,480,393
業務費用計算書 補助金等 本会計年度 2,024,697 2,024,688 ④⑤
委託費等 本会計年度 40,027 39,894
労働保険特別会計への繰入 本会計年度 250 407
装備品等購入費 本会計年度 21,050 9,970
庁費等 本会計年度 157,535 157,487
本年度業務費用合計 本会計年度 3,254,427 3,243,313  
資産・負債差額増減計算書 II 本年度業務費用合計 本会計年度 △3,254,427 △3,243,313  
IV 無償所管換等 本会計年度 △124,896 △134,985 ③④
VII 本年度末資産・負債差額 本会計年度 △5,544,989 △5,543,967  
区分別収支計算書
I 業務収支
2 業務支出
(1) 業務支出(施設整備支出を除く)
    補助金等 本会計年度 △2,023,598 △2,023,731
委託費等 本会計年度 △40,027 △39,894
庁費等の支出 本会計年度 △231,447 △231,398
業務支出(施設整備支出を除く)合計 本会計年度 △3,419,367 △3,419,318  
(2) 施設整備支出
    工作物に係る支出 本会計年度 △13,767 △13,815
施設整備支出合計 本会計年度 △122,281 △122,329  
附属明細書
1 貸借対照表の内容に関する明細
(1) 所管別の資産、負債及び資産・負債差額の明細
  前払金 復興庁 815
未払金 復興庁 2,131 1,924
(2) 資産項目の明細
③ 前払金の明細
  復興庁 労働保険特別会計に繰り入れた額のうち繰入超過額 本年度末残高 (記載なし) 815
⑧ 固定資産の明細
  工作物 本年度増加額 17,713 17,761
本年度減少額 17,713 17,761
(3) 負債項目の明細
① 未払金の明細
  復興庁 復興特区支援利子補給金 本年度末残高 2,130 1,922
2 業務費用計算書の内容に関する明細
(1) 所管別の業務費用の明細
  補助金等 復興庁 27,197 27,056
総務省 5,777 5,910
委託費等 総務省 142 9
労働保険特別会計への繰入 復興庁 250 407
装備品等購入費 防衛省 21,050 9,970
庁費等 厚生労働省 144 95
(2) 補助金等の明細
  復興庁 復興特区支援利子補給金 1,464 1,322
総務省 その他 173 306
(3) 委託費等の明細
  総務省 防災情報通信設備整備事業交付金 104 (記載なし)
原子力災害避難指示区域消防活動費交付金 28 (記載なし)
3 資産・負債差額増減計算書の内容に関する明細
(1) 所管別の資産・負債差額の増減の明細
  IV 無償所管換等 復興庁 △24 1,012 ③④
厚生労働省 △15,610 △15,658
防衛省 △55,507 △66,587
(4) 無償所管換等の明細
       
  財産の無償所管換等(渡) 厚生労働省一般会計 工作物 △32 △80
防衛省一般会計 物品 △25,133 △36,213
誤謬修正 前払金 (記載なし) 971
未払金 (記載なし) 65
4 区分別収支計算書の内容に関する明細
(1) 所管別の区分別収支の明細
  補助金等 総務省 △5,777 △5,910
委託費等 総務省 △142 △9
庁費等の支出 厚生労働省 △182 △133
工作物に係る支出 厚生労働省 △48
〈表示が適切とは認められない事項の説明〉
事項③ 業務費用計算書の「労働保険特別会計への繰入」の計上金額は、作成基準等により、支出済歳出額に発生主義による調整を行って算定することとなっているのに、誤って支出済歳出額をそのまま計上し、また、このことに伴い、貸借対照表の「前払金」の計上金額を誤っていたもの(復興庁)
事項④ 貸借対照表の「未払金」の算定に当たり、誤って復興事業に必要な資金の融資に対して支給する利子補給金の現在価値額を過大に計上していたもの(復興庁)
事項⑤ 「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」(昭和30年法律第179号)第2条第1項に規定する補助金等は、作成基準等により、業務費用計算書の「補助金等」に計上することとなっているのに、誤って補助金等の一部を「委託費等」に計上していたもの(総務省)
事項⑥ 本特別会計により取得した後に一般会計に所管換される工作物及び物品は、作成基準等により、資産・負債差額増減計算書の「無償所管換等」に計上することとなっているのに、誤って工作物及び物品の取得に係る支出額の一部を業務費用計算書の「庁費等」又は「装備品等購入費」に計上していたもの(厚生労働、防衛両省)