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  • 平成27年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第8 文部科学省|
  • 平成26年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

国庫補助事業により整備された学校施設の維持管理について


平成26年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置及び表示した意見

国庫補助事業により整備された市町村立の小学校及び中学校の校舎等(以下「学校施設」という。)の老朽化が深刻な状況となっていることを踏まえて、文部科学省に設置されている有識者会議が取りまとめた報告書によれば、学校施設の劣化状況等を適切に把握する必要があり、その際には、個々の学校施設ごとに劣化等の情報を管理するだけではなく、域内の学校施設について一元的に管理することが有効であるとされている。そして、学校施設を管理する市町村は、建築基準法(昭和25年法律第201号)に基づき、学校施設の敷地、構造等を常時適法な状態に維持するよう努めなければならないこととなっており、このうち建築主事を置くなどの市町村は、同法に基づく点検(以下「建築点検」という。)を行うこととなっている(以下、これらの市町村を「建築点検の義務がある市町村」という。)。また、学校施設を管理する市町村は、消防法(昭和23年法律第186号)に基づく点検を行うこととなっている。しかし、建築点検が適切に実施されていない事態、建築点検により是正が必要と判定された事項のうち、過去に老朽化等に起因する事故が報告されるなどしている校舎外壁の劣化、損傷等の事項、又は消防法に基づく点検により不良と判定された自動火災報知設備の不作動等の事項(以下、これらを「要是正事項」という。)が早期に是正されていない事態及び建築点検の義務がない市町村において市町村教育委員会が主体となって行う専門的な点検(以下「教育委員会点検」という。)が実施されていないため、是正の必要がある事項の有無やその内容が把握されていない事態が見受けられた。

したがって、文部科学大臣に対して平成27年10月に、次のとおり改善の処置を要求し及び意見を表示した。

  • ア 建築点検の義務がある市町村に対して、建築点検を実施して維持管理を適切に行うことの必要性やその手法等について、手引を作成するなどして一層の周知等を図ること(会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求したもの)
  • イ 市町村に対して、要是正事項を早期に是正することの必要性を周知すること、また、要是正事項等に係る劣化等の情報を一元的に管理して、適切に優先順位を設けて計画的に是正を進めていくことの重要性を周知するとともに、その手法等について、具体的な事例等を示した手引を作成するなどして提供すること(同法第36条の規定により改善の処置を要求したもの)
  • ウ 建築点検の義務がない市町村に対して、学校施設の維持管理の一環として教育委員会点検を適切に実施するための具体的な方策を検討して示すとともに、教育委員会点検を実施することにより是正の必要がある事項を把握することの重要性を周知すること(同法第36条の規定により意見を表示したもの)

2 当局が講じた処置

本院は、文部科学本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、文部科学省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 27年10月に都道府県を経由して市町村に対して通知を発して、28年3月に学校施設の維持管理の重要性や手法等について具体的な事例等を示して解説した手引を作成して公表し、さらに、同年6月に都道府県等の担当者を対象とした会議を開催して上記の通知や手引の内容を説明するとともに市町村に対して周知させて、建築点検の義務がある市町村に対して建築点検を実施して学校施設の維持管理を適切に行うことの必要性やその手法等を周知した。

イ 市町村に対して、アの通知及び会議により、要是正事項を早期に是正することの必要性や、要是正事項等に係る劣化等の情報を一元的に管理して、適切に優先順位を設けて計画的に是正を進めていくことの重要性を周知するとともに、アの手引により、要是正事項等に係る劣化等の情報を一元的に管理する手法等について、具体的な事例等を提供した。

ウ 建築点検の義務がない市町村に対して、アの手引により、学校施設の維持管理の一環として教育委員会点検を適切に実施するための具体的な方策を示すとともに、アの通知及び会議により、教育委員会点検を実施することにより是正の必要がある事項を把握することの重要性を周知した。