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  • 平成28年4月

原子力災害対策に係る施設等の整備等の状況について


3 検査の状況

(1)立地道県等が行う原子力災害対策に係る施設等の整備等に対する国の財政支援等の状況

ア 原子力災害対策に係る施設等の整備等に対する国の財政支援の状況

前記交付金及び補助金の22年度以降の予算額の推移をみると図表12のとおりとなっており、22年度の予算額は29億余円、23年度は31億余円であったが、23年原発事故後にUPZの概念が導入されて立地道県等の総数が増えたことや一時退避施設等に対する放射線防護対策を行うことにしたことなどに伴い、24年度は218億余円、25年度は337億余円となり、24年度以降増大している。

図表12 原子力災害対策に係る施設等の整備等に対する交付金及び補助金の予算額の推移(平成22年度~27年度)

(単位:億円)
通番 交付金等の名称 会計名
(所管)
平成
22年度
23年度 24年度 25年度 26年度 27年度
原子力発電施設等緊急時安全対策交付金 エネルギー対策特別会計(内閣府、文部科学省、経済産業省及び環境省)( 29.0 31.4 62.2 110.4 120.4 121.7 475.4
原子力発電施設周辺地域防災対策交付金 一般会計(内閣府) 17.7 17.7
原子力施設等防災対策等交付金 東日本大震災復興特別会計(内閣府) 27.4 27.1 20.4 74.9
原子力災害対策施設整備費補助金 一般会計(内閣府) 111.0 200.0 311.0
原子力災害対策事業費補助金 一般会計(内閣府) 90.0 100.0 190.0
29.0 31.4 218.4 337.6 230.9 221.7 1069.1
(注)
平成22、23両年度は文部科学省、経済産業省及び環境省所管

また、上記の交付金及び補助金のうち、交付額が増加した24年度から26年度までの決算額の状況をみると図表13のとおりとなっている。

24年度から26年度までの上記の交付金及び補助金の合計は、歳出予算額が786億余円であるのに対して、支出済歳出額が475億余円になっており、不用額が137億余円になっていた。

そして、交付金又は補助金ごとに各年度の支出済歳出額の歳出予算現額に対する割合(以下「執行率」という。)及び翌年度繰越額の歳出予算現額に対する割合(以下「繰越率」という。)をみると、②の交付金及び④の補助金の24年度並びに⑤の補助金の26年度は、いずれも各年度の補正予算において財政措置され、財政法(昭和22年法律第34号)に基づく繰越明許費として国会の議決を経たものであり、繰越率がそれぞれ98.6%、99.9%、100%となっている。さらに、④の補助金は、25年度の執行率も14.2%にとどまっており、繰越率が83.1%と引き続き高くなっているが、これは、特殊な設備を整備するなどの事業の特殊性が影響を与えていることが考えられる。

また、不用額及び不用額の歳出予算現額に対する割合(以下「不用率」という。)をみると、①の交付金の24年度と26年度の不用額はそれぞれ14億余円(不用率23.9%)と38億余円(同20.7%)、②の交付金の25年度の不用額は7億余円(同43.6%)、③の交付金の24年度と25年度の不用額はそれぞれ8億余円(同30.5%)と11億余円(同25.9%)及び④の補助金の26年度の不用額は39億余円(同15.1%)となっている。

内閣府は、これらの不用額が生じた理由について、道府県からの交付申請額が予定を下回ったこと、道府県による事業実施において、競争入札等の結果により契約価格が予定額を下回ったり、事業計画の変更があったりしたことなどによるとしている。

図表13 原子力災害対策に係る施設等の整備等に対する交付金及び補助金の決算状況(平成24年度~26年度)

(単位:百万円、%)
通番 交付金等の名称 年度 歳出予算額 前年度 歳出 支出済
歳出額
翌年度
繰越額
不用額
繰越額 予算現額 (執行率) (繰越率) (不用率)
原子力発電施設等緊急時安全対策交付金 平成
24
6,229 6,229 3,759 977 1,493
      (60.3) (15.6) (23.9)
25 11,047 977 12,024 4,469 6,727 827
      (37.1) (55.9) (6.8)
26 12,047 6,727 18,775 13,000 1,878 3,896
      (69.2) (10.0) (20.7)
29,324 21,229 6,217
原子力発電施設周辺地域防災対策交付金 24 1,771 1,771 1,748 23
        (98.6) (1.3)
25 1,748 1,748 958 26 763
      (54.8) (1.5) (43.6)
26 26 26 26
      (100)    
1,771 984 786
原子力施設等防災対策等交付金 24 2,740 2,740 60 1,843 836
      (2.2) (67.2) (30.5)
25 2,716 1,843 4,559 1,180 2,195 1,183
      (25.8) (48.1) (25.9)
26 2,043 2,195 4,238 2,115 2,076 46
      (49.9) (48.9) (1.0)
7,499 3,357 2,066
原子力災害対策施設整備費補助金 24 11,100 11,100 11,098 1
        (99.9) (0.0)
25 20,000 11,098 31,098 4,445 25,863 789
      (14.2) (83.1) (2.5)
26 25,863 25,863 17,517 4,440 3,905
      (67.7) (17.1) (15.1)
31,100 21,962 4,696
原子力災害対策事業費補助金 24
25
26 9,000 9,000 9,000
        (100)  
9,000
合計 78,695 47,533 13,766
(注)
「前年度繰越額」、「歳出予算現額」及び「翌年度繰越額」は、年度間で重複が生ずる場合があるため、集計していない。

上記支出済歳出額の合計475億余円は、原子力発電所以外の原子力事業所(注4)が立地する大阪府、神奈川県及び岡山県を含んだ全国24道府県に対して交付された交付金及び補助金の交付額である。このうち、原子力発電所の立地道県及び隣接府県である21道府県に係る交付額について、原子力発電所が所在する地域ごとに、原子力災害対策重点区域が設定されている市町村の数と合わせて道府県別に示すと図表14のとおりとなっていて、計468億余円が交付されている。

(注4)
原子力発電所以外の原子力事業所  試験研究炉を設置する研究施設や核燃料を加工する工場等をいう。

図表14 原子力発電所の立地道県及び隣接府県である21道府県が行う原子力災害対策に係る施設等の整備等に対する交付金及び補助金の交付額等の状況(平成24年度~26年度)

(単位:百万円)
地域 区分 道府県名 原子力災害対策重点区域に係る市町村数 ①原子力発電施設等緊急時安全対策交付金 ②原子力発電施設周辺地域防災対策交付金 ③原子力施設等防災対策等交付金 ④原子力災害対策施設整備費補助金 ⑤原子力災害対策事業費補助金
3(3)(5)ア
参照
3(5)イ
参照
3(3)
参照
3(4)
参照
立地 北海道 13 2,749 80 94 1,092 - 4,016
東通 立地 青森県 5 976 22 75 2,626 - 3,701
女川 立地 宮城県 7 527 54 122 1,167 - 1,872
福島 立地 福島県 13 972 26 2,102 - - 3,101
東海第二 立地 茨城県 14 984 124 79 1,095 - 2,283
柏崎刈羽 立地 新潟県 9 1,292 67 66 1,134 - 2,560
志賀 立地 石川県 8 2,594 43 85 2,131 - 4,854
隣接 富山県 1 267 9 47 198 - 523
福井エリア 立地 福井県 12 1,955 39 61 2,153 - 4,209
隣接 岐阜県 1 121 12 21 - - 156
滋賀県 2 272 11 63 - - 347
京都府 8 507 68 58 577 - 1,212
浜岡 立地 静岡県 11 952 46 55 569 - 1,622
島根 立地 島根県 4 882 135 68 4,412 - 5,499
隣接 鳥取県 2 704 62 48 1,040 - 1,855
伊方 立地 愛媛県 7 2,185 30 98 601 - 2,915
隣接 山口県 1 172 - 21 - - 194
玄海 立地 佐賀県 3 728 21 48 1,998 - 2,797
隣接 福岡県 1 246 6 22 171 - 446
長崎県 4 494 22 27 307 - 851
川内 立地 鹿児島県 9 1,033 100 48 681 - 1,863
135 20,621 984 3,318 21,962 - 46,887

イ 地域防災計画(原子力災害対策編)の作成等に対する支援

前記のとおり、内閣府は、原子力防災会議決定に基づき、地域原子力防災協議会(25年9月から27年3月まではワーキングチーム)を設置して、関係省庁と共に、各地域の原子力災害対策の継続的な充実及び強化を実現するための取組を行っている。

25年9月の設置以降27年12月末までの各地域原子力防災協議会における会議の開催状況についてみると図表15のとおりとなっており、開催回数が最も多い福井エリア地域原子力防災協議会は20回開催されている一方で、開催回数が2回や3回の地域もあった。

これらの会議においては、関係府省庁及び立地道県等が出席して、避難方法や避難経路の検討、広域的な避難先となる周辺県への説明等を実施することなどにより、各地域における避難計画の作成等を推進する取組が行われている。

図表15 地域原子力防災協議会における会議の開催状況

(平成25年9月~27年12月)
地域原子力防災協議会 参加道府県 注(1) 会議の開催状況
立地道県 隣接府県 注(2)
泊地域 北海道 8回
東通地域 青森県 3回
女川地域 宮城県 3回
福島地域 福島県 2回
東海第二地域 茨城県 4回
柏崎刈羽地域 新潟県 2回
志賀地域 石川県 富山県 3回
福井エリア地域 福井県 滋賀県、京都府、岐阜県 20回
浜岡地域 静岡県 7回
島根地域 島根県 鳥取県 14回
伊方地域 愛媛県 山口県 12回
玄海地域 佐賀県 長崎県、福岡県 4回
川内地域 鹿児島県 5回
注(1)
本図表に記載した道府県のほか、避難先となる県等が必要に応じて参加している。
注(2)
地域原子力防災協議会の作業部会及び地域原子力防災協議会に改称される前のワーキングチームにおける開催回数を含む。

また、防災基本計画によれば、各地域の地域原子力防災協議会は、避難計画を含むその地域の緊急時における対応を取りまとめたもの(以下「緊急時対応」という。)が原災指針等に照らして具体的かつ合理的なものであることを確認することとされ、内閣府は、同協議会における確認結果を原子力防災会議に報告し、同会議の了承を得ることとされている。

原子力防災会議における緊急時対応の了承等の状況をみると図表16のとおりとなっており、13地域のうち、27年12月末までに福井エリア(高浜)、伊方、川内各地域について原子力防災会議における緊急時対応の了承が行われている。

図表16 原子力防災会議における緊急時対応の了承等の状況

(平成27年12月末現在)
地域 状況
平成27年7月2日に泊地域原子力防災協議会作業部会において中間取りまとめを作成
東通 (取りまとめ中)
女川 (取りまとめ中)
福島 (取りまとめ中)
東海第二 (取りまとめ中)
柏崎刈羽 (取りまとめ中)
志賀 (取りまとめ中)
福井エリア 高浜地域について第6回原子力防災会議にて27年12月18日に了承。その他の地域については取りまとめ中
浜岡 (取りまとめ中)
島根 (取りまとめ中)
伊方 第5回原子力防災会議にて27年10月6日に了承
玄海 (取りまとめ中)
川内 第4回原子力防災会議にて26年9月12日に了承

防災基本計画によれば、内閣府は、関係省庁及び立地道県等と共に、地域原子力防災協議会において確認した緊急時対応に基づき訓練を行い、訓練結果から反省点を抽出し、その反省点を踏まえて当該地域における緊急時対応の改善を図るために必要な措置を講じて、継続的に地域の防災体制の充実を図ることとされている。また、原子力災害対策に係る訓練については、災対法に基づき立地道県等が実施する訓練と、原災法に基づき国が主体となって行う原子力総合防災訓練とがある。

各地域における原子力発電所の原子力総合防災訓練の直近の実施状況をみると図表17のとおりとなっており、13地域のうち、23年原発事故後は志賀、伊方、川内各地域において実施されている。

図表17 各地域における原子力発電所の原子力総合防災訓練の直近の実施状況

(平成27年12月末現在)
地域 実施年月 実施道府県及び原子力発電所
平成13年10月 北海道、北海道電力株式会社泊発電所
東通
女川
福島 20年10月 福島県、東京電力株式会社福島第一原子力発電所
東海第二 21年12月 茨城県、日本原子力発電株式会社東海第二発電所
柏崎刈羽 17年11月 新潟県、東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所
志賀 26年11月 石川県、富山県、北陸電力株式会社志賀原子力発電所
福井エリア 14年11月 福井県、関西電力株式会社大飯発電所
浜岡 22年10月 静岡県、中部電力株式会社浜岡原子力発電所
島根 12年10月 島根県、中国電力株式会社島根原子力発電所
伊方 27年11月 愛媛県、山口県、大分県、四国電力株式会社伊方発電所
玄海 15年11月 佐賀県、長崎県、九州電力株式会社玄海原子力発電所
川内 25年10月 鹿児島県、九州電力株式会社川内原子力発電所
(注)
原子力総合防災訓練は、平成11年に制定された原災法に基づき、12年から実施されている。

(2)立地道県等における地域防災計画(原子力災害対策編)等の作成及び修正の状況

ア 地域防災計画(原子力災害対策編)等の作成状況

前記のとおり、都道府県防災会議及び市町村防災会議は、防災基本計画の内容を基礎として、都道府県地域防災計画及び市町村地域防災計画をそれぞれ作成して原子力災害対策に係る施設等の整備等について記載するとともに、避難計画を定めることとなっている。そして、原子力災害対策に係る地域防災計画及び避難計画の作成に当たっては、原災法等により、防災基本計画に加え、原災指針の内容を基礎として作成することとなっている。

立地道県及び隣接府県における地域防災計画(原子力災害対策編)及び避難計画の27年9月末における作成(原災指針が決定された24年10月時点で既存の計画があった場合にはその修正を含む。)状況をみると、原災指針に基づく地域防災計画(原子力災害対策編)は全ての立地道県及び隣接府県で作成されており、避難計画は、立地道県及び隣接府県が管内の市町村と避難先の市町村との意見の調整を図るなどして作成が進められている。なお、避難計画の作成に係る費用のうち立地道県及び隣接府県が行う避難シミュレーションの実施に係る費用は、原子力施設等防災対策等交付金の交付対象となっている(図表11及び図表12のそれぞれ③参照)。

上記の原子力災害対策重点区域が設定されている135市町村における28年2月20日現在の地域防災計画(原子力災害対策編)及び避難計画の作成状況について、前記の13地域別に示すと、図表18のとおりとなっており、原災指針に基づき地域防災計画(原子力災害対策編)の作成を行った市町村は計130市町村、避難計画を作成済みの市町村は計96市町村となっている(市町村の内訳は別表1及び別表2参照)。そして、作成未済となっている市町村においては、23年原発事故により避難指示区域に設定されていたり、具体的な避難先の調整に時間を要したりなどしていることにより、地域防災計画(原子力災害対策編)の作成や避難計画の作成が完了していない状況になっている。

図表18 原子力災害対策重点区域が設定されている市町村における地域防災計画(原子力災害対策編)及び避難計画の作成状況(平成28年2月20日現在)

地域 対象市町村数 地域防災計画作成数 注(2) 避難計画作成数 備考
13 13 13  
東通 5 5 5  
女川 7 7 3 平成26年12月に宮城県が「避難計画(原子力災害)作成ガイドライン」を作成している。
福島 注(3) 13 9 6 27年3月に福島県が「暫定重点区域における福島県原子力災害広域避難計画」を作成している。
東海第二 14 13 0 27年3月に茨城県が「原子力災害に備えた茨城県広域避難の行動指針」を作成している。
柏崎刈羽 9 9 6 26年3月に新潟県が「原子力災害に備えた新潟県広域避難の行動指針」を作成している。
志賀 9 9 9  
福井エリア 23 23 23  
浜岡 11 11 0 27年7月に静岡県が「浜岡地域原子力災害広域避難計画の策定状況」で避難計画の構成と内容を公表している。
島根 6 6 6  
伊方 8 8 8  
玄海 8 8 8  
川内 9 9 9  
135 130 96  
注(1)
本図表は、内閣府が把握している作成状況に基づき作成している。
注(2)
原災指針に基づき地域防災計画の修正を行った市町村の数を示している。
注(3)
福島地域は、東京電力株式会社福島第一原子力発電所があり、同発電所の周辺地域等が避難指示区域に設定されている。

イ 原災指針等の改正及び地域防災計画(原子力災害対策編)等の修正の状況

都道府県防災会議及び市町村防災会議は、災対法、原災法等により、作成した地域防災計画(原子力災害対策編)及び避難計画について毎年検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならないことになっている。

一方、原災指針によれば、災害を防ぐという性質上、原災指針は、新たに得られた知見や把握できた実態等を踏まえ、実効性を向上すべく不断の見直しを行うべきものであり、このような観点から、その後の規制委員会による原災指針の見直し等の検討結果に加えて、地方公共団体の原子力災害対策への取組状況や防災訓練の結果等を踏まえて継続的な改正を進めていくこととされている。そして、原災指針は、24年10月の決定以降、27年12月末までに5回の改正が行われている。また、安定ヨウ素剤に係る運用についての具体的方策を示す「安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって」(平成25年7月原子力規制庁作成)や、原災指針の緊急時モニタリングに係る記載を補足する「緊急時モニタリングについて」(平成26年1月原子力規制庁作成)等、原災指針を補足するマニュアル等にも、複数回の修正が行われているものがある。

これらの改正等の状況は図表19のとおりである。

図表19 原災指針等の改正等の状況

図表19 原災指針等の改正等の状況 画像

一方、前記の地域防災計画(原子力災害対策編)を作成済みとしている130市町村について、28年2月20日現在における同計画の直近の修正の時期を示すと図表20のとおりとなっており、25年中が27市町村、26年中が36市町村、27年以降が67市町村となっている。

図表20 地域防災計画(原子力災害対策編)の直近の修正時期

地域
年月

(13)
東通
(5)
女川
(7)
福島
(9)
東海第二
(13)
柏崎刈羽
(9)
志賀
(9)
福井エリア
(23)
浜岡
(11)
島根
(6)
伊方
(8)
玄海
(8)
川内
(9)

(130)
平成
24年10月
【決定】
                          -
25年2月
【改正】
  むつ市       長岡市               27
25年3月   横浜町 女川町 飯舘村 常陸大宮市
城里町
大子町
燕市 羽咋市 京丹波町*          
25年5月         水戸市
笠間市
大洗町
              阿久根市
姶良市
25年6月
【改正】
      川内村 茨城町               長島町
25年7月       葛尾村                  
25年8月 倶知安町
赤井川村
            おおい町     伊方町    
25年9月
【改正】
        鉾田市                
25年11月               越前町          
25年12月       南相馬市                  
26年1月             輪島市             36
[4]
26年2月   [青森県] 東松島市         南丹市*          
26年3月 ニセコ町   石巻市
登米市
南三陸町
いわき市 日立市 [新潟県] 志賀町
穴水町
[岐阜県*]
越前市
  [島根県]
松江市
伊予市
内子町
唐津市  
26年4月   東通村                      
26年5月     美里町     見附市   小浜市   雲南市 大洲市 玄海町  
26年6月   六ヶ所村   楢葉町                  
26年7月 余市町         柏崎市         八幡浜市    
26年8月         東海村     高浜町
高島市*
         
26年9月         高萩市                
26年10月           刈羽村 中能登町            
26年11月           十日町市              
26年12月 積丹町                        
27年1月               池田町
若狭町
          67
[17]
27年2月                 島田市
菊川市
       
27年3月 寿都町
蘭越町
古平町
野辺地町 涌谷町 川俣町
広野町
[茨城県]
那珂市
小千谷市
上越市
宝達志水町 [福井県]
[滋賀県*]
福井市
南越前町
美浜町
揖斐川町*
舞鶴市*
綾部市*
伊根町*
磐田市
焼津市
藤枝市
袋井市
御前崎市
牧之原市
吉田町
森町
  宇和島市
西予市
上関町*
[佐賀県]
[福岡県*]
[鹿児島県]
鹿児島市
27年4月
【改正】
                      松浦市*  
27年5月             [石川県] [京都府*]   安来市 [山口県*] 伊万里市 薩摩川内市
27年6月 [北海道]     田村市     [富山県*]
七尾市
鯖江市
長浜市*
[静岡県] 出雲市   [長崎県*]
糸島市*
壱岐市*
日置市
いちき串木野市
さつま町
27年7月                       平戸市*  
27年8月
【改正】
            氷見市*     [鳥取県*] [愛媛県]    
27年9月 共和町
岩内町
泊村
神恵内村
                境港市*      
27年10月                   米子市*      
27年11月               京都市*          
27年12月 仁木町         出雲崎町 かほく市            
28年1月               宮津市* 掛川市       出水市
28年2月     [宮城県] [福島県] 常陸太田市     敦賀市
福知山市*
      佐世保市*  
注(1)
地域欄の( )内の数字は、原災指針に基づき地域防災計画の修正を行った市町村の数を示している。
注(2)
[ ]は当該道府県が当該年月に地域防災計画の直近の修正を行ったことを示している。
注(3)
年月欄の「決定」「改正」は、原災指針の決定又は改正があった月であることを示している。
注(4)
*印は隣接府県及び隣接府県に所在する市町に付している。

このように、立地道県等においては、地域防災計画(原子力災害対策編)及び避難計画の作成をおおむね行っているものの、作成の基礎となる原災指針等の内容については最新の知見を取り入れるなどして適宜見直しが行われていることから、地域の実情を踏まえつつ、地域防災計画(原子力災害対策編)及び避難計画に検討を加え、必要な修正を適時適切に進めていくことが求められている。

(3)オフサイトセンターの整備状況

検査の対象とした11立地道県に所在する原子力発電所に係るオフサイトセンターは、図表21のとおり14か所となっている。

図表21 検査の対象としたオフサイトセンター

道県名 原子力発電所名 オフサイトセンター名
北海道 北海道電力株式会社泊発電所 北海道原子力防災センター
青森県 東北電力株式会社東通原子力発電所 東通村防災センター
新潟県 東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所 新潟県柏崎刈羽原子力防災センター
茨城県 日本原子力発電株式会社東海発電所 茨城県原子力オフサイトセンター
日本原子力発電株式会社東海第二発電所
静岡県 中部電力株式会社浜岡原子力発電所 静岡県浜岡原子力防災センター
石川県 北陸電力株式会社志賀原子力発電所 石川県志賀オフサイトセンター
福井県 日本原子力発電株式会社敦賀発電所 福井県敦賀原子力防災センター
関西電力株式会社美浜発電所 福井県美浜原子力防災センター
関西電力株式会社大飯発電所 福井県大飯原子力防災センター
関西電力株式会社高浜発電所 福井県高浜原子力防災センター
島根県 中国電力株式会社島根原子力発電所 島根県原子力防災センター
愛媛県 四国電力株式会社伊方発電所 愛媛県オフサイトセンター
佐賀県 九州電力株式会社玄海原子力発電所 佐賀県オフサイトセンター
鹿児島県 九州電力株式会社川内原子力発電所 鹿児島県原子力防災センター
(注)
本図表は、「原子力災害対策特別措置法第十二条第一項の規定に基づき、緊急事態応急対策等拠点施設を指定する告示」(平成27年内閣府告示第331号)の記載順に従って記載している(以下、3(3)における各図表について同じ。)。

これらのオフサイトセンターを整備した道県等は、23年原発事故の教訓を踏まえて、機能強化のための新たな要件が盛り込まれた内閣府令等に対応するために、移転する施設については建設工事を、また、継続使用する施設については放射線防護対策の強化等のための改修工事をそれぞれ行っており、これらの工事に対して緊急時交付金等が交付されている。

その実績額について立地道県別に示すと、図表22のとおり、移転に係る建設工事を行った北海道、石川県及び愛媛県で10億円台となっている。

図表22 オフサイトセンター改修工事等の実績額

(単位:百万円)
道県名 平成25年度 26年度
北海道 49 1,904 1,954
青森県 37 188 226
新潟県 21 198 220
茨城県 18 180 199
静岡県 9 9
石川県 213 1,756 1,970
福井県 726 51 777
島根県 219 2 222
愛媛県 37 1,381 1,419
佐賀県 9 201 210
鹿児島県 12 182 194
1,355 6,049 7,405

また、内閣府令等の定める要件に対する適合状況等について27年9月末時点で整理すると、次のとおりとなっている。

ア 立地状況等

オフサイトセンターの立地要件については、前記のとおり、23年原発事故後の検討を踏まえて原子力事業所との距離を5km以上30km未満とするなどの具体的な要件が内閣府令等に示されている。そして、内閣府令には経過措置が規定されており、これによれば、立地要件の規定に適合しないものについては同規定にかかわらず、27年9月30日までの間は従前の例によるとされている。

立地状況等についてオフサイトセンター別に示すと図表23のとおりとなっており、立地要件を満たすようにするために、北海道、石川県及び愛媛県の各オフサイトセンターについては新築移転等を27年9月末までに完了しているが、静岡県のオフサイトセンターについては上記の経過措置期限を越えて移転工事中であり、28年3月末にしゅん工予定となっている。

図表23 オフサイトセンターの立地状況等

道県名 オフサイトセンター名 原子力事業所との距離(km) 原子力事業所からの方角 標高
(m)
海岸線からの距離
(km)
ヘリポート夜間照明設備の有無 左に係る電源確保の状況
北海道 北海道原子力防災センター 注(1) 10.4 南東 47.0 7.2
(2.0)
青森県 東通村防災センター 11.0 北北西 39.2 7.0
新潟県 新潟県柏崎刈羽原子力防災センター 8.0 南南西 6.0 2.5
茨城県 茨城県原子力オフサイトセンター 11.0 南南西 28.0 4.0
静岡県 原子力防災センター 注(2) 19.6 北北東 166.0 19.0
(2.3)
石川県 石川県志賀オフサイトセンター 注(1) 8.7 南東 20.5 2.5
(消防署から受電)
(5.0)
福井県 福井県敦賀原子力防災センター 13.0 16.0 3.5
福井県美浜原子力防災センター 9.0 14.0 0.7
福井県大飯原子力防災センター 7.0 南西 2.0 0.1
福井県高浜原子力防災センター 7.0 南東 4.0 0.5
島根県 島根県原子力防災センター 8.5 南東 2.0 8.7
愛媛県 愛媛県オフサイトセンター 注(1) 24.0 南東 200.0 4.8
(4.5)
佐賀県 佐賀県オフサイトセンター 13.2 南東 3.9 0.2
鹿児島県 鹿児島県原子力防災センター 11.0 東南東 4.0 11.0
注(1)
当オフサイトセンターは、立地要件を満たすために平成27年9月末までに移転が行われた。
注(2)
当オフサイトセンターは、平成27年9月末時点で移転工事中であるため、予定の内容を記載している。
注(3)
「原子力事業所との距離(km)」欄の括弧書きは、移転前の距離を示している。

また、各オフサイトセンターでは、原子力災害合同対策協議会の構成員その他の関係者が参集するために必要な道路、ヘリポートの整備等が行われている。ヘリポートの整備に当たっては、図表23のとおり、全てのオフサイトセンターにおいて緊急時交付金により夜間離発着のための照明設備、照明設備用の発電機等の防災資機材の整備を行っているが、このうち北海道のオフサイトセンターでは、移転前の施設において会計実地検査を行った26年12月時点で、発電機のための燃料の備蓄が行われていなかったり、訓練実績がなかったりしているなど、緊急時にヘリポートを利用するのに必要なこれらの防災資機材を適切に使用するための準備態勢が十分でない事態が見受けられた。

イ 建屋構造及び放射線防護対策の状況

前記のとおり、内閣府令等によれば、オフサイトセンターの建屋は、気密性を高め、フィルターにより放射性物質を遮断する機能を具備することとされており、この機能を付加するための工事が各オフサイトセンターにおいて行われている。そして、ガイドラインによれば、フィルターにより捕集することができない放射性希ガス(注5)の除去・拡散方法については、専門家と共に検討することとされており、また、監視については、OFC参考資料によれば放射性希ガスの有無を監視可能とするためにサンプリング装置とガスモニタを設置するなどの対応が必要であるとされている。

27年9月末現在の建屋構造及び放射線防護対策の状況について、オフサイトセンター別に示すと図表24のとおりとなっており、サンプリング装置やガスモニタの設置を完了しているオフサイトセンターは1か所にとどまっていた。そして、その他のオフサイトセンターを整備する道県等においては今後整備する予定であるとしている。

(注5)
放射性希ガス  化学的に安定して他の元素と化合物を作りにくい性質を有する希ガスのうち放射能を有するもの

図表24 建屋構造及び放射線防護対策の状況

道県名 オフサイトセンター名 建物しゅん工年月 建屋構造 床面積
(m2
収容可能人員数
(人)
コンクリート壁の設置状況
(厚さ)
フィルター設備の整備状況 建屋内における放射線量率測定等のための装置の整備状況 放射性希ガスモニタ及びサンプリング装置の整備状況
北海道 北海道原子力防災センター 平成
27年3月
RC造3階建 2,695.75 190 設置済
(20cm)
整備済 整備済 未整備
青森県 東通村防災センター 16年8月 RC造2階建
(一部SRC)
2,657.50 220 設置済
(18cm)
整備済 整備予定
注(2)
未整備
新潟県 新潟県柏崎刈羽原子力防災センター 14年3月 RC造2階建 1,808.00 330 設置済
(18cm)
整備済 整備済 未整備
茨城県 茨城県原子力オフサイトセンター 14年3月 RC造2階建 2,369.66 120 設置済
(18cm)
整備済 整備予定
注(2)
未整備
静岡県 原子力防災センター 注(1) 28年3月 RC造3階建 2,246.43 300 建設中
(18cm以上)
整備中 装置を移設予定 未整備
石川県 石川県志賀オフサイトセンター 27年3月 RC造2階建 2,791.50 240 設置済
(25cm)
整備済 整備済 未整備
福井県 福井県敦賀原子力防災センター 13年11月 SRC造2階建 2,050.00 200 設置済
(25cm)
整備済 整備済 未整備
福井県美浜原子力防災センター 13年11月 SRC造2階建 1,825.00 200 設置済
(25cm)
整備済 整備済 未整備
福井県大飯原子力防災センター 13年11月 SRC造2階建 1,825.00 200 設置済
(25cm)
整備済 整備済 未整備
福井県高浜原子力防災センター 14年3月 SRC造2階建 2,050.00 200 設置済
(25cm)
整備済 整備済 未整備
島根県 島根県原子力防災センター 14年3月 RC造3階建 2,313.00 100 設置済
(15~20cm)
整備済 整備済 未整備
愛媛県 愛媛県オフサイトセンター 27年3月 RC造4階建 2,449.00 173 設置済
(18cm)
整備済 整備済 未整備
佐賀県 佐賀県オフサイトセンター 13年11月 RC造2階建 1,738.07 384 設置済
(12.5cm)
整備済 整備済 整備済
鹿児島県 鹿児島県原子力防災センター 14年1月 RC造5階建 2,287.00 200 設置済
(15cm)
整備済 整備済 未整備
注(1)
当オフサイトセンターは、平成27年9月末時点で移転工事中であるため、予定の内容を記載している。
注(2)
平成27年9月末時点では「整備予定」であったが、28年2月までに本件装置の整備が行われて「整備済」となっている。

ウ 非常用電源装置等の整備状況

ガイドラインによれば、複合災害への対応策として自然災害が発生した場合における重要設備の機能を保持するためには、電源の安定的な確保が必須であるため、瞬時電圧低下(停電)への対策として無停電電源装置や非常用電源装置を設置することなどとされており、非常用電源装置については従来おおむね3日間(72時間)稼働することとされていた。しかし、26年6月に内閣府が各立地道県宛てに発出した通知によりガイドラインを改定することとし、南海トラフ巨大地震や火山噴火等と原子力発電所の事故が重なるような複合災害を想定した対策を講ずる必要性を考慮して、非常用電源装置の稼働時間が変更され、地域の特殊性を考慮し、緊急時における燃料優先供給協定、電源車の優先的確保・使用等が契約等において担保されている場合を除き、おおむね1週間(168時間)稼働するための燃料の備蓄を行うこととされた。

オフサイトセンターの機能維持のための非常用電源装置等の整備状況について、オフサイトセンター別に示すと図表25のとおりとなっており、原則どおりおおむね1週間稼働するために必要な燃料を備蓄する設備が導入されているオフサイトセンターは新設された3か所のほかに1か所の計4か所であり、増設工事中としているものが7か所、増設工事を行わずに緊急時における燃料優先供給協定を地元の石油製品を販売する者で組織する団体等との間で締結するなどの措置により対応することとしているものが3か所となっていた。

図表25 非常用電源装置等の整備状況等

道県名 オフサイトセンター名 非常用発電機出力
(kVA)
左の稼働時間
(時間)
左の日数
(日)
ガイドライン改定(緊急時における1週間分の燃料確保)への対応状況
北海道 北海道原子力防災センター 500 168.0 7.0 対応済
青森県 東通村防災センター 500 71.4 3.0 燃料備蓄設備の増設工事中
新潟県 新潟県柏崎刈羽原子力防災センター 350 72.0 3.0 燃料備蓄設備の増設工事中
茨城県 茨城県原子力オフサイトセンター 625 75.0 3.1 緊急時における燃料優先供給協定を締結
静岡県 原子力防災センター  500 72.0 3.0 緊急時における燃料優先供給協定を締結
石川県 石川県志賀オフサイトセンター 500 168.0 7.0 対応済
福井県 福井県敦賀原子力防災センター 386 72.0 3.0 緊急時における燃料優先供給協定を締結及び燃料備蓄設備の増設工事中
福井県美浜原子力防災センター 386 72.0 3.0
福井県大飯原子力防災センター 386 72.0 3.0
福井県高浜原子力防災センター 386 72.0 3.0
島根県 島根県原子力防災センター 450 72.0 3.0 燃料備蓄設備の増設工事中
愛媛県 愛媛県オフサイトセンター 500 179.0 7.5 対応済
佐賀県 佐賀県オフサイトセンター 625 171.0 7.1 対応済
鹿児島県 鹿児島県原子力防災センター 500 72.0 3.0 緊急時における燃料優先供給協定を締結
(注)
当オフサイトセンターは、平成27年9月末時点で移転工事中であるため、予定の内容を記載している。

エ 代替オフサイトセンターの整備状況

内閣府令等によれば、代替オフサイトセンターは、原子力事業所との距離が30km以上で、オフサイトセンターからの陸路による移動が可能であり、かつ、原子力事業所からオフサイトセンターの方向とは年間の風向きを考慮して異なる場所に複数設置することとされている。そして、上記の規定に適合しないものについては、経過措置として、27年9月30日までの間はなお従前の例によるとされている。さらに、内閣府令等によれば、地理的要因等により設置が困難な場合には弾力的な措置を講ずることも必要とされ、原子力事業所からの距離が30km未満である場合にはフィルターによる放射線防護対策が必要であるとされている。

代替オフサイトセンターの整備状況について14か所のオフサイトセンター別に示すと図表26のとおりとなっている。これによると2か所目の代替オフサイトセンターの設置が完了していないオフサイトセンターが5か所、30km未満に立地する代替オフサイトセンター4か所のうち必要とされる放射線防護対策が行われていないものが2か所となっているが、これらについては、経過措置の期限である27年9月30日を経過した27年12月末時点でも同様の状況となっている。また、設置済みの延べ25か所の代替オフサイトセンターのうち、年間の風向きを考慮して異なる場所でなくオフサイトセンターと同一方向に設置されているものが2か所あったが、これらについて、内閣府は、方向が大きく異ならなくても距離が異なることなどを考慮してその機能は十分に確保されるため、内閣府令に定める要件は満たされているとしている。

図表26 代替オフサイトセンターの整備状況

道県名 オフサイトセンター名 代替オフサイトセンター名 建屋構造/規模 床面積(代替オフサイトセンター部分)
(m2
原子力事業所までの距離(km) 放射線防護対策工事実施状況 原子力事業所から代替オフサイトセンターの方角 原子力事業所からオフサイトセンターの方角 2か所目の代替オフサイトセンターの設置が完了していないもの
北海道 北海道原子力防災センター 喜茂別町農村環境改善センター RC造2階建 336.0 44.0 南東 南東  
寿都町総合文化センター RC造2階建 462.0 36.0 南西
青森県 東通村防災センター 六ヶ所オフサイトセンター RC造(一部S造)
2階建
1,900.0 25.0 未実施
(検討中)
北北西
新潟県 新潟県柏崎刈羽原子力防災センター 新潟県庁 RC造16階建 300.0 64.0 北北東 南南西
茨城県 茨城県原子力オフサイトセンター 茨城県庁 S造(一部RC造)
25階建
特に定めていない 20.0 未実施
(検討中)
南西 南南西
静岡県 原子力防災センター 注(1) 静岡県庁(別館) S造21階建/地下
SRC造2階
1,554.0 45.0 北北東 北北東  
静岡県浜松総合庁舎 SRC造11階建
地下2階
727.0 39.0 西北西
石川県 石川県志賀オフサイトセンター 石川県庁 RC造19階建 883.0 52.7 南南西 南東  
石川県奥能登総合事務所 RC造4階建 696.0 33.1 北東
福井県 福井県敦賀原子力防災センター 大飯原子力防災センター SRC造2階建 1,825.0 48.0 実施済 南西  
高浜原子力防災センター SRC造2階建 2,050.0 51.0 実施済 南西
福井県生活学習館 RC造3階建 1,177.0 37.0 北東
福井県美浜原子力防災センター 大飯原子力防災センター SRC造2階建 1,825.0 40.0 実施済 南西  
高浜原子力防災センター SRC造2階建 2,050.0 48.0 実施済 南西
福井県生活学習館 RC造3階建 1,177.0 44.0 北東
福井県大飯原子力防災センター 敦賀原子力防災センター SRC造2階建 2,050.0 35.0 実施済 東北東 南西  
美浜原子力防災センター SRC造2階建 1,825.0 31.0 実施済 東北東
福井県生活学習館 RC造3階 1,177.0 76.0 北東
福井県高浜原子力防災センター 敦賀原子力防災センター SRC造2階建 2,050.0 49.0 実施済 東北東 南東  
美浜原子力防災センター SRC造2階建 1,825.0 45.0 実施済 東北東
福井県生活学習館 RC造3階建 1,177.0 87.0 北東
島根県 島根県原子力防災センター 島根県出雲合同庁舎 SRC造8階建 322.0 28.3 実施済 南西 南東
愛媛県 愛媛県オフサイトセンター 愛媛県庁 RC造11階建 562.0 57.0 北東 南東  
砥部総合文化会館 RC造3階建 533.0 53.0 東北東
佐賀県 佐賀県オフサイトセンター 佐賀県庁 SRC造11階建
地下2階
200.0 52.1 南東 南東
鹿児島県 鹿児島県原子力防災センター 鹿児島県消防学校 RC造3階建 2,371.0 24.0 実施済 南東 東南東  
鹿児島県庁行政庁舎 S造(一部SRC造)
18階建
78,622.0 46.0 南東
注(1)
当オフサイトセンターは、平成27年9月末時点で移転工事中であるため、代替オフサイトセンター2か所も含めて予定の内容を記載している。
注(2)
網掛けは30km未満に立地する代替オフサイトセンターを示している。

(4)一時退避施設等の放射線防護対策事業の実施状況

ア 補助事業の概況及び事業の実施状況

立地道県等においては、原子力災害対策重点区域の住民等のうち、避難時の移動等により健康面のリスクが高まることから屋内退避が優先される要配慮者等が一時的に退避するための施設の整備が進められており、これらの事業を実施する道府県に対して24年度から財政措置が講じられている。

(ア)補助事業の概況

前記のとおり、一時退避施設等の放射線防護対策事業については、24年度の一般会計補正予算から事業が開始され、24、25両年度は原子力災害対策施設整備費補助金、26年度からは原子力災害対策事業費補助金として財政措置が行われて、これにより事業が実施されている。原子力災害対策事業費補助金交付要綱(平成27年府政原防第24号内閣総理大臣決定。以下「新補助要綱」という。)には、26年6月に実施された行政事業レビュー公開プロセスを踏まえて、原子力災害対策施設整備費補助金交付要綱(平成25年府原対第166号内閣総理大臣決定。以下「旧補助要綱」という。)に規定されていなかった補助対象施設の要件等が規定されているほか、補助対象となる施設の所在区域の範囲が変更されている。新補助要綱で新たに規定された補助対象施設の要件及び放射線防護設備の要件について示すと図表27のとおりである。

図表27 新補助要綱で新たに規定された補助対象施設の要件等

項目 規定内容
補助対象となる施設の要件 ①耐震性能が確保されていること
②津波等による浸水被害の可能性が低いこと
③放射線遮蔽が可能な構造であること
④放射線防護に必要な気密性が確保できる構造であること
⑤地域防災計画等における位置付けがあること
⑥施設の入所者に係る緊急時の対応計画及び訓練計画が作成されていること
補助対象となる放射線防護設備の要件 ①地震や津波等の想定される自然災害への耐性があること
②放射線防護設備による放射性物質除去率が99.5%以上であること
③平時において容易にフィルター等の機能が低下しないよう適切に維持されていること
維持管理費用の考慮 事業者及び設備の選定の際に維持管理費用も加味して合理的に決定されていること

また、新旧の補助要綱で定める補助対象事業を比較すると、図表28のとおりである。

図表28 新旧の補助要綱で定める補助対象事業の比較

図表28 新旧の補助要綱で定める補助対象事業の比較 画像

内閣府は、旧補助要綱の改正に先立ち、前記のとおり26年8月に防護対策基本文書を取りまとめて、新しい制度の考え方を示しており、おおむねこの文書の趣旨に沿った形で補助要綱の改正を行っている。しかし、一方で、放射線防護対策の技術的な考え方については、基準として明文化することが困難であるとして、防護対策基本文書に具体的に示しているのに新補助要綱には規定していない項目もある。

(イ)事業の実施状況

本件補助事業は、立地道県又は隣接府県が補助事業者となり、原子力災害対策重点区域が設定されている市町村又は社会福祉法人等の民間団体が間接補助事業者となって実施されている。27年12月末における事業の実施状況について道府県別に示すと図表29のとおりとなっており、一時退避施設等140か所を対象として事業が実施されており、これに係る事業費は25年度44億余円、26年度163億余円、27年度38億余円、計246億余円となっている。そして、この140か所に係る事業は、全て旧補助要綱に基づき実施された事業であり、新補助要綱に基づく事業は含まれていない。

図表29 一時退避施設等の放射線防護対策事業の実施状況

(単位:箇所、百万円)
地域 区分 道府県名 対象施設数 事業費
平成25年度 26年度 27年度
立地 北海道 7 270 821 519 1,611
東通 立地 青森県 16 285 2,340 2,626
東海第二 立地 茨城県 8 1,095 378 1,473
柏崎刈羽 立地 新潟県 7 381 753 247 1,382
志賀 立地 石川県 13 507 1,624 2,131
隣接 富山県 1 198 198
福井エリア 立地 福井県 20 1,015 1,138 1,329 3,483
隣接 京都府 5 285 291 577
浜岡 立地 静岡県 4 569 569
島根 立地 島根県 23 886 3,526 466 4,878
隣接 鳥取県 4 196 844 1,040
伊方 立地 愛媛県 7 149 452 601
玄海 立地 佐賀県 13 1,998 330 2,328
隣接 福岡県 1 171 171
隣接 長崎県 5 307 571 878
川内 立地 鹿児島県 6 160 521 681
140 4,445 16,350 3,843 24,638
(注)
平成27年度の事業費については、北海道、茨城県及び島根県に係る分を除き、27年12月末現在、内閣府による額の確定が行われていないため、補助事業者が内閣府に提出するために作成した実績報告書及び間接補助事業者が補助事業者に提出するために作成した実績報告書の金額を集計している。
(ウ)施設の種類別及び民間・公共の別の状況

上記140か所の施設について、施設の種類別及び民間・公共の別に示すと図表30及び図表31のとおりとなっており、種類別としては特別養護老人ホーム等の社会福祉施設が60か所(検査対象とした140か所に占める割合42.9%)と最も多くなっているほか、病院が26か所(同18.6%)、学校が20か所(同14.3%)となっている。また民間・公共の別では、公共施設が86か所(同61.4%)と民間施設に比べて多くなっている。

図表30 施設の種類別の状況

図表30 施設の種類別の状況 画像

図表31 施設の民間・公共の別の状況

図表31 施設の民間・公共の別の状況 画像

イ 一時退避施設等が備えている機能の状況

前記のとおり、災対法等において、災害対策は科学的見地及び過去の災害から得られた教訓を踏まえて絶えず改善を図ることとされていることなどを踏まえて、上記の16道府県が事業主体となって27年12月末までに放射線防護対策事業を実施した一時退避施設等が備えている機能の状況について、図表27に示した新補助要綱で新たに規定された補助対象施設等の要件を考慮するなどして整理すると、次のとおりである。

(ア)原子力発電所からの距離の状況

前記のとおり、補助対象となる施設が所在する区域の範囲については、原子力発電所からの距離によって区分されている。そこで、上記140か所の一時退避施設等について、原子力発電所からの距離の状況を示すと図表32のとおりであり、10kmを超え30km以下のものが57か所(検査対象とした140か所に占める割合40.7%)と最も多くなっており、5kmを超え10km以下のもの42か所(同30.0%)がこれに続き、5km以下であるものについては39か所(同27.9%)となっている。

図表32 原子力発電所からの距離の状況

図表32 原子力発電所からの距離の状況 画像

(イ)耐震性能の状況

耐震性能について、新補助要綱は、「昭和56年6月1日以降に建築基準法(昭和25年法律第201号)に定める基準に適合して建築されたもの又は耐震診断により当該基準と同等以上の耐震性能が認められたものであること」を要件としている。検査対象とした140か所のうち56年以前に建築された建屋に対して事業を実施した施設は17か所となっていたが、これらについてはいずれも耐震診断等により上記の耐震基準に適合する耐震性能を有することが確認されている施設となっていた。

(ウ)耐津波性能の状況

耐津波性能について、新補助要綱は、「施設の立地する地域が津波等による浸水被害を受ける可能性が低いこと又は施設の上層階など津波等による浸水被害を受ける可能性が低いこと」を要件としている。検査対象とした140か所のうち津波による浸水区域内に立地している施設は6か所となっていたが、これらについてはいずれも想定される浸水高よりも上層階を放射線防護区画としている施設となっていた。

(エ)建屋構造の状況

原災指針によれば、屋内退避は「放射性物質の吸入抑制や中性子線及びガンマ線を遮蔽することにより被ばくの低減を図る防護措置」であるとされており、「一般に遮蔽効果や建屋の気密性が比較的高いコンクリート建屋への屋内退避が有効」とされている。

このような原災指針の記述を受け、新補助要綱においては、補助対象施設の要件を「鉄筋コンクリート構造、鉄骨構造のコンクリート壁又はコンクリート壁相当の放射線遮蔽が可能な構造の施設」としている。

前記のとおり、検査対象とした140か所は旧補助要綱に基づき設備を整備する対象となった施設であるが、これらの施設について、建屋の主たる部分の構造を分類すると、図表33のとおりとなっており、鉄筋コンクリート造が120か所(検査対象とした140か所に占める割合85.7%)となっていた。

図表33 建屋構造の状況

図表33 建屋構造の状況 画像

そして、鉄骨造の建屋16か所について壁の材質をみたところ、コンクリート壁となっているのは9か所で、残りの7か所の施設については、鉄骨下地に窯業系外装材の外壁を取り付ける構造となっているなどしていた。このような施設の構造については、今後、新補助要綱を運用していく上で、放射線遮蔽能力をコンクリート壁と比較する必要性の有無について検討を要すると考えられる。

また、車いすを利用する要配慮者等が利用することを想定しているのに、エレベーターが設置されていない建屋の2階以上を放射線防護区画としているため、緊急時に速やかな一時退避を行うに当たって、避難行動の方法等について工夫を要すると考えられる施設が3か所見受けられた。

(オ)一時退避施設等の利用想定に対応した設備の整備状況

一時退避施設等に整備する設備の仕様等は、一時退避施設等を誰がどのように利用するかに対応して設定されている必要がある。そこで、検査対象とした140か所について、各施設の一時退避等に係る利用者の想定等の状況をみると、次のとおりとなっていた。

a 利用者の想定等の状況

利用者の想定の状況は、図表34のとおり、「入所者等」としているものが71か所(検査対象とした140か所に占める割合50.7%)、「周辺住民等」としているものは50か所(同35.7%)となっている。また、「想定なし」としている施設は、原子力災害対策に当たる要員が活動する施設である代替オフサイトセンター等である。

図表34 利用者の想定の状況

図表34 利用者の想定の状況 画像

収容人員数については、図表35のとおり、100人以上の規模のものが69か所(検査対象とした140か所に占める割合49.3%)と最も多く、最大の施設は収容人員数1,158人の離島に所在する学校であり、これに続く規模の施設は収容人員数770人の同様の施設である。この2施設のほかは収容人員数が400人以下の施設となっている。なお、設定なしとしているのは、利用者の想定の状況と同様、代替オフサイトセンター等である。

図表35 収容人員数の状況

図表35 収容人員数の状況 画像

b 一時退避施設等への屋内退避等の期間との関係

屋内退避等の期間については、図表36のとおり、7日間としている施設が80か所(検査対象とした140か所に占める割合57.1%)と最も多く、3日間が52か所(同37.1%)となっており、ほとんどの施設がこれらのいずれかに該当している。これは、前記のとおり、おおむね3日間とされていたオフサイトセンターの非常用電源装置の稼働時間が平成26年6月の通知によりおおむね1週間とされたことを参考にして、一時退避施設等の屋内退避等期間も、26年度は7日間として整備されている施設が多くなっていることによるものであると考えられる。

図表36 屋内退避等期間の設定の状況

図表36 屋内退避等期間の設定の状況 画像

屋内退避等の期間中には、一時退避施設等の放射線防護機能を維持する必要があることから、放射性物質を遮断するための空気浄化フィルター(以下「フィルター」という。)の連続使用可能期間及び非常用電源装置の連続稼働日数は、原則として屋内退避等期間を上回っている必要がある。そこで、両者の関係をみると、屋内退避等期間を上回っている施設は81か所となっている一方で、図表37のとおり、下回っている施設が59か所見受けられた。これらの施設は、屋内退避等期間に対応できるようにフィルターの交換や燃料の補充を緊急時に行う態勢の整備等について、今後更に検討する必要があると認められる。

図表37 設置した設備の連続使用可能期間等が屋内退避等期間を下回っている施設

(単位:箇所)
態様 施設数
フィルターの連続使用可能期間が屋内退避等期間を下回っている施設 1
非常用電源装置の連続稼働日数が屋内退避等日数を下回っている施設 59
  燃料の補充について契約又は協定を結んでいる施設 23
契約又は協定は結んでいないが燃料の補充が行われることになっているなどとしている施設 32
燃料の補充について対策を執っていない施設 4
(注)
「フィルターの連続使用可能期間が屋内退避等期間を下回っている施設」の1か所は、「非常用電源装置の連続稼働日数が屋内退避等日数を下回っている施設」の59か所と重複している。

このほか、非常用電源装置を整備しているものの、放射線防護区画内の照明設備を非常用電源装置に接続していないため、停電時に照明設備を使用できず一時退避に支障を来すおそれがある状況となっているものが17か所見受けられた。

また、屋内退避等期間中に必要な水、食料等の備蓄品について整備済みとしている施設は34か所にとどまっており、残りの106か所については今後整備する予定であるなどとしていた。

(カ)一時退避施設等の気密性の確保の状況

立地道県等は、一時退避施設等の放射線防護対策として、外気による放射性物質の侵入を防止するため、隙間が生じない窓枠に入れ替えるなどして建屋の気密性を向上させた上で、フィルターによって浄化された空気を送風機で室内に送り込み、排気ダクト内の空気の流量をダンパーで調整して排気量を低減させることにより、室内の気圧を室外の気圧よりも高い状態(以下「陽圧」という。)に維持する工事(以下「陽圧化工事」という。)を実施している。このように室内を陽圧に維持することにより、事故を起こした原子力発電所から放出された放射性物質のちりが一時退避施設等の周囲に飛散した場合に、そのちりを含んだ外気が建屋の隙間等から侵入することを防止することができる。そして、陽圧化工事においては、送風機、フィルター、排気ダクト、ダンパー等の一連の設備(以下、これらを「陽圧化設備」という。)を設置している。

陽圧化設備の概念図を示すと図表38のとおりである。

図表38 陽圧化設備の概念図

図表38 陽圧化設備の概念図 画像

内閣府は、一時退避施設等における放射線防護対策については、オフサイトセンターにおける放射線防護対策を参考にして計画することとしており、OFC参考資料を事業主体等に参考送付している。OFC参考資料では、陽圧化工事の実施に当たって、気密性をどの程度まで高めるべきかや、外気を取り入れて浄化した空気の送風量をどの程度とすべきか、また、その結果として室内と室外の気圧(単位はパスカル(Pa))の差(以下「差圧」という。)をどのように設定すべきかなどといった点については示されていない。そして、防護対策基本文書では「差圧設定は、最低限、年間通じた平均風速に耐え得ること」と示されているものの、新補助要綱では補助対象施設の要件として「放射線防護に必要な気密性が確保できる構造の施設であること」と示されるにとどまっている。また、内閣府が24年度の事業開始当初における道府県からの問合せに対して取りまとめた回答に係る資料(以下「Q&A資料」という。)によれば、放射線防護対策は、各事業主体において、原子力発電所からの距離や、施設の種類等に応じて適切に検討すべきなどとされており、陽圧化設備の設計についての具体的な考え方や統一的な基準は示されていない状況となっている。

そこで、差圧設定の状況はどのようなものとなっているか、また、どのような考え方に基づいて設定されているのかなどについてみると、次のとおりとなっていた。

a 実測差圧の状況

検査対象とした140か所の放射線防護対策を実施した一時退避施設等に設置された陽圧化設備136台(注6)について、陽圧化設備を稼働することにより実際に発生させることができた差圧(以下「実測差圧」という。)の状況を整理したところ、図表39のとおりとなっており、全体的に大きなばらつきがある状況となっていた。

(注6)
136台  検査対象とした140か所のうち、3か所においては1台の陽圧化設備が二つの一時退避施設で使用されており、また、他の1か所においては放射線により被ばくしたおそれがある者を受け入れて処置を行うために室内の気圧を室外の気圧よりも低い状態にする設備が設置されていることから、140か所に設置された陽圧化設備は136台になる。

図表39 実測差圧の状況

図表39 実測差圧の状況 画像

b 風圧と実測差圧の関係と道府県別の実測差圧の状況

防護対策基本文書では「差圧設定は、最低限、年間通じた平均風速に耐え得ること」とされていることから、平均風速の風が吹き付けた際に、施設の建物の壁に生ずる風圧と実測差圧との関係を検証するための試算を行った。試算に当たっては、風が建屋に吹き付けることにより建屋の壁面に生ずる風圧と風速との関係を、「空気調和衛生工学便覧」(平成22年2月社団法人空気調和・衛生工学会編)に示された鋼製窓サッシの隙間風量を求める際に用いられる計算式を用いることとした。これによると、例えば、風速3.0m/sで約4Pa、風速10.0m/sで約45Pa、風速15.0m/sで約101Paの風圧が生ずることになっている(図表40参照)。

図表40 風速と風圧との関係

風速(m/s) 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 8.0 10.0 12.0 13.0 14.0 15.0 18.0 20.0
風圧(Pa) 0.4 1.8 4.0 7.2 11.2 16.2 28.8 45.0 64.8 76.0 88.2 101.2 145.8 180.0

また、風圧の算出に用いる風速については、当該一時退避施設等が設置された地域に所在する原子力発電所に最も近い気象観測所における過去10年分(平成18年から27年まで)の年間平均風速(注7)の平均値とした。このようにして求めた風圧と実測差圧とを単純に比較した試算の結果を道府県別に整理した各施設の実測差圧の状況と共に示すと図表41のとおりとなり、いずれの道府県についても、全ての施設の実測差圧が年間平均風速から求めた風圧を上回る計算結果となっており、防護対策基本文書に示された差圧設定については満たしている状況となっていた。また、多くの施設の実測差圧が「20Pa以上40Pa未満」の前後に集中している道県と「100Pa以上120Pa未満」の前後に集中している府県とに大きく二分される状況となっていた。

(注7)
年間平均風速  毎10分間の観測値により算出した平均風速を一年(365日、8,760時間、525,600分)分合計し、52,560で除して求めたもの

図表41 道府県別にみた風圧と実測差圧との関係の状況

(単位:台)
地域 区分 道府県名 設備数 年間平均風速から求めた風圧(Pa)
(A)
0Pa以上
20Pa未満
20Pa以上
40Pa未満
40Pa以上
60Pa未満
60Pa以上
80Pa未満
80Pa以上
100Pa未満
100Pa以上
120Pa未満
120Pa以上 差圧計なし
0Pa以上
(A)未満
(A)以上
20Pa未満
立地 北海道 7 5.2 0 4 3 0 0 0 0 0 0
東通 立地 青森県 15 3.5 0 8 2 2 3 0 0 0 0
東海第二 立地 茨城県 8 1.9 0 0 0 5 0 1 2 0 0
柏崎刈羽 立地 新潟県 7 2.3 0 0 0 0 1 0 4 2 0
志賀 立地 石川県 13 2.8 0 0 0 1 3 0 1 8 0
隣接 富山県 1 2.8 0 0 0 0 1 0 0 0 0
福井エリア 立地 福井県(敦賀) 7 7.2 0 0 0 0 0 1 5 1 0
立地 福井県(美浜) 5 1.4 0 0 0 0 0 0 3 2 0
立地 福井県(小浜) 8 4.9 0 0 0 1 0 0 5 2 0
隣接 京都府 5 4.9 0 0 0 0 0 0 5 0 0
浜岡 立地 静岡県 4 9.9 0 0 0 0 0 0 2 2 0
島根 立地 島根県 21 2.1 0 2 13 5 0 0 1 0 0
隣接 鳥取県 3 2.1 0 0 3 0 0 0 0 0 0
伊方 立地 愛媛県 7 8.3 0 0 0 5 0 0 0 0 2
玄海 立地 佐賀県 13 2.1 0 1 0 4 0 0 8 0 0
隣接 福岡県 1 2.1 0 0 0 1 0 0 0 0 0
隣接 長崎県 5 2.1 0 0 3 0 2 0 0 0 0
川内 立地 鹿児島県 6 1.4 0 1 4 0 0 1 0 0 0
136 - 0 16 28 24 10 3 36 17 2
注(1)
網掛けは、各施設の陽圧化設備の実測差圧の状況を道府県別に集計した結果、台数が道府県別で最も多くなった実測差圧の区分を示している。
注(2)
福井県は原子力発電所が4か所あり、原子力発電所に最も近い気象観測所は3か所となることから、気象観測所ごとに整理している。
c 送風機の送風量の算定に係る設計の考え方

これら各施設における陽圧化設備の設計は、前記のとおり、具体的な考え方や統一的な基準は示されていない状況であり、各施設を整備する市町村や民間団体の事業主体は、設計業者に設計業務を委託して各施設の設計を行っている。そこで、実測差圧の大きさを決定付ける重要な要素の一つである送風機の送風量をどのような考え方に基づいて算定しているかについて、各施設の整備に係る設計業務委託の報告書等の書類により確認した。その結果、設計の考え方は、次のとおり、三つの類型に分類することができた(図表42参照)。

① 必要換気量により設計する方法

収容人員1人当たりの必要換気量(建築基準法に基づく必要換気量20m3/h)に屋内退避人数を乗ずるなどして求めた施設としての必要換気量から送風量を算定する一般的な換気設備の設計の考え方に基づく方法である。

② 漏気量により設計する方法

建屋の窓や接合部等の隙間から漏れ出す空気の量(以下「漏気量」という。)を経験値等により求めて、陽圧を維持するためにこれを上回る送風量を算定し、①の方法で算定した送風量よりも大きいことを確認する方法である。

③ 風速を考慮して設計する方法

送風機を一般的な換気設備とは別の設備と考えて、建屋の壁に吹き付ける風の風速を考慮して設計上必要となる差圧を求めて、当該施設においてこれを達成するために必要となる送風量を算定し、①の方法で算定した送風量よりも大きいことを確認する方法である。

図表42 送風機の送風量の算定に係る設計の考え方の分類

図表42 送風機の送風量の算定に係る設計の考え方の分類 画像

また、各施設について設計計算上必要な数値として設定されている差圧(以下「設計差圧」という。)の状況は、図表43のとおり、100Pa以上120Pa未満が35台(前記の136台に占める割合25.7%)と最も多く、次いで20Pa以上40Pa未満が34台(同25.0%)となっていた。また、設計差圧の状況に対して図表42に示した三つの設計の考え方がどのように対応しているかについてみると、80Pa以上の設計差圧が設定されている施設では③の風速を考慮して設計する方法を用いている場合が多い状況となっていた。

図表43 設計差圧の状況と設計の考え方との関係

図表43 設計差圧の状況と設計の考え方との関係 画像

d 設計差圧の値と距離別、施設の種類別及び建屋構造別の関係

前記のとおり、Q&A資料によれば、放射線防護対策は各事業主体において原子力発電所からの距離や、施設の種類等に応じて適切に検討すべきなどとされていることから、設計差圧の状況に対して図表32に示した原子力発電所からの距離の状況及び図表30に示した施設の種類別の状況がどのように対応しているかについてみたところ、原子力発電所からの距離や施設の種類に応じて設計差圧が設定されているなどの明確な傾向は特に見受けられなかった。

また、建屋についての設計差圧が設定されていない施設に係る7台を除いた129台を対象として、設計差圧の状況に対して図表33に示した建屋構造の状況がどのように対応しているかについてみたところ図表44のとおりとなっており、建屋構造が鉄骨造であるものの多くは、設計差圧が「20Pa以上40Pa未満」の前後に集中している状況となっていた。これらの鉄骨造の施設について、設計に当たっての考え方を設計業務委託の報告書等の書類により確認したところ、鉄骨造や一部鉄骨造の建屋の場合、その性質上開口部以外からの漏気量が多く、鉄筋コンクリート造に比べて気密性が低くならざるを得ないなどとしているものが見受けられた。

図表44 設計差圧の状況と建屋構造の状況との関係

図表44 設計差圧の状況と建屋構造の状況との関係 画像

ウ 設備の維持管理、訓練等の状況

(ア)設備の維持管理

放射線防護対策を行った施設においては、陽圧化設備の送風機やフィルターの性能維持のため、定期点検等の維持管理を行う必要がある。このうち陽圧化設備のフィルターは、除去する放射性物質の種類に応じて複数の種類のフィルターが用いられており、中でも湿気を含んだ空気に触れることにより一定程度の性能劣化が想定される活性炭素繊維フィルター(以下「炭素フィルター」という。)については、その性能を長期にわたり保持するためには密封状態で保存する必要がある。しかし、炭素フィルターの性能保持についての理解が十分でなかったため、炭素フィルターの密封包装を開封して設置していて、必要な性能が保持されるとされていた期間(おおむね10年)が数年程度にまで短くなるおそれがあるのに、対策を講じていなかった施設が、図表45のとおり、31か所見受けられた。また、陽圧化設備の構造によっては、メーカー等の指示により炭素フィルターの性能劣化の度合いを把握するために、陽圧化設備の炭素フィルターと同じ条件で保管したテストピースを用いたサンプリング調査により定期的な性能試験を行うこととされているものがあるが、このようなテストピースが設置されておらず、メンテナンスの方法についても明確になっていない施設が7か所見受けられた。このように、事業主体である市町村及び民間団体において維持管理の方法について十分把握していないことから、炭素フィルターの性能保持のための維持管理が適切に行われていない施設が見受けられる状況となっていた。

図表45 炭素フィルターの維持管理等の状況

(単位:箇所)
地域 区分 道府県名 施設数 炭素フィルターの密封包装を開封して設置していて性能保持期間が短くなるおそれがあるのに対策を講じていなかった施設数 テストピースが設置されておらず、炭素フィルターの維持管理の方法が明確になっていない施設数
立地 北海道 7 7 1
東通 立地 青森県 16 2 0
東海第二 立地 茨城県 8 2 0
柏崎刈羽 立地 新潟県 7 0 0
志賀 立地 石川県 13 2 0
隣接 富山県 1 0 0
福井エリア 立地 福井県 20 0 0
隣接 京都府 5 0 0
浜岡 立地 静岡県 4 0 0
島根 立地 島根県 23 2 1
隣接 鳥取県 4 3 0
伊方 立地 愛媛県 7 5 5
玄海 立地 佐賀県 13 2 0
隣接 福岡県 1 0 0
隣接 長崎県 5 1 0
川内 立地 鹿児島県 6 5 0
140 31 7
(イ)訓練の実施状況等

前記のとおり、一時退避施設の平時における用途は、病院、社会福祉施設、学校、公民館等と様々であり、また、実施されている放射線防護対策の内容も各施設の状況に即して様々である。原子力緊急事態等において各施設が一時退避施設としての機能を発揮するためには、施設の管理者、職員等が各施設の利用状況、利用者等の特性を考慮した上で普段から訓練等を実施することなどにより、陽圧化設備の適切な使用方法等について習熟しておく必要がある。そして、新補助要綱においても、「医療機関及び社会福祉施設等の入所者がいる施設については、施設の管理者が当該施設の入所者に係る緊急時の対応計画及び平時において実施する放射線防護設備の使用方法等に関する訓練計画について作成していること又は作成する予定であること」と規定されている。

事業主体による各一時退避施設における陽圧化設備を使用した訓練の実施状況について、27年12月末の状況を道府県別に示すと図表46のとおりとなっており、設備を使用した訓練を実施していなかった施設数は42か所となっており、このうち12か所については今後の訓練時期についても未定としている状況となっていた。

図表46 各事業主体における訓練の実施状況

(単位:箇所)
地域 区分 道府県名 施設数  
設備を使用した訓練を実施していなかった施設数  
設備を使用した訓練を実施しておらず、今後の訓練時期も未定としている施設数
立地 北海道 7 0 0
東通 立地 青森県 16 9 0
東海第二 立地 茨城県 8 3 1
柏崎刈羽 立地 新潟県 7 4 3
志賀 立地 石川県 13 4 0
隣接 富山県 1 0 0
福井エリア 立地 福井県 20 1 0
隣接 京都府 5 2 0
浜岡 立地 静岡県 4 2 0
島根 立地 島根県 23 12 4
隣接 鳥取県 4 2 2
伊方 立地 愛媛県 7 2 2
玄海 立地 佐賀県 13 0 0
隣接 福岡県 1 0 0
隣接 長崎県 5 0 0
川内 立地 鹿児島県 6 1 0
140 42 12

一方、一時退避施設のうち入所者等がいる施設における避難計画(以下「施設避難計画」という。)の作成等の状況について、27年12月末の状況を道府県別に示すと図表47のとおりとなっており、入所者等がいる施設80か所のうち施設避難計画を作成している施設数は42か所となっており、このうち、施設避難計画に屋内退避手順を記載している施設数は37か所となっていた。

図表47 施設避難計画の作成等の状況

(単位:箇所)
地域 区分 道府県名 施設数 左のうち入所者等がいる施設数  
施設避難計画を作成している施設数  
施設避難計画に屋内退避手順を記載している施設数
立地 北海道 7 3 3 1
東通 立地 青森県 16 14 0 0
東海第二 立地 茨城県 8 8 1 0
柏崎刈羽 立地 新潟県 7 4 1 0
志賀 立地 石川県 13 5 5 5
隣接 富山県 1 1 1 1
福井エリア 立地 福井県 20 10 10 10
隣接 京都府 5 4 4 4
浜岡 立地 静岡県 4 3 0 0
島根 立地 島根県 23 19 11 11
隣接 鳥取県 4 4 3 3
伊方 立地 愛媛県 7 0 0 0
玄海 立地 佐賀県 13 2 2 1
隣接 福岡県 1 0 0 0
隣接 長崎県 5 2 0 0
川内 立地 鹿児島県 6 1 1 1
140 80 42 37
(ウ)一時退避施設の放射線防護対策と避難計画における位置付け等

立地道県等においては、地域防災計画(原子力災害対策編)や避難計画に基づき、他の地域への避難や屋内退避等の放射線被ばくに対する防護措置を執ることとしている。また、前記のとおり、原災指針によれば、地域防災計画(原子力災害対策編)の作成に当たっては、気密性等の条件を満たす建屋の準備等について検討し、平時において住民等へ情報提供しておく必要があるとされている。そして、防護対策基本文書によれば、「放射線防護対策を講ずべき施設については、真に対策が必要であることの証左として、関係自治体が作成する地域防災計画や避難計画上で位置付けが明確に示されているべき」とされている。このような考え方を受け、新補助要綱では、所在都道府県等の地域防災計画等において、補助事業の対象となった施設が、要配慮者等が一時退避する施設として位置付けられていること又は位置付けられる予定であることと規定している。

検査を実施した立地道県等においては、地域防災計画等において放射線防護対策が実施された一時退避施設の個別の施設名を記載して、その用途等についても明確に示している立地道県等も見受けられた。

放射線防護対策が実施された一時退避施設の避難計画等における位置付け等について、27年12月末時点の状況を道府県別に示すと、図表48のとおりとなっている。これによると、放射線防護対策が実施された一時退避施設が所在する16道府県のうち、避難計画等に一時退避施設の位置付けを記載している道府県が11道府県となっており、残りの5県において記載がない状況となっていた。

図表48 放射線防護対策が実施された一時退避施設の避難計画等における位置付けの記載状況

地域 区分 道府県名 放射線防護対策が実施された一時退避施設が所在する立地道県等の数 施設の位置付けを避難計画等に記載している立地道県等の数 避難計画等に個別の施設名も記載している立地道県等の数
道府県 市町村 道府県 市町村 道府県 市町村
立地 北海道 1 2 1 2 1 1
東通 立地 青森県 1 4 1 2 1 1
東海第二 立地 茨城県 1 2 1 0 0 0
柏崎刈羽 立地 新潟県 1 2 1 1 1 1
志賀 立地 石川県 1 7 0 1 0 1
隣接 富山県 1 1 1 1 0 0
福井エリア※ 立地 福井県 1 9 1 9 1 9
隣接 京都府 1 3 1 1 1 1
浜岡 立地 静岡県 1 1 0 1 0 1
島根 立地 島根県 1 1 0 0 0 0
隣接 鳥取県 1 2 1 2 0 0
伊方※ 立地 愛媛県 1 2 1 2 1 2
玄海 立地 佐賀県 1 2 1 2 0 0
隣接 福岡県 1 1 1 1 1 1
隣接 長崎県 1 2 0 2 0 1
川内※ 立地 鹿児島県 1 1 0 0 0 0
16 42 11 27 7 19
(注)
※印を付した地域では図表16に記載のとおり緊急時対応が原子力防災会議で了承されており、この中で放射線防護対策を実施した屋内退避施設として位置付けられている施設もある。

(5)防災資機材等の整備状況等

内閣府は、立地道県等における防災資機材等の整備を支援するために、前記のとおり、緊急時交付金と周辺対策交付金の二つの交付金を交付している。これらの交付金による防災資機材等の整備状況等は次のとおりである。

ア 緊急時交付金による防災資機材等の整備状況等

緊急時交付金の交付を受けた道府県は、緊急時における防災業務に従事する者の安全を確保するための防災資機材等の整備、緊急時において必要となる医療に用いられる防災資機材等の整備及び緊急時に住民の安全の確保のために原子力施設等の周辺の警備を行う警察官の業務体制に係る防災資機材等の整備をそれぞれ行ったり、市町村が整備する防災資機材等に対する補助を行ったりなどする防災活動資機材等整備事業を実施している。

そして、内閣府は、「原子力発電施設等緊急時安全対策交付金運用の手引き」(平成27年3月内閣府政策統括官(原子力防災担当)作成)において緊急時交付金の交付対象となる防災資機材等の種類、用途、費用等を具体的に示しており、これに基づき、道府県は地域防災計画(原子力災害対策編)等を考慮して、必要な防災資機材等を整備している(図表49参照)。

図表49 防災活動資機材等整備事業の対象となる主な防災資機材等の用途等

分類等 用途 具体例
防災活動資機材整備
  個人線量計 個人の被ばく線量の評価
  • 電子ポケット線量計
  • 被ばく線量管理用機器 等
防護器具 防災業務関係者の放射性物質による汚染の防止
  • 防護服
  • 防護マスク 等
放射線測定器 空間放射線量率、放射性物質による汚染等の測定
  • 電離箱式サーベイメータ
  • GM管式サーベイメータ
  • NaIシンチレーション式サーベイメータ 
  • 可搬型モニタリングポスト 等
維持運用管理費 物品等の維持運用管理
  • 保守点検料、校正費
  • 修繕、復旧費 等
緊急被ばく医療施設等整備
  放射線測定器 医療スタッフ等の被ばく管理及び放射性物質による汚染等の測定
  • 電子ポケット線量計
  • GM管式サーベイメータ
  • NaIシンチレーション式サーベイメータ 等
線量評価用測定器 体内に取り込まれた放射性物質を測定する設備
  • ホールボディーカウンタ 等
放射線防護用薬剤 放射性ヨウ素による甲状腺被ばく低減 等
  • 安定ヨウ素剤 等
維持運用管理費 物品等の維持運用管理
  • 保守点検料、校正費
  • 修繕、復旧費 等
施設警備支援体制整備
  物品等 原子力施設等の警備を行う警察官が待機するための施設に必要な物品等
  • 寝具
  • 冷蔵庫、洗濯機 等
(注)
本図表は、「原子力発電施設等緊急時安全対策交付金運用の手引き」から抜粋して作成している。

また、同事業に係る24年度から26年度までの間の緊急時交付金の交付状況を原子力発電所が所在する地域別及び道府県別に示すと、図表50のとおりとなっていて、24年度から26年度までの間の交付額は計74億余円となっており、各年度の交付額は24年度が24億余円、25年度が15億余円、26年度が34億余円となっている。

図表50 防災活動資機材等整備事業に係る緊急時交付金の交付状況(平成24年度~26年度)

(単位:百万円)
地域 区分 道府県名 平成24年度 25年度 26年度
立地 北海道 236 262 498
東通 立地 青森県 161 282 444
東海第二 立地 茨城県 216 535 752
柏崎刈羽 立地 新潟県 341 417 759
志賀 立地 石川県 144 88 118 350
隣接 富山県 83 62 23 170
福井エリア 立地 福井県 275 256 193 724
隣接 岐阜県 8 4 5 18
滋賀県 43 44 38 125
京都府 143 62 44 250
浜岡 立地 静岡県 183 163 195 542
島根 立地 島根県 239 169 409
隣接 鳥取県 415 129 545
伊方 立地 愛媛県 184 250 435
隣接 山口県 58 37 96
玄海 立地 佐賀県 130 142 273
隣接 福岡県 60 30 33 124
隣接 長崎県 70 108 130 309
川内 立地 鹿児島県 192 419 611
2,476 1,536 3,431 7,444
注(1)
本図表は、道府県から内閣府に提出された緊急時交付金の実績報告書を基に作成している。
注(2)
「-」は、当該年度に交付決定を受けて、翌年度に繰り越して事業を実施したことなどにより、当該年度に交付実績がないことを示している。

そして、道府県は、27年度も引き続き防災活動資機材等整備事業により、防災資機材等を整備している。

イ 周辺対策交付金により公共施設等に配備された放射線測定器の活用状況等

周辺対策交付金は、25、26両年度限りで立地道県及び隣接府県に対して交付された交付金であり、周辺対策交付金の交付を受けた立地道県及び隣接府県は、購入した放射線測定器を公共施設等に配備し、住民への説明会等を通じて放射線に関する知識の普及啓発に活用することになっている。

周辺対策交付金の交付を受けた18道府県が購入した放射線測定器の種類、配備先の状況、普及啓発のための活用状況及び緊急時における活用の考え方について27年9月末における状況を整理して示すと次のとおりである。

(ア)放射線測定器の種類

18道府県は、周辺対策交付金により一種類又は複数種類の放射線測定器を購入している。18道府県が購入した放射線測定器は、図表51のとおり、空間放射線量率を簡易に測定できる簡易サーベイメータ6,408台、緊急時モニタリングの際に使用されるものと同種のNaIシンチレーション式サーベイメータ426台、電離箱式サーベイメータ828台、GM管式サーベイメータ100台、可搬型モニタリングポスト36台、個人線量計800台、その他データ表示パネルを組み合わせた放射線測定器等74台の計8,672台(購入費8億9537万余円、交付金交付額同額)となっている。

図表51 道府県が購入した放射線測定器の種類等

(単位:台、千円)
放射線測定器の種類等
道府県名
簡易サーベイメータ NaIシンチレーション式サーベイメータ 電離箱式サーベイメータ GM管式サーベイメータ 可搬型モニタリングポスト 個人線量計 その他
空間放射線量率を簡易に測定するもの 空間放射線量率(主に低線量)を測定するもの 空間放射線量率(主に高線量)を測定するもの 主に表面汚染を測定するもの 空間放射線量率を定期的に又は連続的に測定・監視するもの 一定の時間における個人の被ばく線量の累計を測定するもの データ表示パネルを組み合わせた放射線測定器等
北海道 508 40 4 - 12 - - 564
25,603 6,852 361 - 47,250 - - 80,066
青森県 - - - - - - 66 66
- - - - - - 19,736 19,736
茨城県 1,398 70 300 100 - 800 - 2,668
53,938 11,392 36,666 13,125 - 9,555 - 124,676
新潟県 700 182 - - - - - 882
27,762 37,990 - - - - - 65,753
富山県 120 - - - 1 - - 121
4,253 - - - 5,460 - - 9,713
石川県 720 - - - - - - 720
43,092 - - - - - - 43,092
福井県 350 - 185 - - - - 535
12,384 - 27,156 - - - - 39,540
岐阜県 70 11 11 - - - - 92
4,073 5,127 2,941 - - - - 12,142
静岡県 216 - - - - - - 216
46,200 - - - - - - 46,200
滋賀県 40 - 12 - - - 6 58
4,032 - 3,528 - - - 3,726 11,286
京都府 480 - 164 - - - - 644
22,176 - 46,494 - - - - 68,670
鳥取県 100 35 28 - 7 - - 170
17,026 9,150 4,674 - 31,458 - - 62,310
島根県 125 24 - - 14 - - 163
3,766 4,435 - - 126,000 - - 134,201
愛媛県 513 - 77 - - - - 590
18,206 - 12,030 - - - - 30,236
福岡県 24 12 12 - - - - 48
1,829 2,520 1,698 - - - - 6,048
佐賀県 302 30 30 - - - - 362
10,999 5,355 4,252 - - - - 20,606
長崎県 52 22 5 - 2 - 2 83
4,903 6,675 945 - 6,058 - 1,806 20,388
鹿児島県 690 - - - - - - 690
100,705 - - - - - - 100,705
6,408 426 828 100 36 800 74 8,672
  400,952 89,499 140,747 13,125 216,226 9,555 25,269 895,375
(平均単価) (62) (210) (169) (131) (6,006) (11) (341) (103)
(注)
上段は放射線測定器の台数、下段は放射線測定器の購入費(交付金交付額同額)である。
(イ)放射線測定器の配備先の状況

18道府県は、購入した放射線測定器計8,672台を、図表52のとおり、県庁、市役所、消防署、警察署、学校、公民館、社会福祉施設等計3,516か所に配備している。配備先区分ごとの平均配備台数をみると、「学校等」、「公民館等」、「社会福祉施設等」及び自治会会長個人宅等の「その他」が1.0台から1.4台となっているのに対して、「県庁・市役所等」が9.0台、「消防署・警察署等」が3.0台と多くなっている。

図表52 放射線測定器の配備先等の状況

(単位:台、箇所)
配備先区分
放射線測定器の種類等
県庁・市役所等 消防署・警察署等 学校等 公民館等 社会福祉施設等 その他
簡易サーベイメータ 配備台数(a) 2,818 141 1,693 1,188 454 114 6,408
配備先数(b) 429 85 1,205 1,009 452 113 3,293
平均配備台数(a/b) 6.5 1.6 1.4 1.1 1.0 1.0 1.9
NaIシンチレーション式サーベイメータ 配備台数(a) 350 37 19 20 0 0 426
配備先数(b) 71 30 19 20 0 0 140
平均配備台数(a/b) 4.9 1.2 1.0 1.0 - - 3.0
電離箱式サーベイメータ 配備台数(a) 545 244 19 20 0 0 828
配備先数(b) 103 123 19 20 0 0 265
平均配備台数(a/b) 5.2 1.9 1.0 1.0 - - 3.1
GM管式サーベイメータ 配備台数(a) 82 18 0 0 0 0 100
配備先数(b) 9 16 0 0 0 0 25
平均配備台数(a/b) 9.1 1.1 - - - - 4.0
可搬型モニタリングポスト 配備台数(a) 20 0 0 16 0 0 36
配備先数(b) 16 0 0 16 0 0 32
平均配備台数(a/b) 1.2 - - 1.0 - - 1.1
個人線量計 配備台数(a) 660 140 0 0 0 0 800
配備先数(b) 7 22 0 0 0 0 29
平均配備台数(a/b) 94.2 6.3 - - - - 27.5
その他 配備台数(a) 27 0 35 8 0 4 74
配備先数(b) 24 0 35 8 0 4 71
平均配備台数(a/b) 1.1 - 1.0 1.0 - 1.0 1.0
配備台数(a) 4,502 580 1,766 1,252 454 118 8,672
配備先数(b) 498 192 1,240 1,017 452 117 3,516
平均配備台数(a/b) 9.0 3.0 1.4 1.2 1.0 1.0 2.4
(注)
配備先区分ごとの配備先数の計は、一つの配備先に複数種類の放射線測定器が配備されている場合があるため、各放射線測定器の配備先数を合計した値と一致しないものがある。

そして、個々の配備先についてみると、1か所当たりの配備台数が20台以上の配備先は50か所あり、配備先区分は全て「県庁・市役所等」となっている。これらの配備先の中には、放射線測定器を予定していた配備先に配備せずに庁舎の倉庫等に保管したままにしていたり、放射線測定器を緊急時のみに活用するとして特定の部署で集中管理していたりしていたところがあった。

(ウ)普及啓発のための活用状況
a 普及啓発のための活用についての考え方

前記のとおり、周辺対策交付金の交付を受けた立地道県及び隣接府県は、購入した放射線測定器を公共施設等に配備し、住民への説明会等を通じて放射線に関する知識の普及啓発に活用することになっている。

しかし、18道府県における普及啓発のための放射線測定器の活用についての考え方を整理して示すと、図表53のとおりとなっており、緊急時のみに活用することとしていることにより放射線測定器の全部又は一部を普及啓発に活用しないとしている道府県があり、放射線測定器を普及啓発に活用することの周知が十分になされていないと認められる状況となっていた。

そして、普及啓発に活用しないとしている道府県の割合が高い放射線測定器は、平常時の低い空間放射線量率の測定には適していない放射線測定器(電離箱式サーベイメータ、GM管式サーベイメータ及び個人線量計)となっていた。

図表53 普及啓発のための活用についての考え方

放射線測定器の種類
道府県名等
簡易サーベイメータ NaIシンチレーション式サーベイメータ 電離箱式サーベイメータ GM管式サーベイメータ 可搬型モニタリングポスト 個人線量計 その他
北海道 × × - × - -
青森県 - - - - - -
茨城県 × × × - × -
新潟県 - - - - -
富山県 - - - - -
石川県 - - - - - -
福井県 - × - - - -
岐阜県 - - - -
静岡県 × - - - - - -
滋賀県 - - - -
京都府 - × - - - -
鳥取県 - - -
島根県 - - - -
愛媛県 - × - - - -
福岡県 - - - -
佐賀県 - - - -
長崎県 - -
鹿児島県 - - - - - -
普及啓発に活用するとしている道府県(○) 15 7 6 0 4 0 3
88.2% 77.7% 54.5% 0.0% 80.0% 0.0% 100.0%
オフサイトセンター等に配備したものについて活用しないとしている道府県(△) 1 0 0 0 0 0 0
5.8% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
活用しないとしている道府県(×)
1 2 5 1 1 1 0
5.8% 22.2% 45.4% 100.0% 20.0% 100.0% 0.0%
注(1)
本図表中の記号は、「○」が当該放射線測定器を普及啓発に活用するとしていること、「△」がオフサイトセンター等に配備したものについて活用しない としていること、「×」が活用しないとしていることをそれぞれ示している。また、「-」は当該放射線測定器を購入していないことを示している。
注(2)
本図表中の数値は、上段が道府県数、下段が当該放射線測定器を購入した道府県数に占める割合である。
b 普及啓発のための活用状況

普及啓発のための放射線測定器の活用方法として、住民を対象とした放射線測定器を用いた説明会を開催したり、住民が自由に測定できるように配備先の施設の窓口等に放射線測定器を設置したり、放射線測定器を貸し出したりすることなどがある。

そこで、25年度に購入されてから27年9月末までの放射線測定器の活用状況を確認したところ、図表54のとおり、放射線測定器計8,672台中、一度でも普及啓発に活用されたことのある放射線測定器は1,943台(購入された台数に占める割合22.4%)にとどまっており、4分の3以上の6,729台(購入費5億4071万余円、交付金交付額同額)は一度も普及啓発に活用されていなかった。

図表54 普及啓発のための放射線測定器の活用状況

(単位:台)
放射線測定器の種類 一度でも活用されたことのある台数( 購入された台数 活用されていなかった台数
県庁・市役所等 消防署・警察署等 学校等 公民館等 社会福祉施設等 その他
            (A) (B) (B)-(A)
簡易サーベイメータ 620 10 398 427 160 60 1,675 6,408 4,733
22.0% 7.0% 23.5% 35.9% 35.2% 52.6% 26.1%    
NaIシンチレーション式サーベイメータ 117 3 2 12 - - 134 426 292
33.4% 8.1% 10.5% 60.0% - - 31.4%    
電離箱式サーベイメータ 61 1 0 12 - - 74 828 754
11.1% 0.4% 0.0% 60.0% - - 8.9%    
GM管式サーベイメータ 0 0 - - - - 0 100 100
0.0% 0.0% - - - - 0.0%    
可搬型モニタリングポスト 8 - - 16 - - 24 36 12
40.0% - - 100.0% - - 66.6%    
個人線量計 0 0 - - - - 0 800 800
0.0% 0.0% - - - - 0.0%    
その他 17 - 13 6 - 0 36 74 38
62.9% - 37.1% 75.0% - 0.0% 48.6%    
823 14 413 473 160 60 1,943 8,672 6,729
18.2% 2.4% 23.3% 37.7% 35.2% 50.8% 22.4%    
(注)
上段は一度でも普及啓発に活用された実績がある放射線測定器の台数、下段は配備先区分及び放射線測定器の種類ごとの購入された放射線測定器の台数(図表52の配備台数参照)に占める割合である。

そして、普及啓発に活用されていない主な理由について、放射線測定器の種類ごとに整理して示すと、図表55のとおり、簡易サーベイメータについては、「活用する機会がなかったため」が64.7%と最も多くなっており、配備先において説明会を行うなどして活用する機会を設けて普及啓発に取り組む意識が十分でないと認められる状況となっている。

また、簡易サーベイメータ以外の放射線測定器については、「緊急時に活用するものと考えていたため」が比較的多くなっている。これは、周辺対策交付金により購入した放射線測定器は普及啓発に活用することになっているにもかかわらず放射線測定器を緊急時のみに活用するとしている道府県があることや、前記のとおり、平常時の低い空間放射線量率の測定には適していない放射線測定器の種類があることが影響していると考えられる。

図表55 放射線測定器が普及啓発に活用されていない理由

(単位:台)
放射線測定器の種類 緊急時に活用するものと考えていたため 施設の職員が活用するものと考えていたため 既に別の放射線測定器があるため 活用する機会がなかったため その他 普及啓発に活用されていない台数計
簡易サーベイメータ 758 557 234 3,063 121 4,733
16.0% 11.7% 4.9% 64.7% 2.5%  
NaIシンチレーション式サーベイメータ 109 38 11 134 0 292
37.3% 13.0% 3.7% 45.8% 0.0%  
電離箱式サーベイメータ 616 38 16 84 0 754
81.6% 5.0% 2.1% 11.1% 0.0%  
GM管式サーベイメータ 98 2 0 0 0 100
98.0% 2.0% 0.0% 0.0% 0.0%  
可搬型モニタリングポスト 12 0 0 0 0 12
100.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%  
個人線量計 732 10 0 58 0 800
91.5% 1.2% 0.0% 7.2% 0.0%  
その他 34 3 0 0 1 38
89.4% 7.8% 0.0% 0.0% 2.6%  
2,359 648 261 3,339 122 6,729
35.0% 9.6% 3.8% 49.6% 1.8%  
(注)
上段は普及啓発に活用されていない放射線測定器の台数、下段は普及啓発に活用されていない台数計に占める割合である。
(エ)緊急時における放射線測定器の活用についての考え方
a 道府県における考え方

前記のとおり、内閣府は、道府県が周辺対策交付金により購入し配備した放射線測定器を必要に応じて緊急時に活用することができるとしている。

緊急時における当該放射線測定器の活用についての18道府県の考え方を整理して示すと、図表56のとおりとなっており、簡易サーベイメータについては緊急時に活用しないとしているのが8道府県(当該放射線測定器を購入した道府県数に占める割合が47.0%)である一方、その他の放射線測定器については、緊急時に活用するとしているのが、NaIシンチレーション式サーベイメータでは7道県(同77.7%)、電離箱式サーベイメータでは10道府県(同90.9%)等となっている。

図表56 道府県の緊急時における活用についての考え方

放射線測定器の種類
道府県名等
簡易サーベイメータ NaIシンチレーション式サーベイメータ 電離箱式サーベイメータ GM管式サーベイメータ 可搬型モニタリングポスト 個人線量計 その他
北海道 × - - -
青森県 - - - - - -
茨城県 × - -
新潟県 × × - - - - -
富山県 × - - - - -
石川県 - - - - - -
福井県 - - - - -
岐阜県 - - - -
静岡県 - - - - - -
滋賀県 - - - -
京都府 × - - - - -
鳥取県 - - -
島根県 × - - - -
愛媛県 - - - - -
福岡県 - - - -
佐賀県 × × × - - - -
長崎県 - -
鹿児島県 × - - - - - -
緊急時に活用するとしている道府県(○) 9 7 10 1 5 1 3
52.9% 77.7% 90.9% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%
活用しないとしている道府県(×)
8 2 1 0 0 0 0
47.0% 22.2% 9.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
注(1)
本図表中の記号は、「○」が当該放射線測定器を緊急時に活用するとしていること、「×」が活用しないとしていることをそれぞれ示している。また、「-」は当該放射線測定器を購入していないことを示している。
注(2)
本図表中の数値は、上段が道府県数、下段が当該放射線測定器を購入した道府県数に占める割合である。

また、緊急時に活用しないとしている道府県では、緊急時に活用することは放射線測定器を普及啓発のために配備すると定めた交付要綱に反すると判断していたり、簡易サーベイメータは、緊急時モニタリングで使用するものと比べて放射線の検出部が小さいなどのため空間放射線量率等を正確に測定できないおそれがあったりすることなどから緊急時には活用しないとしている。

b 配備先等における考え方

道府県が緊急時に活用するとしている放射線測定器については、図表57のとおり、計4,107台となっており、そのうち、実際に配備されている配備先等が緊急時に活用するとしているものは3,743台(4,107台に占める割合91.1%)、緊急時に活用しないとしているものは364台(同8.8%)となっている。

しかし、配備先等が緊急時に活用するとしている上記3,743台のうち、緊急時に誰が測定し、その測定値を何に活用するかなど、具体的な活用方法が定められているものは235台(3,743台に占める割合6.2%)にとどまっていた。そして、残りの3,508台(同93.7%)については緊急時における具体的な活用方法が定められていないことから、放射線測定器が緊急時に十分活用される態勢が整っているとは認められない状況となっている。

図表57 配備先等の緊急時における活用についての考え方

(単位:台)
道府県名 道府県において緊急時に活用するとしている放射線測定器  
配備先等において緊急時に活用するとしている放射線測定器(A)   配備先等において緊急時に活用するとしていない放射線測定器
(A)のうち具体的な活用方法が定められている放射線測定器 (A)のうち具体的な活用方法が定められていない放射線測定器
北海道 56 56 56 0 0
青森県 66 66 0 66 0
茨城県 1,270 1,256 24 1,232 14
新潟県 0 - - - -
富山県 1 1 1 0 0
石川県 720 607 15 592 113
福井県 535 535 10 525 0
岐阜県 92 92 0 92 0
静岡県 216 216 0 216 0
滋賀県 58 41 0 41 17
京都府 164 164 68 96 0
鳥取県 170 170 7 163 0
島根県 38 26 14 12 12
愛媛県 590 430 40 390 160
福岡県 48 0 - - 48
佐賀県 0 - - - -
長崎県 83 83 0 83 0
鹿児島県 0 - - - -
4,107 3,743 235 3,508 364