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  • 平成28年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第3 総務省|
  • 不当事項|
  • 補助金

(3) 地域活性化・公共投資臨時交付金が過大に交付されていたもの[総務本省](20)


1件 不当と認める国庫補助金 2,985,208円

地域活性化・公共投資臨時交付金(以下「公共交付金」という。)は、地域活性化・公共投資臨時交付金制度要綱(平成22年府地活第4号、総行応第30号等。以下「制度要綱」という。)等に基づき、地域活性化等の速やかかつ着実な実施を図ることを目的として、公共事業等の追加に伴う地方負担の軽減を図り、国の施策と歩調を合わせ、地域における公共投資を円滑に実施することができるよう、地方公共団体が実施する事業に要する費用のうち、地方公共団体が負担する経費に対して、国が交付するものである。

公共交付金は、制度要綱等によれば、厚生労働省が別途交付する医療施設耐震化臨時特例交付金等により都道府県に造成された基金(以下「耐震化等基金」という。)を活用して実施する事業等に要する費用のうち、地方公共団体が負担する経費の財源に充てることができることとされている。そして、地方公共団体は、その負担する経費に相当する分を基金として区分して積み立てる場合には、この基金の積立てに公共交付金を充当することができることとされている。

本院が4府県及び4市町において会計実地検査を行ったところ、1県において次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

  部局等 交付金事業者
(事業主体)
交付金事業 年度 交付対象事業費 左に対する交付金交付額 不当と認める交付対象事業費 不当と認める交付金相当額 摘要
          千円 千円 千円 千円  
(20) 総務本省 千葉県 地域活性化・公共投資臨時交付金
〈社会福祉・医療施設整備等推進基金積立金〉
21 5,000,000 5,000,000 2,985 2,985 過大交付

この交付金事業は、千葉県が、耐震化等基金を活用して、医療施設の耐震化整備事業等を実施する医療機関等に対する助成金等の交付事業(以下「助成事業」という。)を実施する際、助成事業に要する費用のうち、同県が負担する経費の財源に充てるために、その経費に相当する分を千葉県社会福祉・医療施設整備等推進基金(以下「推進基金」という。)に積み立てるに当たり、この積立てに公共交付金を充当したものである。

そして、同県は、推進基金への積立てに公共交付金5,000,000,000円を充当したとする実績報告書を平成23年4月に総務本省に提出して、同額で額の確定を受けていた。その後、同県は、助成事業の終了後である28年2月及び3月に、助成金の交付先である3医療機関から助成事業に係る返還金の支払を受けており、当該返還金等2,985,208円を推進基金に積み立てていた。

しかし、同県は、助成事業に係る返還金の支払を受けたことなどにより、助成事業に要する費用のうち同県が負担する経費が上記の確定を受けていた公共交付金の額を下回ることとなったのに、当該助成事業に係る返還金等2,985,208円を国に返還する手続を行っておらず、同額が同県に滞留していた。

したがって、適正な公共交付金の交付額は4,997,014,792円となることから、当初の交付額との差額2,985,208円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同県において交付額の確定後に支払を受けた返還金等を国に返還する手続を適時適切に行う必要があることの認識が欠けていたこと、総務本省において同県に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。