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  • 平成28年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • 補助金

(7) 国立大学法人施設整備費補助金が過大に交付されていたもの[文部科学本省](61)―(63)


3件 不当と認める国庫補助金 41,818,672円

国立大学法人施設整備費補助金は、大学の教育研究に対する国民の要請にこたえるとともに、我が国の高等教育及び学術研究の水準の向上と均衡ある発展を図ることを目的として、国立大学法人が行う施設・設備の整備等に要する経費に対して国が補助するものである。

この補助金の交付額は、国立大学法人施設整備費補助金交付要綱(平成16年文部科学大臣決定)によれば、国立大学法人が行う補助事業に必要な経費のうち、施設整備費、災害復旧費、附帯事務費等を補助対象経費として、予算の範囲内で定額とすることとされている。そして、補助対象経費のうち施設整備費は、本工事及び附帯工事に係る経費(施設に附帯する設備の整備に係る経費を含む。)とされている。

本院が、21国立大学法人において会計実地検査を行ったところ、3国立大学法人において、上記の施設整備費には該当しないことから、補助の対象とならない整備した設備の保守、保証及び運用支援に要した経費(以下、これらを「保守経費等」という。)や、図書館に配架するDVD、電子書籍等(以下、これらを「図書」という。)の購入経費を補助対象経費に含めていたため、国庫補助金計41,818,672円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、3国立大学法人において補助対象経費についての理解が十分でなかったこと、文部科学省において3国立大学法人から提出された実績報告書等の審査が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

国立大学法人横浜国立大学は、平成24、25両年度に、国際センター(国際交流ラウンジ)整備事業を実施しており、外国語学習システムの構築、附属図書館に必要な視聴覚機器の整備等に係る経費を対象として、補助対象経費を188,800,000円(国庫補助金同額)と算定していた。

しかし、同法人は、補助の対象とならない外国語学習システムの保守経費等計12,520,725円及び附属図書館に配架する図書の購入経費計3,533,556円を補助対象経費に含めていた。

したがって、これらを除いて適正な補助対象経費を算定すると、174,740,378円(国庫補助金同額)となり、国庫補助金14,059,622円が過大に交付されていた。

以上を事業主体別に示すと次のとおりである。

  部局等 事業主体 補助事業 年度 補助対象経費 左に対する国庫補助金交付額 不当と認める補助対象経費 不当と認める国庫補助金 摘要
          千円 千円 千円 千円  
(61) 文部科学本省 国立大学法人横浜国立大学 国際センター(国際交流ラウンジ)整備 24、25 188,800 188,800 16,054 14,059 補助の対象とならない保守経費等及び図書の購入経費を補助対象経費に含めていたもの
(62) 国立大学法人京都工芸繊維大学 産学官・大学連携広域型人材育成ネットワーク構築等 24~26 170,000 170,000 13,081 12,768 補助の対象とならない保守経費等を補助対象経費に含めていたもの
(63) 国立大学法人九州大学 情報システムの基盤整備等 24、25 158,900 158,900 14,992 14,990
(61)―(63)の計 517,700 517,700 44,128 41,818