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  • 平成28年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • 補助金

(9) 義務教育費国庫負担金が過大に交付されていたもの[7県](66)―(72)


7件 不当と認める国庫補助金 46,482,616円

義務教育費国庫負担金(以下「負担金」という。)は、義務教育費国庫負担法(昭和27年法律第303号)に基づき、義務教育について、義務教育無償の原則にのっとり、国が必要な経費を負担することによって教育の機会均等とその水準の維持向上とを図ることを目的として、国が都道府県に対して交付するものである。また、負担金により国が負担する経費は、公立の義務教育諸学校(小学校、中学校及び中等教育学校の前期課程(以下、これらを合わせて「小中学校」という。)並びに特別支援学校の小学部及び中学部)に勤務する教職員の給与及び報酬等に要する経費となっており、その額は、都道府県の実支出額と「義務教育費国庫負担法第二条ただし書の規定に基づき教職員の給与及び報酬等に要する経費の国庫負担額の最高限度を定める政令」(平成16年政令第157号。以下「限度政令」という。)に基づいて都道府県ごとに算定した額(以下「算定総額」という。)とのいずれか低い額の3分の1となっている。

算定総額は、限度政令に基づき、小中学校の教職員に係る基礎給料月額等に同教職員に係る算定基礎定数を乗ずるなどして得た額と、特別支援学校の小学部及び中学部の教職員に係る基礎給料月額等に同教職員に係る算定基礎定数を乗ずるなどして得た額とを合算して算定することとなっている。

このうち、算定基礎定数は、当該年度の5月1日現在において、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」(昭和33年法律第116号。以下「標準法」という。)等に基づき、標準学級数(注1)等を基礎として算定した数に、教職員が教育公務員特例法(昭和24年法律第1号)に定める指導改善研修を受けているなどの特別な事情を考慮して文部科学大臣が定める数(以下「加配定数」という。)を加えることにより教職員の定数を算定し、更に「女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律」(昭和30年法律第125号)により臨時的に任用される者(以下「産休代替教職員」という。)等の実数を加えるなどして算定することとなっている。

また、特別支援学校については、義務教育である小学部及び中学部のほかに幼稚部と高等部を置く学校があるため、特別支援学校に勤務する全ての教職員の給与及び報酬等に要する経費を算定し、これに義務制率(注2)を乗ずるなどして小学部及び中学部に係る実支出額を算定することになっている。

(注1)
標準学級数  標準法に規定する学級編制の標準により算定した学級数
(注2)
義務制率  「小学部及び中学部の標準学級数の合計」を「小学部及び中学部の標準学級数並びに幼稚部及び高等部の実学級数の合計」で除して求めた率

本院が、21都道県において会計実地検査を行ったところ、6県において、算定基礎定数の算定に当たり、誤って、標準学級数を1学級とすべきところを2学級としたり、当初予定していた指導改善研修を受けていなかった教職員に係る加配定数を含めたり、当該年度の5月1日現在において産休代替教職員に該当していなかった者を含めたりなどしていた。また、1県において、特別支援学校の小学部及び中学部の実支出額の算定に当たり、誤って、標準学級数を1学級とすべきところを2学級としたり、実学級数に含めるべき学級を含めなかったりして算定した義務制率を乗じていた。これらの結果、負担金計46,482,616円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、7県において、算定基礎定数の算定方法についての理解及び算定基礎定数の確認が十分でなかったこと、義務制率の算定に用いる学級数の算定方法についての理解が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

青森県は、平成26年度において、小中学校並びに特別支援学校の小学部及び中学部に勤務する教職員の給与及び報酬等に要する経費の実支出額が算定総額を下回ったことから、実支出額を基に20,419,406,664円の負担金の交付を受けていた。

しかし、同県は、特別支援学校の小学部及び中学部の実支出額の算定に当たり、誤って、標準学級数を1学級とすべきところを2学級としたり、実学級数に含めるべき学級を含めなかったりしていたため、小学部及び中学部の標準学級数を計323学級、幼稚部及び高等部の実学級数を計105学級とすべきところ、それぞれ計325学級、計102学級として義務制率を算定して、この率を特別支援学校に勤務する全ての教職員の給与及び報酬等に要する経費に乗ずるなどしていた。

したがって、適正な小学部及び中学部の標準学級数並びに幼稚部及び高等部の実学級数により適正な負担金の額を算定すると20,405,618,832円となることから、負担金13,787,832円が過大に交付されていた。

以上を部局等別に示すと次のとおりである。

  部局等 補助事業者
(事業主体)
年度 算定総額又は実支出額 左に対する負担金交付額 不当と認める算定総額又は実支出額 不当と認める負担金交付額 摘要
        千円 千円 千円 千円  
(66) 青森県 青森県 26 61,258,219 20,419,406 41,363 13,787 実支出額の算定が過大となっていたもの
(67) 山形県 山形県 24~26 148,465,897 49,488,575 25,946 8,648 算定基礎定数の算定が過大となっていたもの
(68) 茨城県 茨城県 26 117,841,795 39,280,598 9,414 3,138
(69) 新潟県 新潟県 26 96,853,152 32,284,384 28,384 9,461
(70) 岐阜県 岐阜県 26 80,244,204 26,747,848 6,516 2,172
(71) 滋賀県 滋賀県 26 56,216,834 18,738,944 18,702 6,234
(72) 高知県 高知県 25 35,652,694 11,884,163 9,119 3,039
(66)―(72)の計 596,532,799 198,843,921 139,447 46,482