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  • 平成28年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • (1) 補助対象事業費を過大に精算していたもの

補助対象経費として認められないとされている回し手形による支払額を経費に含めていたため、補助対象事業費を過大に精算していたもの[東北経済産業局](251)


(1件 不当と認める国庫補助金 3,165,109円)

  部局等 補助事業者
(所在地)
間接補助事業者
(所在地)
補助事業 年度
事業費
(補助対象事業費)
左に対する国庫補助金交付額 不当と認める補助対象事業費 不当と認める国庫補助金相当額
            千円 千円 千円 千円
(251) 東北経済産業局 株式会社橘機工
(青森県三戸郡五戸町)
〈事業主体〉
下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策 25 22,753
(21,670)
14,437 4,761 3,165

この補助事業は、下請中小企業における取引先の多様化を図り、下請中小企業の振興と経営の安定に寄与することを目的として、下請事業者2者以上が下請中小企業振興法(昭和45年法律第145号)第8条の規定に基づく主務大臣の認定を受けた「特定下請連携事業計画」に従って連携体として新たな事業活動を実施する場合に、事業を実施する連携体参加者に対して、必要な経費の一部を補助するものである。

経済産業省の補助事業事務処理マニュアル等によれば、補助事業における支払については支払の事実を証明できる銀行振込を原則とするとされ、自ら振り出したものではない約束手形(以下「回し手形」という。)による支払額については、回し手形の額面金額が確実に支払われ、補助対象設備に係る取引が成立したことを手形の振出人や銀行に対して確認することが困難なことなどにより、補助対象経費として認められないとされている。

連携体の代表者である事業主体は、連携体における取引先の拡充及び経営の安定化を図るなどのための事業に係る計画について前記の認定を受け、この計画に基づき、平成25年度に三次元測定器、3Dプリンター及び3Dスキャナーを購入するなどの事業を事業費22,753,500円(補助対象事業費21,670,000円)で実施したとして東北経済産業局に実績報告書を提出して、これにより国庫補助金14,437,172円の交付を受けていた。

しかし、事業主体は、上記三次元測定器等の購入に当たって、購入額計22,753,500円のうち5,000,000円については、回し手形による支払を行っており、その支払額を補助対象経費に含めていた。

したがって、補助対象経費として認められないとされている回し手形による支払額に係る補助対象事業費4,761,905円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金相当額3,165,109円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、事業主体において補助事業に係る経費の支払方法に関する理解が十分でなかったこと、東北経済産業局において事業主体に対する指導並びに実績報告書等の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。