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  • 平成29年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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震災復興特別交付税の額の算定に当たり、経費の算定が適切でなかったなどのため、震災復興特別交付税が過大に交付されていたもの[総務本省](63)―(76)


所管、会計名及び科目
内閣府、総務省及び財務省所管
交付税及び譲与税配付金特別会計 (項)地方交付税交付金
部局等
総務本省
交付の根拠
地方交付税法(昭和25年法律第211号)、東日本大震災に対処する等のための平成二十三年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律(平成23年法律第41号)
交付先
14市町村
震災復興特別交付税交付額
37,468,693,000円(平成26年度~28年度)
過大に交付された震災復興特別交付税の額
35,410,000円(平成26年度~28年度)

1 震災復興特別交付税の概要

総務省は、地方交付税法(昭和25年法律第211号)及び「東日本大震災に対処する等のための平成二十三年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律」(平成23年法律第41号)に基づき、東日本大震災(平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。以下同じ。)に係る災害復旧事業、復興事業その他の事業の実施のために特別の財政需要があることなどを考慮して道府県及び市町村に対して特別交付税(以下、この特別交付税を「震災復興特別交付税」という。)を23年度から交付している。

そして、総務省は、道府県及び市町村に交付すべき震災復興特別交付税の額を算定するために、「地方団体に対して交付すべき平成二十三年度分の震災復興特別交付税の額の算定方法、決定時期及び決定額並びに交付時期及び交付額の特例等に関する省令」(平成23年総務省令第155号)等を23年度以降制定して、各年度における特別の財政需要として算定の対象となる事項(以下「算定事項」という。)を定めている(以下、23年度から28年度まで各年度に制定している各省令を総称して「復興特交省令」という。)。

また、市町村は、各市町村に該当する算定事項ごとに財政需要に関する基礎資料(以下「算定資料」という。)等を作成して、都道府県に提出しており、都道府県は、市町村から提出された算定資料等の審査を行って総務省に送付し、同省は、提出された算定資料等に基づき、算定事項等に関して、復興特交省令により、新たに生ずる復興事業等に必要な経費等の合計額を算定するなどして震災復興特別交付税の額を決定して交付している。

そして、震災復興特別交付税の額の算定に際しては、復興特交省令等によれば、事業の実施状況に合わせて必要な経費の実績額又はその見込額を用いることなどにより算定することとされており、見込額を用いた場合には、実績額が確定した後に、実績額に基づき算定した額との差額について、実績額が確定した年度の震災復興特別交付税の算定において精算することとされている。

算定事項の主なものには、国の補助金等(復興特交省令の別表に定められた補助金等(東日本大震災復興交付金、循環型社会形成推進交付金等))を受けて施行する事業に要する経費のうち道府県及び市町村が負担すべき額として総務大臣が調査した額(以下「補助事業等に係る地方負担額」という。)等がある。

2 検査の結果

本院は、合規性等の観点から、震災復興特別交付税の額が適正に算定されているかに着眼して、総務本省及び3県の14市町村において、26年度から28年度までの間に交付された震災復興特別交付税を対象として、算定資料等を確認するなどして会計実地検査を行った。

検査の結果、上記の14市町村に交付された震災復興特別交付税計37,468,693,000円のうち、算定資料等の作成に当たり、補助事業等に係る地方負担額のうち市町村が負担すべき額の算定において、経費の算定が適切でなかったり、対象とならない経費を含めていたりしていたため、補助事業等に係る地方負担額が過大となり、震災復興特別交付税計35,410,000円が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、2市町(注1)において算定資料等の作成に当たり市町が負担すべき額の算定の基礎となる交付対象事業費を算定することに対する理解が十分でなかったこと、白石市等9市町(注2)及び二本松市等3市村(注3)によりそれぞれ構成されている2一部事務組合(注4)において12市町村が負担すべき額の算定の基礎となる交付対象事業費を算定することについての理解が十分でなかったことなどによると認められる。

以上を県別・交付先別に示すと次のとおりである。

  県名 交付先 算定事項 年度 震災復興特別交付税交付額 過大に交付された震災復興特別交付税の額 摘要
          千円 千円  
(63) 岩手県 大船渡市 東日本大震災復興交付金 26~28 12,805,185 1,410 経費の算定が適切でなかったもの
(64) 宮城県 白石市 循環型社会形成推進交付金 27、28 2,175,819 2,678 算定の対象とならない経費を含めていたもの
(65) 角田市 27、28 778,823 2,272
(66) 刈田郡蔵王町 27、28 362,805 1,162
(67) 刈田郡七ヶ宿町 27、28 69,996 327
(68) 柴田郡大河原町 27、28 513,605 1,869
(69) 柴田郡村田町 27、28 377,300 962
(70) 柴田郡柴田町 27、28 942,357 2,858
(71) 柴田郡川崎町 27、28 211,578 783
(72) 伊具郡丸森町 27、28 404,424 1,122
(73) 本吉郡南三陸町 東日本大震災復興交付金 26~28 18,040,085 9,047 経費の算定が適切でなかったもの
(74) 福島県 二本松市 循環型社会形成推進交付金 28 432,272 6,657 経費の算定が適切でなかったものなど
(75) 本宮市 28 312,808 3,312
(76) 安達郡大玉村 28 41,636 951
(63)―(76)の計 37,468,693 35,410  
(注1)
2市町  大船渡市、本吉郡南三陸町
(注2)
9市町  白石、角田両市、刈田郡蔵王、七ヶ宿、柴田郡大河原、村田、柴田、川崎、伊具郡丸森各町
(注3)
3市村  二本松、本宮両市、安達郡大玉村
(注4)
2一部事務組合  仙南地域広域行政事務組合、安達地方広域行政組合

((63)、(73)については、「災害公営住宅の家賃の低廉化に係る事業費の算定が適切でなかったため、交付金により造成した基金が過大に使用されていたもの」を、(64)―(72)については、「循環型社会形成推進交付金事業の交付対象事業費に交付の対象とならない建築物の整備に要した費用を含めていたもの」を、(74)―(76)については、「循環型社会形成推進交付金事業において、事務費に含めることとされている業務委託に係る委託料を工事費に含めるなどしていたため、交付金が過大に交付されていたなどのもの」をそれぞれ参照)