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  • 昭和23年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第7 厚生省|
  • 国有物件

物品の取扱処置当を得ないもの


(485) 物品の取扱処置当を得ないもの

 厚生省で、昭和23年度中に前年度から繰越保有(配給代行機関である山之内製薬株式会社で保管のもの)していた腸チフス、パラチフス混合ワクチン37,195,410ccのうち31,463,050ccを、後日現品で補充させる条件で同会社に引き渡したものがある。

 右ワクチンは、従来国が製造業者から一括購入の上、同会社を通じ各都道府県へ配給するために保有していたものであるが、厚生省は23年度中の需要見込に基き50,000,000ccについて、23年4月薬品製造業者に対し生産方手配したところ、5月各都道府県の実際需要量調査の結果は都道府県の手持量が相当あつた関係上、新規需要としては約3100万ccに過ぎなかつた状況である。従つて厚生省では各都道府県に対しては前記繰越保有分を配給すればたりたものであり、又ワクチンについての国の一括購入の方針は23年度からは廃止したものであるから、繰越分については当初から売渡処分をすればよいのに、同会社をして現品で補充させることとしたのは処置当を得ない。
 しかして、同会社は前記引渡を受けた31,463,050ccのうち16、325,850ccを23年4月から12月までの間に現品で補充し、補充未済となつた15,137,200ccについて、国は24年9月に至り21,564,293円で同会社に売り渡したが、12月現在収納未済となつている。

 又、国有の現品について見ると、22年度からの繰越残品5,732,360ccの全部及び同会社が補充したもののうち15,976,980cc計21,709,340cc、価額24,748,647円のものが24年9月に至り、有効期限経過のため廃棄処分されている状況である。