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  • 昭和24年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第4 大蔵省|
  • (終戦処理関係の分)|
  • 工事

維持管理工事費の精算に当り処置当を得ないもの


(406)−(410) 維持管理工事費の精算に当り処置当を得ないもの

  (部)終戦処理費(款)終戦処理事業費(項)終戦処理維持費

(406)  特別調達庁で、株式会社間組に請け負わせた横田地区維持管理工事の昭和23年7月から24年8月までの間の工事費精算額に仮設建物損料及び撤去費として4,778,987円が積算されているが、本工事における仮設建物はいずれも同会社が請負施行した同地区建設工事等の仮設建物として21年及び22年に設置したものを使用しているもので、これに対しては既にその撤去費を含め償却費等として大部分の支払を行い、23年6月末の未償却額は約175万円に過ぎなかつたものであるから、本件工事についてあらたに仮設建物を設置するものとしてその損料及び撤去費の全額を支払う必要はなかつたのである。
 いま、右の未償却額に仮設建物維持費約87万円を加算すれば、本件支払額は約262万円で足りたものである。

  (部)終戦処理費(款)終戦処理事業費(項)終戦処理既定調達費

(407)  山形県及び仙台特別調達局で、昭和23年11月から24年3月までの間に、西松建設株式会社に請け負わせた神町連合国軍施設維持管理工事の代金として精算の上支払つた29,565,596円(うち23年度分、同県で11,998,000円、同局で10,360,926円)のうちには砕石12,532立米の代金10,444,442円が含まれている。
 右砕石代金は、立米当り単価を平均833円として支払つたものであるが、25年5月本院会計実地検査の際調査したところ、本件は請負人が直接附近の乱川において玉石を採取し砕石としたものであるから、採取土場渡統制額平均365円を適用して代金を支払うべきものと認められ、仮にこれによつて計算すれば諸経費をあわせ概算770万円を減額できたものである。

  (部)終戦処理費(款)終戦処理事業費(項)終戦処理維持費

(408)  横浜特別調達局で、昭和24年9月義合祥建設株式会社に請け負わせた根岸、川崎両地区諸建物災害復旧工事は、当初32,000,000円で概算契約を締結し12月実費精算の結果33,379,000円を支払つたものであるが、25年7月本院会計実地検査の際調査したところ、右の精算額中には仮設費において二重計上をしたもの等があり、結局実費を越えて支払つた額は1,650,663円で、これに対する諸経費22%を加算すれば2,024,338円の過払をきたしたものである。

  (部)終戦処理費(款)終戦処理事業費(項)終戦処理既定調達費

(409)  横浜特別調達局で、昭和23年7月鹿島建設株式会社に請け負わせた長井地区維持管理工事代金の精算の結果支払つた136,091,109円のうち、実費を精査しないで漫然会社提出の請求書によつたため、材料費において実際は工事現場附近の採集場から運搬した砂利、砂、栗石、砕石等の購入価格を貨車乗渡として計算し、又、労務費、諸役務費においても実際に支払つた以上に多額の技能手当及び割増料金を計上しているので、材料費で約444万円、労務費及び諸役務費で約88万円を過大に支払つたものがある。

(410)  兵庫県が昭和23年12月宝塚土建株式会社に請け負わせた宝塚ゴルフ場水路復旧工事の代金として、大阪特別調達局で4,860,051円(うち23年度分1,729,000円)を支出したものがある。
 右工事は、粗石積排水路560米の幅員を拡張し両側及び床の一部を胴込め石積とするもので、そのうちの石積工事費は運賃をあわせ1,864,020円であつて、平米当り15個単価29円の割石50,820個を使用したこととなつているが、25年2月本院会計実地検査の際調査したところ、実際は工事現場附近から採取した雑石平米当り約25個を使用しており、精算は事実にそわないものである。
 いま仮に、雑石を使用したこととして計算すれば単価4円(玉石の統制額立米当り298円、使用個数を75個として推算)使用数量88,935個(作業中の減損5%を見込む。)に対し運賃をあわせ計698,460円で足りた計算で、本件工事費は諸経費をあわせ約130万円過大となつている。