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  • 昭和24年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第10 郵政省

(郵政事業特別会計(通信事業特別会計郵政勘定を含む。))


(郵政事業特別会計(通信事業特別会計郵政勘定を含む。))

(簡易生命保険及郵便年金特別会計)

1 郵政事業特別会計(通信事業特別会計郵政勘定を含む。)
  本年度事業収入の決算額は、予算に比し16億2千7百余万円の減をきたし、事業支出の決算額も予算に比し22億8百余万円の減となつているが、事業収入が減となつたのは主として収入の大宗である切手収入がその予算額に対比して24億7千1百余万円の減を生じた結果であり、書状の利用者がはがきに移行する傾向が顕著となつている。

(1) 郵便料金値上が困難な現状においては、特に予算の効果的使用が緊要であるが、冗費又は不経済支出と認められるものが見受けられ、そのおもなものについては後述のとおりであるが、その他にも経費の使用上一段の考慮が望ましいものがある。

(2) 物品の経理については、貯蔵品、事業品ともに標準在庫量制度を設定し、調達面と現品の保有高との規正に努めてはいるが、なお、改善を要する事項が見受けられ、そのおもなものについては後述のとおりであるが、その他にも長期間在庫のままとなつているもの又は整理が乱れ、き損亡失等の事故を生じているものなどがある。

(3) 通信官署における繰替払現金を部内職員がほしいままに領得した事故金に対し貯金局及び簡易保険局で欠損補てんをしたものは、後述のとおり1千2百余万円に達していて、現金の出納については職員の責任観念の一層の強化が望ましい。

2 簡易生命保険及郵便年金特別会計

(1) 保険勘定について見ると、その収入は予算に比し49億3千5百余万円の減をきたしたのに、支出は予算額とほぼ同額であるため6千5百余万円の剰余金を生ずる予定に対し、かえつて5億8千9百余万円の責任準備金編入不足額を生ずる結果となつている。収入が減少したのは主として保険料が予想外の契約の失効、解約等に基き減となつたためであつて、事業経営上良質高額な適度の契約の獲得が望ましい。
 又、本勘定の事業委託経費95億3千9百余万円を郵政事業特別会計に繰入しているが、昭和24年度の収入保険料222億8百余万円に対しその割合は約43%となつており、表定保険料に見込まれている事業費附加率にくらべると、この負担割合は2倍3の高率となつているが、いま急速に附加率の範囲内で事業費を規正することは困難であるとしても、募集手当の額及び支給方法等並びに短期払込契約の保険料の経理自体についての検討が望ましい。
 なお、本件繰入は予算額繰入の建前をとつているが、24年度保険料収入決算額は予算額に対し約18%の減収となつているから、繰入についても収入金額との見合による調整の処置が望ましい。

(2) 年金勘定について見ると、その収入は予算に比し6億1百余万円の減、支出も3千3百余万円の減をきたしたため、4百余万円の剰余金を生ずる予定に対し、かえつて2千7百余万円の責任準備金編入不足額を生ずる結果となつている。本事業の経営及び経理に関しても保険事業と同様の検討が望ましい。