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  • 昭和24年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第3節 政府関係機関別事項|
  • 第3 公団|
  • 食料品配給公団|
  • 資金管理

資金の管理当を得ないもの


(717)−(721) 資金の管理当を得ないもの

(717)  食料品配給公団醤油局で、次長石川某が野田醤油株式会社から返還を受けた買先容器保証金12,709,155円の入金整理を遅らせ、昭和24年4月から6月までの間これを運用し、その運用利子約80万円を会議費、交際費等に使用したものがある。

(718)  食料品配給公団アミノ酸局で、商品代金の入金に当り、得意先別の仕訳整理が入金と同時に適確に行われ難い状態にあつたので、帳簿外にアミノ酸局長名義の預金口座を設け、一旦同口座にこれを預け入れ、入金先判明後正規の預金口座に振り替え、預金元帳に入帳経理をする取扱をしていたのであるが、

(1) 昭和24年3月から12月までの間に、経理課長飯田某が右取扱を奇貨として大阪銀行日本橋支店の帳簿外の預金を引き出し、又は得意先からの入金を受入経理しないで合同食産株式会社外1名に対して35,212,941円を融資した。
 なお、右融資額のうち14,999,509円は25年10月末現在まだ回収されていない。

(2)24年9月から25年2月までの間に、職員小高某が大阪銀行日本橋支店の帳簿外預金965,662円を引き出しているが、その使途が不明である。

 なお、右使途不明の額は25年10月末現在まだ回収されていない。

(719)  食料品配給公団アミノ酸局で、グルタミン酸ソーダの割増額を物価庁に納付するに当つて、経理課長飯田某がその納期日前に銀行預金を引き出し、銀行預金元帳の記帳外に経理したものが左のとおり44,022,248円ある。

(1) 昭和24年9月26日納付した40,208,128円は同月19日第一銀行京橋支店外1銀行から公団預金を引き出し、納付までの間これを千代田銀行日本橋支店に預入していた。

(2) 24年11月10日納付した3,814,120円は9月30日日本信託銀行外2銀行から引き出し、納付までの間千代田銀行日本橋支店において預金手形に作成し、更に10月17日同銀行の別段預金としていた。

(720)  食料品配給公団北海道支部で、計算課長新舎某が昭和24年10月北海道学校給食協会から受け取つた売掛金1,000,000円を帳簿外に経理し、うち520,000円を部外者に貸し付け、又は職員の厚生資金等に使用し、25年2月その補てんのため知人から520,000円を借り入れ売掛金の入金を了したが、更に借入金返済のため公団預金520,000円を使用した。
 なお、右520,000円は金額回収済である。

(721)  食料品配給公団佐賀支部で、昭和25年2月から3月までの間に、佐賀県味噌醤油醸造協同組合に支払うべき代金のうち、1,528,492円を支払済のように装つて生産業者である美和商工株式会社に融資し、又、3月荷受代表者早田某外12名に売り渡したしよう油代金1,486,031円を同会社をして受領させ、公団に入金していないのに正当に領収済のように経理して融資の結果をきたしている。
 なお、合計金額3,014,523円は25年10月末現在まだ回収されていない。