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  • 昭和25年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項及び是正事項|
  • 第2 総理府|
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  • (一般会計)|
  • 役務

架空の庫移補償費を支払つたもの


(12) 架空の庫移補償費を支払つたもの

(部)司法及警察費 (款)警察予備隊費 (項)警察予備隊費

 警察予備隊第一管区総監部で、昭和26年4月株式会社蔵前倉庫及び都商事株式会社に対し倉庫撤去に伴う補償費として6,698,122円を支払つたものがある。
 右は、警察予備隊第一管区総監部庁舎建設に当つて買収した東京都練馬区所在の土地75,288坪のうちにあつた国有の練馬倉庫を撤去するため、同倉庫の一時使用者である前記両会社に対し会社の支出した整地費、建物工事費等の外、更に在庫貨物の庫移に要する経費を補償したものであるが、このうち庫移補償費4,650,470円は次のとおり架空の庫移に対し支払つたものでその処置著しく当を得ない。

(1) 株式会社蔵前倉庫に対する分は2,826,470円で、同会社がその保管貨物8,000屯を他に庫移する経費として5,200,000円を要求したのに対し査定の上支払つたものであるが、本院で調査したところによれば在庫貨物はすべて寄託者の負担で引取を完了しており、同会社が他に庫移しした事実は全くなかつた状況である。

(2) 都商事株式会社に対する分は1,824,000円で、同会社が保管貨物3,800屯を江東区所在佐賀町倉庫に庫移する経費として1,852,500円を要求したのに対し支払つたものであるが、本院で調査したところによれば在庫貨物は東京特別調達局の解除物件で、26年7月末日までに同局及び買受人においてそれぞれ運賃を負担して引取を完了しており、同会社が佐賀町倉庫に庫移しした事実は全くなく、わずかに場内移換等の作業を行い82,283円を使用したに過ぎない状況である。