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  • 昭和26年度|
  • 第3章 政府関係機関の会計|
  • 第2節 各政府関係機関別の不当事項及び是正事項|
  • 第2 日本国有鉄道|
  • 不当事項|
  • 工事

工事の検収当を得ないもの


(1176)−(1178) 工事の検収当を得ないもの

 (款)事業費 (項)信号通信保守費

(1176)  日本国有鉄道旭川鉄道管理局で昭和26年10月日本電設工業株式会社に請け負わせた石北隧道装荷線輪整備その他工事の代金として、旭川地方経理事務所で3,228,000円を支出したものがある。
 右のうち2,470,000円は装荷線輸工事費に相当し、契約書及び附属調書によれば装荷線輪1カツド7個、2カツド12個をいずれも新規に取り替え取り付けることになつているが、27年5月本院会計実地検査の際の調査によると、実際の工事施行高は2カツドの12個を新規に取り替えただけで、1カツド7個(新品価額約60万円)の取替については撤去品を充てている。
 これに対し当局者は、入札前に1カツド7個は撤去品を充てるよう契約内容を口頭で訂正したと説明しているが、これを証明する資料はなく、27年1月本庁資材局の装荷線輪購入価格は1カツド82,000円、2カツド90,000円である実情からみても、本件工事は19個の新規取付をすることができるだけの経費が見積られていたと認められるものである。

 (款)建設改良費(項)諸設備費

(1177)  日本国有鉄道広島鉄道管理局で昭和26年12月株式会社共立組に請け負わせた広島工場通路ほ装新設その2工事の代金として、広島地方経理事務所で1,170,000円を支払つたものがある。
 右工事は、主として通路1,229平米のコンクリートほ装を施行するもので、コンクリートほ装は契約図面によればコンクリート厚さ150ミリメートル、割栗石厚さ180ミリメートルを施行することとなつているのに、27年4月本院において通路断面2箇所について実測した結果によると、コンクリートの厚さは平均142ミリメートル、割栗石の厚さは平均110ミリメートル程度であつて、総額約15万円出来高不足と認められるのに、契約どおり完成したものとして検収したため請負代金の全額を支払つたものである。

(1178)  日本国有鉄道広島鉄道管理局で昭和27年1月株式会社藤田組に請け負わせた幡生工場砲金その他作業場災害復旧その2工事の代金として、広島地方経理事務所で3,666,394円を支払つたものがある。
 右工事のうち床面コンクリート669平米は、契約図面によればコンクリート厚さ150ミリメートルを施行することとなつているのに、同年4月及び8月本院において床面4箇所について実測した結果によると、コンクリートの厚さは平均125ミリメートル程度であつて、総額約10万円出来高不足と認められるのに、契約どおり完成したものとして検収したため請負代金の全額を支払つたものである。