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  • 昭和27年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第6 大蔵省|
  • 不当事項|
  • (一般会計)|
  • 物件

用途を指定して売り渡した国有財産に問し処置当を得ないもの


(79 )−(85 ) 用途を指定して売り渡した国有財産に関し処置当を得ないもの

 国有財産を、一定の産業を保護奨励しようとする場合または学校教育施設その他公共の用途に使用させるため競争契約によらないで随意契約によって特定の者に売り渡すときは、その用途ならびに用途に供すべき期日および期間を指定しなければならないこととなっているが、このようにして売り渡したものについてその後の状況を検査すると、売渡にあたり相手方の資産、信用および事業計画の確否等についての調査が十分でなく、また、その後の監査をも怠ったため買受人により転売されるなど指定用途に違反しているものがあるが、このような場合は、契約を解除することがある旨の契約条項にかんがみて適当の処置をすべきものと認め注意したが、昭和28年9月末現在一部について契約を解除したほかはまだその処置が執られていない。


庁名 区分 数量 所在地
(口座名)
売渡先 売渡年月
転売(転貸)年月
売渡価額
転売価額
転売
(転貸)先
指定用途
(79 ) 関東財務局 土地 97
東京都
(元公共物揚場)
石野某 年 月
25. 3
〃. 4

2,201,850
3,150,000

株式会社大同洋紙店

母子寮、託児所、医療施設等として10年間使用
(80 ) 土地
建物
工作物
立木
972
463
1
60
東京都
(元内閣統計局)
東京中央青果株式会社 26. 3
27. 7
4,792,037
9.500.000
千代田経済株式会社 農産物の加工工場、倉庫および同敷地として10年間使用
(81 ) 土地 1,146 東京都
(元航空科学研究所)
中央鋼材工業株式会社 26. 8
〃.10
1,139,083
3,625,000
ダイヤ物産株式会社 船舶、車両等機械部品の製造工場および倉庫敷地として10年間使用
(82 ) 関東財務局横浜財務部 土地
建物
工作物
2,863
1,452
1
神奈川県逗子町
元横須賀海軍工厰久木工員宿舎
学校法人聖和学院 26. 6
27. 4
(貸付け)
3,050,000
(権利金)254,250
(月額)54,300
藤川某ほか34名 学校教育施設として10年間使用

旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律(昭和23年法律第74号)(以下法という。)第2条を適用して時価評定額から4割を減額して売り渡したものであるが、そのうち建物約560坪(売渡価額相当額約100万円)を住宅用途に貸し付けているので本院で注意したところ、28年9月使用目的違背の部分について契約を解除した。
(83 ) 近畿財務局 建物
(鉄骨)
138 大阪市
元大阪陸軍造兵厰
増田機械工業株式会社 26. 5
〃.11
1,039,515
約1,200,000
小泉鋼業所 造船部品製造工場の復旧資材用として10年間使用
(84 ) 東海〃 土地
建物
工作物
立木
16,204
1,148
1
720
浜松市
元陸軍第二四練成飛行隊
財団法人明朗会 26. 1
28. 4
5,457,857
4,850,000
大部分の
転売額
葵紡織株式会社 食糧増産および粉食技術の研究普及用として10年間使用
(85 ) 四国〃 土地 5,262 丸亀市
元四国第一四九部隊
丸亀市 24.3
25.9から
26.11まで
1,111,631
1,760,323

中学校敷地として10年間使用
転売等の内訳 938

25. 9
26. 11
798,822 高松刑務所丸亀拘置所ほか1名
1,923

26. 5
(交換)
961,500 高松地方裁判所丸亀分室
568

27.11
(貸付け)
(月額)
3,408
四国電力株式会社
1,833

未利用

法第2条を適用して時価評定額から2割を減額して売り渡したものであるが、転売、交換、貸付けの条件違反があるほか残余の土地1,833坪は未利用となっており、商店および住宅敷地として転売予定のものである。

備考

(ア) 数量欄の単位は土地は坪、建物は延坪、工作物は個、立木は本とする。
(イ) 転売価格は当局者の調査報告額または本院で直接買受人について調査したものによる。