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  • 昭和29年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第2 総理府|
  • (防衛庁)

(一般会計)


(一般会計)

 昭和29年度における防衛庁関係の支出済歳出額は719億4千6百余万円で、234億7千9百余万円を翌年度に繰り越し、45億7千5百余万円を不用額としている。繰越額の多いのは、器材費関係で規格の調整に時日を要したこと、施設整備費関係で土地の選定とその入手が遅延したこと、また、船舶建造費関係で設計が遅れ29年度新造計画によるものはほとんど契約にいたらなかったことによるものである。
 検査の結果、不当と認めた事項およびその発生原因についてみると、工事の施行、物資の調達等を通じてひとしく認められることは、施設や器材の基本計画や所要経費の積算等基本的事項について十分検討を行わないまま取り急いで実施に移す傾向であり、各般の不経済事項はこのために発生したと認められるものがきわめて多い。これらの調達実施は多岐にわたり国費の支出も多額に上るものであるから、機構の適切な運用に努め、いたずらに予算の消化を急ぐことなく着実な予算の執行が望ましい。
 また、物資の保管状況について、現品が帳簿書類上の残高と一致しない事例が相当見受られ、とくに供与物品関係に著しいが、物資器材の保管整理について一層の留意を要する。