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  • 昭和29年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第4 法務省|
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拘禁留置者の費用償還にあたり処置当を得ないもの


(35) 拘禁留置者の費用償還にあたり処置当を得ないもの

(組織)刑務所 (項)矯正収容費

 東京拘置所ほか50箇所で、昭和29年度中に、代用監獄に拘禁留置した者の費用償還金として153,502,748円を支出しているが、東京拘置所ほか33箇所(注1) で支出した101,826,697円については、その算出に対する検討が不十分であったため1,540,460円が過渡となり、721,698円が支払不足となっている。
 右費用償還金は警察に留置されている被疑者等に対して勾留状が発せられた日から出所の前日までの分に対し日額77円から83円を交付されるものであるが、まだ勾留状が発せられていない日から起算してこれを請求したりまたは留置期間の算定が誤っているものなどがあるのに、これを十分検討することなく支出したため、本院において会計実地検査を行なった東京拘置所ほか11箇所(注2) で557,326円が過渡となっており、406,120円が支払不足となっていたほか、本院の注意により当局で調査したところによれば、広島拘置所ほか21箇所(注3) で983,134円の過渡および315,578円の支払不足があった状況で、その処置当を得ない。
 なお、右当局の行なった調査により、宮崎刑務所において法務事務官坂本某が費用償還金の正当支出額に付掛けして小切手を振り出させ、26年3月から29年8月までの間に正当支出額との差額2,373,208円を着服していた事実が判明した。

(注1)  東京、京都、広島各拘置所、横浜、静岡、長野、新潟、滋賀、和歌山、三重、岐阜、福井、金沢、富山、山口、岡山、鳥取、松江、長崎、佐世保、大分、宮崎、福島、山形、青森、旭川、帯広、網走、徳島、高知各刑務所、水戸、奈良、佐賀、盛岡各少年刑務所

(注2)  東京、京都両拘置所、横浜、静岡、長野、新潟、和歌山、三重、山口、大分、福島各刑務所、奈良少年刑務所

(注3)  広島拘置所、滋賀、岐阜、福井、金沢、富山、岡山、鳥取、松江、長崎、佐世保、宮崎、山形、青森、旭川、帯広、網走、徳島、高知各刑務所、水戸、佐賀、盛岡各少年刑務所