徴税に関し処置当を得ないもの

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（３６）−（５０）　徴税に関し処置当を得ないもの

(部)租税及印紙収入　(款)租税

国税収納金整理資金

　国税庁管下各税務署で、課税については、更正の期間をいたずらに経過したため徴収不能となったものがあり、また、徴収については、未納の国税に充当すべき過誤納金を還付したり、財産調査が不十分なため差押えの時期を失し滞納処分の執行停止をしたものなどがあり、そのおもなものをあげると次のとおりである。

（１）　更正の期間を経過したため徴収不能となったもの

（３６）　 京橋税務署で、大倉製糸株式会社（旧鶴寿製糸株式会社）の昭和２４年５月から２５年４月までの事業年度分法人税増差税額６１２，２２５円について、本院の注意に基き２８年１１月更正の決議をしながら、当時同会社の納税地が新潟県新発田市となっていたのにこれを新発田税務署に連絡しなかったため、３０年３月更正の期限を経過し、徴収不能となったものがある。
　右は、すみやかに徴収の処置をとらず放置したためであって当を得ない。

（２）　過誤納金等を未納の国税に充当徴収しなかったもの

（３７）−（４０）　過誤納となった国税、欠損繰もどしによる法人税還付金およびその還付加算金は、国税徴収法（明治３０年法律第２１号）第３１条ノ５または法人税法（昭和２２年法律第２８号）第２６条の４の規定により他の未納の国税に充当することとなっているのに、未納額の調査不十分等によりこれを充当徴収することなく還付したものが見受けられる。
　いま、本院会計実地検査の結果判明したおもなものをあげると、麹町ほか３税務署において左のとおり４件８１１，９３８円あって、３０年９月末現在なお収納にいたっていない。

（３）　滞納処分に関し処置当を得ないもの

（４１）−（５０）　納税者が督促状の指定期限までに税金を完納しないときは納税者の財産を差し押えることができるのであるが、各税務署の実情をみると、差し押えるべき財産があるのにすみやかに差押えをしなかったり、不動産の差押登記の嘱託にあたって記載事項が不備なため返れいされたのにそのまま放置したり、執行猶予を取り消して処分の進行をはかるべきであるのにこれをしなかったり、差し押えた動産を長期にわたって納税者に保管させたまま放置していたりしたため財産を納税者により処分され、しかも、納税者は無財産または所在不明となり、やむを得ず滞納処分の執行停止等の処理をしなければならなくなったものが多く見受けられる。
　いま、本院会計実地検査の結果判明したおもなものをあげると、芝ほか９税務署において左のとおり１０件３，７０６，９４７円ある。