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  • 昭和29年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第12 労働省|
  • (失業保険特別会計)|
  • 不当事項|
  • その他

保険給付の適正を欠いたもの


(2069)−(2077) 保険給付の適正を欠いたもの

 (款)雑収入 (項)雑収入
 (項)保険金

 失業保険事業において、近年失業保険金受給者の増加が著しく、昭和30年3月中における失業保険金受給実人員は約66万9000人に達しているが、これに伴い失業保険金の給付額も著しく増大しつつあるすう勢にかんがみ、保険給付の状況につき、全国660箇所の公共職業安定所等のうち、札幌公共職業安定所ほか92箇所で支給中および支給済のもののうち主として再就職したもの4,148名について実地に調査したところ、28年4月から30年9月までの間に給付された保険給付のうち適正を欠くと認められるものが北海道ほか18都府県(注) において左のとおり629事項11,037,120円になっている。

(ア) 受給する資格を喪失しているものに給付したもの 事項
514

7,470,550
(イ) 当初から受給する資格のないものに給付したもの 93 3,419,145
(ウ) 離職票に記載する賃金額を水増ししたものなどに給付したもの 22 147,425

 右のような事態を生じたのは、主として公共職業安定所等で、失業保険金の支給に際し被保険者が離職後保険金受給中再就職したため受給する資格を喪失したり、引続き他の事業所に就職したため当初から受給する資格がなかったり、または事業主が保険金算定の基礎となる賃金額を水増しして離職票に記載したものなどに対し、事実の調査が不十分なまま保険給付をしたことによるものと認められるが、今後においては、30年9月から施行された失業保険法(昭和22年法律第146号)第13条の2の規定による被保険者資格の取得、喪失の確認、同法施行規則(昭和24年労働省令第6号)第9条の9の規定による被保険者台帳の活用等の方法により、不正受給の早期発見に努めるなど保険給付の適正を期するよう十分の処置を講ずることが望ましい。
 前記保険給付の適正を欠いたもののうち、都道府県別にその額20万円以上のものをあげると左のとおり9件10,143,525円になっている。

(注)  北海道、宮城、山形、埼玉、千葉各県、東京都、神奈川、静岡、愛知各県、京都、大阪両府、兵庫、和歌山、広島、山口、福岡、長崎、宮崎、鹿児島各県

  都道府県名 公共職業安定所(出張所を含む。)

保険給付の適正を欠いたもの

人員 金額
(2069) 北海道 札幌ほか7箇所
39

449,205
(2070) 東京都 飯田橋ほか12箇所 91 1,507,610
(2071) 神奈川県 横浜ほか5箇所 110 3,169,160
(2072) 愛知県 名古屋中ほか11箇所 35 757,080
(2073) 京都府 京都西陣ほか2箇所 21 346,800
(2074) 大阪府 大阪城東ほか5箇所 83 2,339,360
(2075) 広島県 広島ほか4箇所 48 478,095
(2076) 山口県 山口ほか5箇所 26 290,400
(2077) 福岡県 福岡ほか6箇所 88 805,815
 

  541 10,143,525