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  • 昭和29年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各団体別の不当事項|
  • 第2 日本国有鉄道|
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  • 役務

石炭荷役料の改訂にあたり機械使用の効果を考慮しないで高価な契約をしたもの


(2218) 石炭荷役料の改訂にあたり機械使用の効果を考慮しないで高価な契約をしたもの

 日本国有鉄道資材局で、昭和29年11月および30年5月、公開競争により日本海陸運輸株式会社と契約を締結し、日本国有鉄道所有の荷役機械を使用させて29年10月から30年9月までの間に有川港ほか6箇所において日本国有鉄道事業用炭合計776,657トンの貨車積を行わせ、その荷役料金として総額59,391,866円を支払っているが、従来無償で使用させていた荷役機械について新たに使用料5,734,406円を徴収することを理由に、機械使用の場合に行なっていた通運事業法(昭和24年法律第241号)による公示料金の割引をとりやめたため約1600万円高価な荷役料金を支払う結果となっているものがある。
 右は、29年上期までは日本国有鉄道所有の機械を無償で使用させ、荷役料金については機械使用が作業に及ぼす効果を考慮して公示料金の1割5分から5割程度割引した料金を実施料金としていたものであるが、29年下期以降は荷役機械については日本国有鉄道営業局の定める使用料を徴収することとし、荷役料については従来行なった機械使用の場合の料金の割引をとりやめ公示料金をそのまま適用することに改めたものであるが、従来の計算による荷役料金37,585,747円に機械使用料5,734,406円を加算した43,320,153円に比べ、前記の本件荷役料金はかえって16,071,713円を増大する結果となったものである。
 しかし、29年度下期以降における荷役作業は従前と同一機械により同一条件のもとに行うものであるから、機械使用料を徴収することに契約を改めるとしても、少なくもこの使用料と荷役料金の差引額が、機械使用の効果を考慮した従前の割引料金により支払う場合に比べ不経済とならないような処置をとるべきであったと認められる。