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  • 昭和30年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第7 農林省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 工事

直轄工事費の積算が過大となっているもの


(928)−(931) 直轄工事費の積算が過大となっているもの

 (組織)農林本省 (項)土地改良事業費 ほか1科目

 仙台ほか2農地事務局で施行した農業水利および干拓事業のうち、工事費の積算にあたり採石山の表土はぎ取りに要する経費、機械の修理費、しゅんせつの送砂距離等を過大に見積ったものが左のとおり4件8,996,955円ある。

庁名 工事 請負人 着工年月
完成年月
工事費 設計過大額

(928)
仙台農地事務局
豊沢川農業水利事業原石山表土剥取

鹿島建設株式会社
年月
30,11
31, 3

14,012,500

953,431
採石山の表土28,794立米をはぎ取り捨土するもので、うち上層部の土砂11,671立米は水圧で排除したものを河床においてブルドーザーで整地し、下層部の土砂9,039立米は人力で、最下層部の風化岩8,083立米は火薬で掘さくし、いずれもパワーショベル、ダンプトラック等で約150メートル運搬捨土したこととしているが、右採石山は2割程度の急傾斜で、水圧により排除した土砂のうち半量程度の5,835立米はそのまま豊沢川に流入したため整地を要せず、また、人力掘さくしたこととしている土砂のうち3,600立米は水圧で排除することができ、風化岩のうち1,600立米は掘さくを要しなかったなどのため約95万円が高価に当っている。
(929) 金沢農地事務局 邑知潟干拓建設事業鹿島路締切堤塘 第一土木工業株式会社 29,10
31, 3
30,787,000 820,647
うち29年度分
15,250,000
堤とう延長570メートルの盛土36,950立米は全土量のつき固めを施行するものとしてつき固め経費2,156,032円を積算しているが、現地は常時たん水している低地で地盤も軟弱なため、うち20,089立米のつき固めは不可能であり、現に、請負人も運搬した山土を投入しただけであるから、右土量のつき固めを積算する要はなかったもので約82万円が高価に当っている。
(930) 岡山〃 芦田川農業水利事業堰堤コンクリート 鹿島建設株式会社 30,12
31,3
28,663,918 4,122,363
コンクリート10,543立米の打設および骨材21,673トンの採取に使用するバッチャープラント、クラッシングプラント等はいずれも請負人に無償貸与し、その修理費は定期整備を含めコンクリートの練混ぜ、運搬等に立米当り160円、骨材採取にトン当り110円から247円を見込み5,889,090円を積算しているが、右機械類の定期整備はすべて同局で施行することになっているものであるから、工事中の修理費としては他の重機械類と同様定期整備費を除いた1,766,727円を見込めば足り、現に、請負人が要した修理費は1、403,227円にすぎない状況で、約412万円が高価に当っている。
(931) 児島湾干拓建設事業埋立および貯水池堤塘 佐伯建設工業株式会社 30,12
31, 3
22,354,000 3,100,514
埋立268,670立米は500馬力のしゅんせつ船を無償貸与し立米当り57円34総額15,405,537円と積算しているが、右単価は、当初288,600立米を埋め立てることとし、うち44,400立米は2,502メートルを2段送砂し、244,200立米は120メートルを1段送砂する場合の平均であって、本件工事はその後の設計変更により2段送砂の分を取りやめ、268,670立米をすべて120メートル1段送砂することとしたものであるから、設計変更にあたっては当然1段送砂の単価で算出すべきであり、これにより計算すれば本件工事費は立米当り47円14額12,665,130円で足り、約310万円が高価に当っている。
95,817,418 8,996,955
うち29年度分
15,250,000