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  • 昭和30年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第9 運輸省

(一般会計)


(一般会計)

 昭和30年度歳出決算総額は271億8千7百余万円となっているが、31年中に実施した検査においては、港湾工事の経理および施行の適否に重点を置き港湾建設局および管下各工事事務所等における直轄工事ならびに地方公共団体が施行する改修および災害復旧工事についてこれを施行した。

(公共事業に対する国庫補助の経理について)

 地方公共団体が施行した港湾工事に対する検査の結果、不当事項として指摘したものは、国庫補助を除外すべき額1工事10万円以上のものが12工事518万余円であって、前年度に比べさらに減少しており、改善の跡が見受けられた。
 また、工事完成前に査定の内容を検査し是正を促すため30年発生災害について早期に検査を行なったところ、同様改善の跡が見受けられたが、なお、運輸省において本院の注意により工事費において558万余円を減額是正することとなった。

(昭和28、29両年度の検査報告掲記事項事の後処理状況について)

 昭和29年度決算検査報告で指摘した不当工事のうち、国庫補助を除外すべき額1工事20万円以上のものは29件であるが、このうち当局において国庫補助を返還または減額することとしたものは9件、この処理に代えて手直しまたは補強することとしたものは18件、一部を返還または減額し、一部を手直しまたは補強することとしたものは2件である。
 右のうち、国庫補助を返還または減額することとしたもの11件については31年9月末現在10件が処理済となっている。また、昭和28年度決算検査報告に掲記したもののうち国庫補助を返還または減額することとしたもので30年9月末現在処理未済となっていた12件については、31年9月末現在にいたってもまだ処理未済となっているものが3件ある。
 また、手直しまたは補強することとしたもののうち、石川県ほか13府県内の昭和29年度決算検査報告掲記の分17箇所、昭和28年度決算検査報告掲記の分48箇所につきその施行状況を31年2月から8月までの間に現地について検査したところ、29年度分については工事が完成していたものは15箇所であり、工事中のものおよび未着工のものはそれぞれ1箇所であった。また、28年度分については全部工事が完成していた。
 しかして、右検査当時工事中または未着工となっていた2箇所は31年9月末現在工事を完成した旨の報告があった。