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  • 昭和31年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第6 農林省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 物件

直轄工事の施行にあたり現地に適合しない機械を導入し不経済となっているもの


(351) 直轄工事の施行にあたり現地に適合しない機械を導入し不経済となっているもの

(組織)農林本省 (項)篠津地域泥炭地開発事業費

 北海道開発局で、農林省の指示により、昭和31年4月、篠津地域開発事業に使用するためクローラーダンプトラクター等12台を農地開発機械公団に82,570,523円で輸入させ、これを同局札幌開発建設部が貸借しその料金として31年度に6,018,792円を支出しているが、機械が現地に適しなかったなどのためいずれも使用することができず不経済となっている。

 右機械は、同開発建設部で、農地開発機械公団に工事施行中は賃借料を支払い、事業終了の際または不要となった場合は同公団から買い取る条件のもとに借り入れたものであるが、うちクローラーダンプトラクター4台は、製作地の英国においてもまだ試作の域を脱しない程度のもので、本地域のようなでい炭地に適合するかどうかについては全く不明であったにもかかわらず、これを検討することなく購入させたため、結局、機械が現地に適せず、試験中にいずれもキャタピラーのシャフトが折損して使用不能となり、32年8月本院会計実地検査当時なおこれが改造を行なっていたものであり、また、シャトダンパー6台およびパワーショベル、ロッカーショベル各1台は、右クローラーダンプトラクターと組み合わせ使用することとしていたためすべて使用することができない状態となり、不経済な結果となっている。

 なお、右のほか本地域に使用するため、31年4月、同公団にでい炭破砕用のロータベーター1台を502,243円をもって輸入させ、前記開発建設部で借り入れているが、本地域においてはブルドーザーだけで施行することができるため未使用のまま使用計画もなく現地に放置されている状況である。