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  • 昭和32年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
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過大な土地借料を支出しているもの


(5) 過大な土地借料を支出しているもの

(組織)調達庁 (項)防衛支出金

 横浜調達局で、昭和22年5月から提供している東富士演習場のうち高根財産区等16名所有の土地183,385坪の32年度分借料として33年3月837,432円を所有者に支払っているが、右土地のうち一部は東京電力株式会社所有のもので同会社が鉄塔敷地として使用しており、また、残部は所有者との間の契約に基き同会社および電源開発株式会社が送電線架設のため使用していることを考慮すれば、約68万円減額することができたものと認められる。

 右借料は、駐留軍の用に供する土地等の損失補償等要綱(昭和27年7月閣議了解)により、前記東京電力株式会社所有のもので同会社が鉄塔敷地として使用しているものについては原野の坪当り借料年0円84、その他のものについては山林経営の収益を補償する方式によって算出した坪当り借料年4円572をもって計算したうえ前記のとおり支払ったものである。本件について33年7月本院会計実地検査の際調査したところ、右183,385坪は、東京電力、電源開発両株式会社が送電線架設のためうち2,577坪を鉄塔敷地として利用し、残余の180,808坪を線下地として制限し、東京電力株式会社所有の200坪を除き、それぞれ賃借料または使用料を所有者に支払っている。しかして、本演習場の総借上面積については、31年度は民公有の面積を12,595,520坪としていたものを、32年度からは土地所有者からの要請による実測面積14,389,814坪(大正5年ごろ静岡県吏員の測量による。)をそのまま採用して契約を改訂したいきさつもあるのであるから、その際同調達局においても現地を調査したうえ、演習場として使用することができない前記鉄塔敷地は借上げから除外し、また、電気工作物規程(昭和29年通商産業省令第13号)第106条の規定により、山林経営をすることができない状態にある前記線下地については同地帯の原野の借料坪当り年0円84として契約するのが妥当な処置であったと認められる。いま、仮にこれによって算出すれば年間151,896円で足り約68万円は減額することができた計算である。