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  • 昭和32年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項

大蔵省


第3 大蔵省

(一般会計)

(租税について)

 昭和32年度における国税収納金整理資金への受入金の徴収決定済額は1兆996億5千3百余万円、収納済額は1兆671億4千8百余万円であって、その収納割合97%は前年度とほぼ同率であり、収納済額は前年度に比べて1056億4千6百余万円増加している。収納未済額は256億8千7百余万円で、前年度に比べて41億8千6百余万円の増加となっているが、既往年度分を加えた収納未済額は650億3千4百余万円で、前年度に比べて45億1千2百余万円の減少となっており、不納欠損額は68億1千7百余万円で、前年度に比べて10億4千6百余万円減少している。なお、本資金から32年度一般会計歳入へ組み入れた額は1兆208億5千3百余万円、32年度交付税及び譲与税配付金特別会計歳入へ組み入れた額は294億2千1百余万円である。

 本年度の国税収納金整理資金に対する検査は、主として所得税および法人税の賦課ならびに徴収上の処置等に重点を置いて実施したものであるが、課税資料の収集活用が不十分なため課税漏れを生じたり、不注意により法規の適用を誤って徴収過不足を生じていたものが依然として見受けられ、徴税事務の一層適確な処理が望まれるところである。

(国有財産の管理および処分について)

 全国10財務局の昭和32年度における国有財産の処分収入および利用収入の徴収決定済額は101億4千7百余万円で、これに対する収納済歳入額は94億2千8百余万円、不納欠損額は2百余万円、収納未済歳入額は7億1千5百余万円であり、収納未済歳入額は徴収決定済額の7%余に当り、前年度の3%余に比べて高率となっており、既往年度分の収納未済歳入額6億7千3百余万円を加えると収納未済歳入額は13億8千9百余万円に達する状況で、そのおもなものは国有財産売払収入5億6千1百余万円、国有財産貸付収入5億2千余万円、共有船舶利用収入1億6千4百余万円である。

 普通財産の管理については、基本となるべき財産の現況は握のため実態調査を32年5月以降おおむね3箇年の計画で逐次実施しその整理促進をはかり改善の跡が認められるが、まだ貸付等正規の手続をとらないで長期間使用料未徴収のまま旧軍用財産等を使用させているもの、または長期にわたり使用されているものなどがあり財産の管理については一段の努力が望ましい。

 普通財産を従来から継続して貸付しているものの使用料の徴収処置については、従来から著しく遅延がちであり、本院においてもしばしばその改善方を要望してきたところであるが、まだ年度末にいたって1箇年分を徴収決定するものが多く、また、年度内に徴収決定していないものも相当見受けられ、関東ほか6財務局の会計実地検査の結果によると、32年度分使用料1件50万円以上のもの297件8億7千1百余万円のうち1箇年分を33年3月に徴収決定したものは101件4億9千1百余万円で件数において34%余、金額において56%余に当り、徴収決定が著しく遅延しているばかりでなく年度内に徴収決定をしていないものが79件1億7千5百余万円で件数において26%余、金額において20%余に及んでいる状況である。