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  • 昭和32年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第6 農林省|
  • (食糧管理特別会計)|
  • 不当事項|
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前年中に不経済な小出横持を実施したため32年度の運送単価が高価となっているもの


(403) 前年中に不経済な小出横持を実施したため32年度の運送単価が高価となっているもの

(項)食糧管理費

 食糧庁で、昭和32年度中、随意契約により日本通運株式会社に内地米37,818,398俵の運送を請け負わせ、県間運送発地諸掛として一俵当り33円13総額1,252,923,526円(うち33年度分35,330,956円)を支出しているが、新潟食糧事務所における31年中の内地米の運送が適切でなく小出横持賃を多額に要することとなったためこれを基礎として定められた32年度の前記発地諸掛のプール運送賃単価が高価となり、約1,550万円が不経済となっている。

 本件県間運送発地諸掛単価は前年中に実施した食糧の入出庫、貨車積おろし、集配、小出横持等の運送形態、運送数量割合、32年度の通運事業料金等を基礎として算定する取扱となっているもので、本件支払額もこれにより一俵当り33円13と決定したものであるが、このうちに積算されている小出横持賃は倉庫からトラックまたは貨車までの間を、人肩、そり等で運搬するに要する経費で一俵当り2円451と算定している。しかして、その大部分を占める新潟食糧事務所について実地に調査したところ、31年中に小出横持した内地米570,377俵のうち80,055俵については、夏期に運送することは空車回送が困難であるとして、積雪期に長距離をそりで運送したため小出横持賃を著しく多額に要している。しかし、同食糧事務所管内には、ほかに積雪期の搬出に有利な倉庫が多数あって、これら倉庫には同期間中に振り替えて県外に搬出することのできるものが約30万俵在庫していたものであり、また、前記80,055俵を夏期に運送するとしても空車回送を要する駅について1駅1箇月1車または2車程度の増加にすぎないものであり、この程度の空車回送が困難であったものとは認められないから同期間中は本件の運送に代えてこれら倉庫から搬出すべきであったと認められる。
 いま、仮に前記80,055俵を夏期に振り替えて運送したとすれば本件単価に積算される小出横持賃は一俵当り1円988となり、これによって本件発地諸掛を計算すれば一俵当り32円72総額1,237,417,983円となり、これに比べて本件は約1550万円不経済となっている。