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  • 昭和33年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項|
  • 第1 総理府|
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  • 役務

車両整備の実施にあたり処置当を得ないもの


(6) 車両整備の実施にあたり処置当を得ないもの

 (組織)防衛庁 (項)防衛庁

 航空自衛隊第一補給処で、昭和33年8月、指名競争入札後の随意契約により朝日自動車株式会社にトラック2 トン6×6カーゴ(いずゞ)12両の第4段階整備を請け負わせ、12月その代金8,113,600円を、また、航空幕僚監部で、同年4月から34年4月までの間に、本件車両の第一補給処までの後送と整備完了後各補給先への配送のための輸送費として日本国有鉄道等に1,230,490円(うち32年度分605、160円)をそれぞれ支払っているが、この種整備作業は陸上自衛隊に委託し、車両を受領した関西地区でこれを実施させるのが有利であったのに、後送のうえ整備を請け負わせたため約122万円が不経済となっている。

 右は、航空自衛隊が伊丹市所在の陸上自衛隊第三武器隊から33年2月受領した18両のうち12両が要整備品であったので、これを木更津市所在の第一補給処に後送し、陸上自衛隊の第5段階整備に準じた第4段階整備を実施することとして、予定価格を8,125,038円と積算し、8,113,600円で東京都所在の前記会社に請け負わせたものである。

 しかしながら、車両の高段階整備は航空自衛隊保有分についても従来から陸上自衛隊が整備支援をする建前となっており、しかも、本件車両は第3段階整備程度までは一応終了したとしているが、さらに高段階整備を実施する必要がある状態にあり、関西地区においてのこの整備は従来から宇治市所在の陸上自衛隊関西地区補給処が担当していて西宮市所在の指定専門工場があり、同工場は経験も豊富で効率的整備効果をあげており、当時本件車両の整備の余裕があったものであるからこれに整備を実施させるのが有利であって、あえて高段階整備設備のないところへ後送して整備させる要はなかったものである。

 しかして、本件整備費の予定価格において部品費5,184,762円のうち自衛隊車両特有のおもな部品についてみると、そのうちトルクロッド55本単価8,080円80価額444,444円は、航空自衛隊の保有車両数が少なく部品の手持がないところから全数を組部品交換としているが、本部品は主としてエンド部分が衰損するものであって、陸上自衛隊の整備方法によると衰損部を再生整備することとしており、これによると111,650円程度で足り、また、ウインチケーブルの組部品12組単価26,040円価額312,480円はとくに高価な純正部品を指定して交換させているが、本部品についても陸上自衛隊ではただ優良品を使用することに車両の第5段階整備実施要領に定められており、これによる交換を行なえば153,960円程度で足り、いま、仮に前記関西地区補給処に第5段階整備を実施させたとすれば、部品費は少なくとも470,000円程度を節減することができたものと認められ、さらに、陸上自衛隊から管理換を受けた車両を第一補給処に後送し整備のうえ各地に配送した輸送費1,230,490円と車両を現地指定専門工場で整備した後直接各地に配送した場合の輸送費470,981円との差額約75万円を節減することができたもので、合計約122万円が不経済となっている。