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  • 昭和33年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項|
  • 第10 労働省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項

失業対策国庫補助事業の計画が当を得ないもの


(325)−(328) 失業対策国庫補助事業の計画が当を得ないもの

 (組織)労働本省 (項)失業対策事業費補助

 地方公共団体が国庫補助金の交付を受けて実施する失業対策事業は、道路整備、河川整備、土地整備等10事業種目あり、その事業計画を樹立するにあたっては事業効果をも考慮して国庫補助金の効率的な使用をはかるべきであるが、本院において、昭和34年中に事業実施の適否について実地に調査したところ、安易な設計で工事を施行したり、他に有効な失業対策事業があるのに事業効果を期待することができない事業を採択したりしていて計画が当を得なかったため事業費が不経済な結果となっているものが千葉ほか3県において次表のとおり4件14,501,509円(国庫補助金8,990,652円)ある。
 なお、失業対策事業における作業能率については、本院において31年度以降注意してきたところであり、また、労働省においてもこれが改善についての諸施策を講じているが、実地検査の結果によると、作業歩掛りが一般公共事業のそれに比較して3倍以上となっているものが福岡市ほか9事業主体で見受けられ、はなはだしいものは15倍にも上っている。

県名 工事 事業主体 年度 事業費 同上に対する国庫補助金相当額

(325)

千葉県

船形港丸山線道路改良

館山市

32

905,773

468,909
道路延長300メートルの改良にあたり、路側石垣延長282メートル513平米を施行したが、工事施行箇所は満潮時の海岸線から距離10メートル程度の砂浜地で、道路の法尻も満潮位(+)1.5メートル程度の容易に波浪の影響を受ける位置にあるのに施行の効果を十分考慮することなく、石垣は控20センチメートルの野づら石を使用したから積で根入れ25センチメートル程度とし、基礎工を行なわない設計で施行したため、33年9月災害により延長169メートルにわたって基礎を洗掘され、3箇所延長42メートル67平米が崩壊し路面も流失している状況である。
(326) 石川県 犀川河床整備 石川県 32、33 10,096,639 6,310,112
河床廷長200メートルを32年度に7,450立米掘さくしたところ出水により埋没したので33年度に重ねて同一箇所を8,900立米掘さくしたが、施行箇所はその上、下流にわたってぐり石、砂利等がたい積していて単に本件箇所を掘さくしてもその事業効果を期待することができない地域であると認められるのに、これらの事情を考慮することなく施行したため現地は再度流水によって埋没している状況である。
(327) 奈良県 吉野山黒滝線道路改良 吉野郡吉野町 32 1,951,236 1,205,840
道路延長170メートルの改良にあたり、工事施行箇所の地質が風化しやすい緑泥片岩であるばかりでなく、切取部分は法こう配三分で法長6メートルに及ぶ部分もあるのに土留擁壁を設けるなど法面保護の工法を考慮することなく施行したため34年2月延長150メートルにわたって崩壊していて全く使用することができない状況である。
(328) 和歌山県 川辺町農道改良 和歌山県 33 1,547,861 1,005,791
農道廷長212メートルの改良にあたり、路側石垣延長212メートル450平米を施行したが、法こう配五分で法長3メートルから5メートルに及ぶ箇所についても施行の効果を十分に考慮することなく控25センチメートルの野づら石を使用したから積で施行することとし、しかも、実施にあたっては規格外の不ぞろいなものを使用して施行したため完成直後2箇所延長21メートル62平米が崩壊している状況である。
14,501,509 8,990,652