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  • 昭和33年度|
  • 第3章 政府関係機関の会計|
  • 第2節 各政府関係機関別の事項|
  • 第3 日本電信電話公社|
  • 不当事項|
  • 物件

撤去品の利用についての考慮が十分でなかったため不経済となっているもの


(353) 撤去品の利用についての考慮が十分でなかったため不経済となっているもの

 日本電信電話公社東京ほか5電気通信局(注) で、昭和33年度中に20回線101号A避雷器弾器ほか3点の弾器類5,176個を撤去しているが、うち1,296個はそのまままたは軽微な修理で再使用することができると認められるのにこれを利用しないで売り渡したため約700万円が不経済となっている。
 右は、自動改式工事または回線収容増工事のため撤去したもので、このうち716個は再使用したが、他は使用計画がないこと、バネのわん曲、端子の折損等があることなどを理由として、これを一括3級整理品に認定のうえくず金物として売り渡したものである。他方、33年度中に株式会社川口電機製作所ほか2会社から同一品種の弾器類9,378個(101号A4,485個、111号A399個、1168号1,403個、101号B3,091個)を1個当り3,853円から7,766円価額43,369,032円で購入し既設の共電式および磁石式電話局の端子増設等に充てているが、右撤去品のうち1,296個(101号A384個、111号A173個、1168号659個、101号B80個)は材質が良くなり性能も安定した26年から32年までの間に新設されたものであり、耐用年数はいずれも30年であるのに対し2年から8年程度を経過しているにすぎず、しかも、撤去直前まで使用されていたことなどから勘案してその大部分はそのまま再使用することができたと認められ、また、一部バネがわん曲しているものなどについては容易に、かつ、経済的に修理することができると認められるから、関連部門間の連絡を密にするとともに撤去作業が粗漏にならぬよう監督し、また、修理を要するものについてはその方途を講ずるなどして撤去品の利用をはかる要があったものと認められるのにその配慮が十分でなくくず金物として売り渡したのは処置当を得ない。
 いま、仮に本件撤去品を利用したとすればこれに相当する新品弾器類の購入の要はなく、くず金物として1個当り30円から378円で売り渡した代金約24万円等を考慮しても約700万円は節減することができたものである。

 (注)  東京、関東、東海、中国、九州、北海道各電気通信局