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  • 昭和35年度|
  • 第2章 国の会計|
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航空機部品ハイドロポンプの修理請負契約にあたり処置当を得ないもの


(8) 航空機部品ハイドロポンプの修理請負契約にあたり処置当を得ないもの

 (一般会計) (組織)防衛本庁 (項)防衛本庁

 航空自衛隊第2補給処で、昭和35年3月、随意契約により萱場工業株式会社に航空機部品ハイドロポンプ81個の修理を請け負わせ、36年4月その代金13,018,121円を支払っているが、修理に使用することができる交換用部品の在庫があり、これを支給したとしても低価に補充することができるのに受注者負担としたため、交換用部品の価格が高価となり約370万円が不経済となっている。

 本件修理は、初度検査後の修理であって、交換を必要とした部品のうち、シャフト・ピストンズ・アンド・シリンダー・ブロック・サブアッシイ(以下「シャフト・アンド・シリンダー」という。)についてみると、当初これを官給することとし、35年6月、航空幕僚監部から調達実施本部に調達要求したが、その入手が本件修理に間に合わないので同年11月同補給処は受注者負担とすることを前記会社に指示し、同会社はこれを日本エヤークラフト・サプライ株式会社から購入して36年3月修理を完成、納入したものである。

 しかして、萱場工業株式会社は前記交換部品シャフト・アンド・シリンダー68個を単価106,109円で購入し、これに一般管理費、利益を加えて1個当り125,208円総額8,514,144円としているが、同補給処には35年6月、別途米国から有償譲渡により同品178個(米国軍価格1個当り91.5ドル)がすでに入荷し、9月、うち148個を同会社に交付して保管させていたものがあり、また、同補給処が受注者負担を指示した当時はハイドロポンプのその後の修理契約予定数について明確な見込みもなかったものであり、一方、本件ハイドロポンプの製造会社である米国ビッカース社の日本国内販売権をもつ株式会社東京計器製造所から調達実施本部に提出した見積りによれば当時すでに同品は1個約7万円で購入することができることが判明していたのであるから本件修理に要する68個はこれを前記在庫品から充当することとし、その補充については、米国からの有償譲渡による取得に難があるとしても株式会社東京計器製造所から購入すればなんら支障はなかったものである。現に、別途契約により、36年3月、米国からの有償譲渡で86個および株式会社東京計器製造所から当初本件修理用に予定していた81個(1個当り69,903円)が同補給処に納入されており、36年8月現在、追加交付したものを含め313個を萱場工業株式会社に保管させている状況である。
 いま、仮に同補給処が萱場工業株式会社に保管させていたシャフト・アンド・シリンダーから68個を本件修理の交換部品に使用し、これと同数を別途株式会社東京計器製造所から購入のうえ補充したとすれば、本件修理価額は約370万円を節減することができたものである。