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  • 昭和35年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項|
  • 第11 建設省|
  • 不当事項|
  • 補助金

公共事業に対する国庫負担金等の経理当を得ないもの


(276)−(323) 公共事業に対する国庫負担金等の経理当を得ないもの

(一般会計)(組織)建設本省
(項)河川等災害関連事業費 (項)河川等災害復旧事業費 (項)昭和35年発生河川等災害復旧事業費

(道路整備特別会計)
(項)道路事業費 (項)街路事業費 (項)北海道街路事業費 (項)離島道路事業費 (項)臨時就労対策事業費 (項)特別失業対策事業費

(治水特別会計) (治水勘定) (項)河川事業費 (項)砂防事業費

 地方公共団体が施行した公共土木施設の建設、改良および災害復旧等の工事に対する国庫負担金または国庫補助金(以下「国庫負担金」という。)は、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法等の根拠法規に基づいて交付されるものである。昭和36年中、その経理および工事施行の状況について全国の工事現場59,140箇所のうち北海道ほか34都府県につきその15.0%に相当する8,917箇所(事業費56,699,717,958円、国庫負担金37,297,541,072円)を実地に検査したが、これを会計別にみると、一般会計においては災害復旧事業を主として4,874箇所、道路整備特別会計においては道路の改良事業等3,135箇所、また、35年度からあらたに設置された治水特別会計においては中小河川の改良、砂防事業を主として908箇所となっている。検査の結果は工事の施行が不良なため工事の効果を著しく減殺しているものまたは設計に対して工事の出来高が不足しているものなどがあり、国庫負担金を除外すべきことの判明したもので除外すべき額1工事10万円以上のものが北海道ほか22都県において70工事23,049,326円(うち一般会計分42工事12,645,660円、道路整備特別会計分18工事5,826,220円、治水特別会計分10工事4,577,446円)あり、このうち国庫負担金を除外すべき額1工事20万円以上のものをあげると次表のとおり48件19,925,555円である。
 しかして、この種不当な事例が多数に上っているのは主として工事の施行にあたりその監督および検収が十分でなかったことによるものと認められるが、その防止のためには工程の全般をは握し少なくとも主要な工程については適期に中間検査を励行したり、必要に応じ工事用材料の検収を一層厳にしたりするなど適時に適切な処置をとる配慮が肝要と認められる。

都道県名
工事 事業主体 工事費 左に対する国庫負担(補助)金 左のうち35年度までの交付済額 国庫負担(補助)工事費から除外すべき額 左に対する国庫負担(補助)金相当額
うち36年度以降交付予定額中減額を要する額
(一般会計の分)
(276) 北海道

 利尻郡東利尻町元リヤウシナイ川34年災害復旧

東利尻町

3,100,000

2,545,100

2,545,100

313,000

256,973
護岸延長99メートルの復旧にあたり、床固石張り632平米を施行したこととしているが、面積計算に誤りがあり、実際は441平米で足り、工事費313,000円相当額が積算過大となっている。
(277) 青森県
 三戸郡三戸町猿辺川33年災害復旧 青森県 2,800,731 1,868,087 1,868,087 517,000 344,839
護岸延長249メートルの復旧にあたり、右岸167メートルのうち47メートルの練積石垣169平米は控35センチメートルの雑割石を使用し、胴込コンクリート平米当り0.18立米総量30立米を施行したこととしているが、実際は築石の約半量程度は控25センチメートルから30センチメートル程度のものを使用し、胴込コンクリートは平米当り平均0.11立米程度で総量19立米を施行したにすぎないばかりでなく、コンクリートは冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったため凍結し、築石は容易に抜き取られる状況である。
(278)
 三戸郡新郷村三川目川34年災害復旧 青森県 1,618,587 1,165,382 1,165,382 880,000 633,600
護岸延長156メートルの復旧にあたり、左岸78メートルの練積石垣247平米は控35センチメートルの雑割石を使用し、平米当り胴込コンクリート0.18立米総量44立米、裏込ぐり石0.4立米総量98立米を施行したこととしているが、実際は築石の約半量程度は控25センチメートルから30センチメートル程度のものを使用し、平米当り胴込コンクリートは0.11立米程度で総量27立米、裏込ぐり石は0.32立米程度で総量79立米を施行したにすぎないばかりでなく、胴込コンクリートは冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったため凍結し、築石は容易に抜き取られる状況である。
(279) 青森県
 中津軽郡相馬村相馬川35年災害復旧 青森県 1,401,003 934,469 934,469 407,000 271,469
護岸延長89メートルの復旧にあたり、練積石垣394平米は胴込コンクリート平米当り0.17立米総量66立米を施行したものであるが、うち186平米の胴込コンクリート31立米は冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったため凍結し、練積石垣としての強度がなく、すでにその一部にはらみを生じている状況である。
(280)
 南津軽郡碇ケ関村碇沢川35年災害復旧 碇ケ関村 1,085,000 1,069,810 1,069,810 235,000 231,710
護岸延長145メートルの復旧にあたり、練積石垣536平米は法長3.7メートルで裏込コンクリート平米当り0.1立米総量53立米を施行したこととしているが、実際は下部2.9メートル420平米の裏込コンクリート42立米は全く施行しておらず、工事費235,000円相当額が出来高不足となっている。
6,905,321 5,037,748 5,037,748 2,039,000 1,481,618
(281) 岩手県
 花巻市豊沢川災害関連 岩手県 1,196,181 691,818 691,818 423,000 244,642
護岸延長102メートルの復旧にあたり、根固十字ブロック54個75立米は、配合比1:3:6のコンクリートで施行したものであるが、うち42個58立米は冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったため凍結し、強度が著しく低下しており、容易に破砕される状況である。
(282)
 陸前高田市2級国道八戸仙台線35年災害復旧 岩手県 6,690,000 4,589,340 4,574,179 356,000 244,216
(15,161)
道路延長503メートルの復旧にあたり、コンクリート法覆722平米86立米は配合比1:3:6で施行したものであるが、骨材として不適当な砂を使用したばかりでなく養生が不十分であったためコンクリートとしての強度が低下し容易に破砕される状況である。
(283) 岩手県
 二戸郡安代町安比川34年災害復旧 岩手県 1,053,056 702,388 702,388 350,000 233,450
護岸延長77メートルの復旧にあたり、練石張り524平米は平米当り胴込コンクリート0.08立米総量41立米、裏込コンクリート0.1立米総量52立米を施行したものであるが、うち41メートルの間317平米の胴込コンクリートおよび裏込コンクリートは冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分なため凍結し、築石が容易に抜き取られる状況である。
(284)
 東磐井郡川崎村北上川34年災害復旧 岩手県 5,033,100 3,357,077 3,357,077 441,000 294,147
護岸延長150メートルの復旧にあたり、粗だ沈床1,620平米は10平米当り重石3立米総量486立米、目潰しの切込砂利2立米総量324立米を施行したこととしているが、実際は重石は10平米当り1.26立米程度で総量204立米を施行したにすぎず、目潰砂利は全く施行していないため工事費441,000円相当額が出来高不足となっている。
13,972,337 9,340,623 9,325,462 1,570,000 1,016,455
(15,161)
(285) 宮城県
 黒川郡大和町西川災害関連 宮城県 10,174,570 6,124,751 6,124,751 345,000 207,675
護岸延長1,111メートルの復旧にあたり、ぐり石粗だ工2,616平米に使用する切込砂利は平米当り0.15立米総量392立米を施行したこととしているが、実際は全く施行しておらず、工事費345,000円相当額が出来高不足となっている。
(286) 山形県
 鶴岡市大山川災害助成 山形県 13,614,638 8,467,977 8,467,977 827,000 514,390
護岸延長872メートルの復旧にあたり、I型ブロック張り2,304平米を施行したものであるが、うち右岸2箇所延長72メートル432平米および左岸2箇所延長56メートル336平米計128メートル768平米は施行中の出水により築堤の法面が泥土の状態となったのにこれを乾燥補強することなく施行したなどのため裏込切込砂利は築堤土中に埋没し、護岸の法面が陥没している状況である。
(287) 山形県
 西置賜郡小国町荒川32年災害復旧 山形県 3,620,000 2,414,540 2,414,540 345,000 230,115
護岸延長180メートルの復旧にあたり、根固十字ブロック170個は配合比1:3:6のコンクリートで施行したこととしているが、実際はうち50個はぐり石を混入しているばかりでなく、冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったため凍結し、減耗が著しく、一部はすでに破損している状況である。
17,234,638 10,882,517 10,882,517 1,172,000 744,505
(288) 福島県
 原町市雫海岸35年災害復旧 福島県 1,998,000 1,332,666 1,332,666 529,000 352,843
護岸延長120メートルの復旧にあたり、法覆515平米は配合比1:3:6の植石コンクリートを厚さ40センチメートルで総量206立米を施行したものであるが、法覆の下部300平米120立米のコンクリートは冬季波浪の高い時期に施行したにもかかわらずこれに対する処置が十分でなかったなどのためコンクリートとしての強度がなく容易に破砕される状況である。
(289) 富山県
 中新川郡上市町郷川災害関連 富山県 6,400,000 4,156,811 4,156,811 522,000 339,039
護岸延長612メートルの復旧にあたり、鉄線じゃかごの詰石は径15センチメートル内外のもの総量778立米を施行したこととしているが、実際は1割程度が不足しているばかりでなく2割程度はじゃかごから容易に脱落する小径のもので施行したなどのため工事費522,000円相当額が出来高不足となっている。
(290)
 東礪波郡利賀村村道上百瀬水無線33年災害復旧 利賀村 1,900,000 1,268,877 1,268,877 543,000 362,631
道路延長81メートルの復旧にあたり、根固十字ブロック12組は配合比3:7の玉石コンクリート123立米で施行したこととしているが、実際はうち8組はコンクリートの骨材にれき交り土砂等を混入した配合の悪い粗悪なもので施行したばかりでなく、冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったため強度が著しく低下しており、すでに摩耗または破損している状況である。
8,300,000 5,425,688 5,425,688 1,065,000 701,670
(291) 石川県
 羽咋郡富来町富来川33年災害復旧 石川県 4,032,000 2,709,504 2,709,504 350,000 235,200
護岸延長380メートルの復旧にあたり、鉄線じゃかごの詰石は径15センチメートル以上のもので総量758立米を施行したこととしているが、実際は3割程度は不適格な軟質のもので施行しており、工事費350,000円相当額が出来高不足となっている。
(292) 岐阜県
 恵那郡福岡村付知川33年災害復旧 岐阜県 3,740,000 2,580,600 2,580,600 449,000 309,810
護岸延長109メートルの復旧にあたり、根固ブロックのうちカーテンブロック130立米は配合比1:3:6のコンクリートで施行したこととしているが、実際は玉石やぐり石を混入しているばかりでなく、つき固めも不十分であったためブロックとしての強度がなく、一部はすでに破損または流失している状況である。
(293) 静岡県
 庵原郡両河内村興津川災害助成 静岡県 19,509,781 12,682,530 12,682,530 537,000 349,081
護岸延長304メートルの復旧にあたり、左岸練積石垣501平米の胴込コンクリート90立米は配合比1:3:6で施行したこととしているが、実際はうち178平米の胴込コンクリート32立米は配合の悪い粗悪なもので施行したばかりでなく、水を多量に使用して施行したため硬化が十分でなく、築石が容易に抜き取られる状況である。
(294) 愛知県
 名古屋市市道藤高38号線34年災害復旧 名古屋市 17,610,966 14,088,772 14,088,772 475,000 380,000
道路延長1,681メートルの復旧にあたり、練積石垣3,504平米の築石は控35センチメートルのもの41,678個を4,584,580円で購入し、これを全量工事請負人に支給し使用したこととしているが、実際はうち38,446個を使用して工事を完成したもので、残りの3,232個のうち2,809個は市単独工事に使用し、423個は別途に保有していたものであるから、その残材価額475,000円相当額は国庫負担の対象から除外すべきである。
(295) 三重県
 四日市市野田川34年災害復旧 四日市市 2,450,000 1,634,150 1,458,062 2,305,000 1,537,435
(176,088)
護岸延長195メートルの復旧にあたり、練積石垣659平米の築石は控35センチメートルの雑割石を使用し、胴込コンクリートは配合比1:3:6で平米当り0.18立米総量118立米を施行したこととしているが、実際は築石は雑石を使用しているばかりでなく控を面に使用しており、また、胴込コンクリートは配合の悪い粗悪なもので平米当り0.05立米程度総量32立米を施行したにすぎず、築石は容易に抜き取られる状況である。
(296) 滋賀県
 草津市草津川災害関連 滋賀県 11,569,674 9,003,090 9,003,090 357,000 277,926
護岸延長630メートルの復旧にあたり、法わくおよび天端コンクリート441立米は骨材に洗砂および洗砂利を使用して施行したこととしているが、実際は切込砂利を使用して施行しており、工事費357,000円相当額が出来高不足となっている。
(297)
 八日市市愛知川34年災害復旧 滋賀県 13,502,000 12,664,876 12,664,876 236,000 221,368
護岸延長454メートルの復旧にあたり、法覆野づら石張り1,442平米は胴込コンクリート平米当り0.1立米総量144立米、裏込ぐり石は平米当り0.2立米総量288立米を施行したこととしているが、実際はうち721平米の胴込コンクリートは平米当り0.07立米程度で総量122立米、また、裏込ぐり石は平米当り0.1立米程度で総量144立米を施行したにすぎないなどのため工事費236,000円相当額が出来高不足となっている。
(298)
 八日市市蛇砂川34年災害復旧 滋賀県 13,007,000 12,590,776 12,590,776 658,000 636,944
護岸延長531メートルの復旧にあたり、床固練石張り1,318平米は平米当り胴込コンクリート0.19立米総量250立米、裏込ぐり石0.15立米総量197立米を施行したこととしているが、実際は胴込コンクリートは平米当り0.13立米程度で総量171立米、裏込ぐり石は0.05立米程度で総量65立米を施行したにすぎないなどのため工事費658,000円相当額が出来高不足となっている。
(299)
 高島郡朽木村県道麻生古屋梅ノ木線34年災害復旧 滋賀県 3,880,000 3,588,046 3,588,046 259,000 239,510
道路延長80メートルの復旧にあたり、路側コンクリート擁壁は天端幅30センンチメートル、高さ3.5メートルから4.5メートルで前面法こう配を3分としコンクリート総量267立米を施行したこととしているが、実際は法こう配は1分3厘から2分7厘程度で総量226立米を施行したにすぎず、工事費259,000円相当額が出来高不足となっている。
41,958,674 37,846,788 37,846,788 1,510,000 1,375,748
(300) 奈良県
 宇陀郡御杖村神末川34年災害復旧 奈良県 5,487,000 5,355,312 5,355,312 336,000 327,936
護岸延長327メートルの復旧にあたり、コンクリート擁壁812立米は配合比1:3:6で施行したこととしているが、実際はうち274メートルの間の下部430立米は現場付近で採取した玉石を使用し配合比5:5の玉石コンクリートで施行したなどのため工事費336,000円相当額が出来高不足となっている。
(301)
 宇陀郡御杖村笹及川34年災害復旧 奈良県 17,403,818 17,369,010 14,978,845 317,000 316,366
(316,366)
護岸延長1,107メートルの復旧にあたり、コンクリートブロック積み2,812平米の胴込コンクリートは平米当り0.13立米総量365立米を施行したこととしているが、実際はうち561メートル1,425平米の胴込コンクリートは平米当り0.08立米程度で総量294立米を施行したにすぎず、工事費317,000円相当額が出来高不足となっている。
(302)
 磯城郡田原本町屋就川34年災害復旧 奈良県 4,132,000 4,032,832 4,032,832 247,000 241,072
護岸延長211メートルの復旧にあたり、練積石垣1,012平米は胴込コンクリート平米当り0.18立米総量182立米を施行したこととしているが、実際は0.13立米程度で総量131立米を施行したにすぎず、工事費247,000円相当額が出来高不足となっている。
27,022,818 26,757,154 24,366,989 900,000 885,374
(316,366)
(303) 和歌山県
 和歌山市紀の川34年災害復旧 和歌山県 3,555,000 2,566,710 2,566,710 712,000 514,064
護岸延長510メートルの復旧にあたり、法覆ブロック張り1,784平米の基礎切込砂利は245立米を施行し、また、天端および間詰コンクリート94立米は配合比1:3:6で施行したこととしているが、実際は基礎砂利は全く施行していないばかりでなく、天端および間詰コンクリートは配合の悪い粗悪なもので施行したためコンクリートとしての強度がなく容易に破砕される状況である。
(304)
 有田郡清水町大月谷川34年災害復旧 清水町 477,000 433,593 398,142 367,000 333,603
(35,451)
護岸延長64メートルの復旧にあたり、床固石張り133平米は控40センチメートルの雑割石を使用し、胴込コンクリートは配合比1:3:6で平米当り0.2立米総量26立米を施行したこととしているが、実際は張石の控が不足しているばかりでなく、その半量程度は雑石を使用し、胴込コンクリートは配合の悪い粗悪なもので半量程度を施行したにすぎず、張石は容易に抜き取られる状況である。
4,032,000 3,000,303 2,964,852 1,079,000 847,667
(35,451)
(一般会計の分)合計 182,041,105 141,988,894 139,372,029 14,638,000 10,682,054
(543,066)
(道路整備特別会計の分)
(305) 北海道
 根室市都市計画街路定基町通り線街路改良 根室市 8,121,500 5,414,333 5,414,333 421,000 280,666
街路延長516メートルの改良にあたり、路側L型側溝延長990メートルの基礎コンクリート54立米は配合比1:3:6で施行したものであるが、冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったため凍結し、コンクリートとしての強度がほとんどなく容易に破砕される状況であり、また、基礎割ぐり石は79立米を施行したこととしているが、実際は半量程度を施行したにすぎない。
(306) 青森県
 中津軽郡西目屋村県道尾太弘前線道路改良 青森県 10,901,876 7,267,917 7,267,917 933,000 622,000
道路延長462メートルの改良にあたり、路側練積石垣1,339平米は平米当り胴込コンクリート0.12立米総量160立米、裏込コンクリート0.1立米総量133立米を施行したこととしているが、実際は胴込コンクリートは平米当り0.08立米程度で総量98立米を施行したにすぎず、裏込コンクリートは全く施行していないなどのため工事費933,000円相当額が出来高不足などとなっている。
(307) 山形県
 最上郡戸沢村県道居口津谷線道路改良 山形県 5,266,075 3,510,716 3,510,716 342,000 228,000
道路延長735メートルの改良にあたり、路盤の砂は厚さ10センチメートルで総量389立米、また、練積石垣742平米の胴込コンクリートは平米当り0.12立米で総量89立米を施行したこととしているが、実際はうち300メートルの間の砂190立米は全く施行していないばかりでなく、練積石垣547平米の胴込コンクリートは平米当り0.08立米程度で総量67立米を施行したにすぎないなどのため工事費342,000円相当額が出来高不足となっている。
(308) 福島県
 大沼郡金山町町道西部線道路改良(企業合理化促進) 金山町 3,297,000 2,198,000 2,198,000 606,000 404,000
道路延長763メートルの改良にあたり、路盤の切込砂利は厚さ15センチメートルで総量467立米を施行したこととしているが、実際は全く施行しておらず、工事費606,000円相当額が出来高不足となっている。
(309) 東京都
 足立区都道王子金町線道路改良 東京都 9,220,000 6,146,666 6,146,666 1,305,585 870,390
道路延長110メートルの改良工事の積算にあたり、営繕損料は本工事費に諸経費等を加算した額に0.012を乗じて算出することとなっているのに、誤って諸経費の率0.19を乗じて積算したため工事費1,305,585円相当額が積算過大となっている。
(310) 神奈川県
 横浜市都市計画街路本町鍛冶ケ谷線舗装新設 神奈川県 10,702,836 7,135,224 7,135,224 425,000 283,333
街路延長311メートルの舗装にあたり、路盤2,262平米の砂は厚さ30センチメートルで総量848立米を施行したこととしているが、実際は厚さ18センチメートルから25センチメートル程度で総量635立米を施行したにすぎないなどのため工事費425,000円相当額が出来高不足となっている。
(311) 新潟県
 東蒲原郡津川町2級国道新潟平線道路改良 新潟県 9,008,330 6,756,247 6,756,247 347,000 260,250
道路延長540メートルの改良にあたり、路盤の切込砂利は厚さ30センチメートルで総量1,082立米を施行したこととしているが、実際は厚さ23センチメートル程度で総量829立米を施行したにすぎないなどのため工事費347,000円相当額が出来高不足となっている。
(312) 富山県
 婦負郡細入村1級国道41号線道路改良(凍雪害防止) 富山県 3,567,402 1,783,701 1,783,701 789,000 394,500
道路延長1,560メートルの改良にあたり、路盤の切込砂利は厚さ20センチメートルで総量1,721立米を施行したこととしているが、実際は厚さ10センチメートル程度で総量860立米を施行したにすぎず、工事費789,000円相当額が出来高不足となっている。
(313) 山梨県
 北巨摩郡高根村2級国道清水上田線道路改良(凍雪害防止) 山梨県 7,942,493 3,971,246 3,971,246 730,000 365,000
道路延長1,103メートルの改良にあたり、路盤の砂は厚さ15センチメートルで総量1,205立米を施行したこととしているが、実際は厚さ10センチメートル程度で総量803立米を施行したにすぎず、工事費730,000円相当額が出来高不足となっている。
(314) 奈良県
 吉野郡上北山村2級国道新宮熊野大和高田線道路改良 奈良県 10,389,000 7,791,750 7,791,750 929,000 696,750
道路延長410メートルの改良にあたり、土石切取りは硬岩10,347立米、玉石交り土砂2,149立米を施行したこととしているが、実際は硬岩9,391立米、玉石交り土砂2,116立米を施行したにすぎないなどのため道路の幅員が不足し工事費929,000円相当額が出来高不足となっている。
(315) 鳥取県
 倉吉市都市計画街路倉吉上井停車場線舗装新設 鳥取県 10,691,068 7,127,378 7,127,378 475,000 316,666
街路延長703メートルの舗装にあたり、街路側溝延長844メートルは基礎ぐり石の上に配合比1:2:4のコンクリートを底幅74センチメートル、厚さ15センチメートルから20センチメートルで施行したこととしているが、実際は基礎ぐり石の上にぐり石を敷き並べ、これを厚さ5センチメートル程度のコンクリートで被覆したにすぎず、容易に破砕される状況である。
(316) 大分県
 下毛郡山国町県道毛谷村守実線道路改良 大分県 7,632,721 5,088,480 5,088,480 471,000 314,000
道路延長338メートルの改良にあたり、中硬岩4,545立米、軟岩768立米を切り取ったこととしているが、実際は中硬岩3,866立米、軟岩1,447立米を施行したもので、工事費471,000円が過大に支払われた結果となっている。
(道路整備特別会計の分)合計 96,740,301 64,191,658 64,191,658 7,773,585 5,035,555
(治水特別会計の分)
(317) 青森県
 東津軽郡蟹田町蟹田川通常砂防 青森県 2,888,959 1,925,972 1,925,972 1,382,000 921,333
えん堤延長39メートルの施行にあたり、えん体445立米は配合比5:5の玉石コンクリートで施行したものであるが、うち308立米は冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったなどのため全表面にわたり厚さ20センチメートル程度が凍結し、表面ははく落している状況である。
(318)
 南津軽郡大鰐町三ツ目内川緊急砂防 青森県 2,180,231 1,453,487 1,453,487 2,180,231 1,453,487
えん堤延長25メートルの新設にあたり、土砂172立米、硬岩240立米を切り取り、玉石コンクリート512立米を打設してえん体の両袖部および底部をいずれも岩盤に突っ込むこととしているが、岩盤線が設計よりも後退しているのに施行にあたってこれを考慮しなかったばかりでなく、土石切取りおよび玉石コンクリートの施行量が設計に対しても不足していたため、えん体の両袖下部の突込みは全くなく、また、両袖上部および底部もわずかに突っ込んだにすぎない結果となっており、えん堤としての強度が著しく低下している。
5,069,190 3,379,459 3,379,459 3,562,231 2,374,820
(319) 山形県
 西置賜郡小国町荒川通常砂防 山形県 2,853,560 1,902,373 1,902,373 514,000 342,666
えん堤延長28メートルの新設にあたり、えん体の玉石コンクリート351立米は配合比5:5で施行したこととしているが、うち上部122立米は不適当な岩くずを混入しているばかりでなく、コンクリートは冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったため凍結し、強度が著しく低下している。
(320)
 東田川郡羽黒町笹川通常砂防 山形県 5,875,236 3,916,824 3,916,824 330,000 220,000
砂防えん堤延長50メートルおよび垂直壁(副えん堤)延長43メートルの施行にあたり、えん体はいずれも配合比5:5の玉石コンクリートでそれぞれ613立米および149立米計762立米を施行するもので、その右岸側袖部分はえん堤36立米、垂直壁19立米計55立米を地山へ突っ込んだこととしているが、実際は両者を合わせわずか3立米を施行しただけでほとんど突込みがなく、工事費330,000円相当額が出来高不足となっている。
8,728,796 5,819,197 5,819,197 844,000 562,666
(321) 愛知県
 西加茂郡猿投町伊保川通常砂防 愛知県 2,820,229 1,880,152 1,880,152 571,000 380,666
流路延長323メートルの新設にあたり、護岸延長625メートルは天端幅20センチメートル、直高1メートルで配合比1:3:6のコンクリート218立米を施行したものであるが、うち254メートル88立米は土混りの濁水を使用して練り合わせたもので施行したばかりでなく、養生が不十分なため強度が著しく低下し、容易に破砕される状況である。
(322) 兵庫県
 氷上郡氷上町清住川通常砂防 兵庫県 2,748,590 1,912,144 1,912,144 912,000 634,461
護岸延長300メートルの改良にあたり、法わく工等の基礎279メートルと落差工1基とのコンクリート252立米はいずれも配合比5:5の玉石コンクリートで施行したものであるが、うち基礎129メートルと落差工とのコンクリート176立米は打設にあたりつき固めが不十分であったり、冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったなどのため凍結し、強度が著しく低下しており、すでに基礎コンクリートの一部は浸しょくがはなはだしく、落差工の数箇所から漏水している状況である。
(323) 熊本県
 球磨郡多良木町小椎川通常砂防 熊本県 5,755,000 3,836,666 3,836,666 383,000 255,333
砂防えん堤延長63メートルの新設にあたり、えん体1,317立米は配合比5:5の玉石コンクリートで施行したこととしているが、実際はうち下部の755立米は配合比7:3、上部の562立米は配合比6:4で施行しており、工事費383,000円相当額が出来高不足となっている。
(治水特別会計の分)合計 25,121,805 16,827,618 16,827,618 6,272,231 4,207,946

総合計

303,903,211 223,008,170 220,391,305 28,683,816 19,925,555
(543,066)