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  • 昭和37年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第5農林省|
  • 不当事項|
  • 工事

えん堤工事の施行にあたり掘さく量に比べて小型の積込機械を使用したため不経済となっているもの


(235) えん堤工事の施行にあたり掘さく量に比べて小型の積込機械を使用したため不経済となっているもの

(一般会計) (組織)農林本省 (項)土地改良事業費

 京都農地事務局で、昭和37年10月、随意契約により前田建設工業株式会社に愛知川農業水利事業永源寺堰堤土石部掘さく工事を49,780,000円(当初契約額28,450,000円)で請け負わせ施行しているが、えん堤基礎掘さく工事の施行にあたり掘さく量に比べて小型の積込機械を使用したため約210万円が不経済となっている。

 本件工事は、えん堤基礎掘さく54,828立米を施行するもので、その予定価格49,799,000円のうち掘さく捨土52,868立米の積込運搬費8,980,882円についてみると、国有機械の0.6立米パワーショベル2台を無償貸与し、これに土捨場までの距離に応じて7トンダンプトラック2台または3台を組み合わせて施行することとし、積込時間、土捨場までの距離等を考慮して1サイクルの所要時間を3.1分から6.2分、1日の作業量を120立米から273立米、立米当り単価135円から341円として上記金額を積算したものである。しかしながら、本件工事のように大量の掘さく土を積込運搬する場合は、積込能力の大きい機械を使用すれば積込時間が短縮されて積込運搬の作業能率が上がるなど施行が効率的となるもので、本件工事施行当時仙台農地事務局には35年度に定期整備が完了したまま遊休している1.2立米パワーショベルがあり、このことは農林本省から36、37両年度当初に各農地事務局に連絡しているものであるから、これを本件工事に使用すべきであったと認められる。

 いま、仮に0.6立米パワーショベル2台に代えて1.2立米パワーショベル1台を使用したとすれば、7トンダンプトラックは土捨場までの距離に応じて2台から6台を組み合わせることとなるが、積込運搬時間が短縮され、当局の計算によっても1サイクルの所要時間は2.04分から3.13分となり、1日の作業量は237立米から494立米に増大する結果、積込運搬費は立米当り97円から229円合計7,233,586円で足り、その他の工事費を合わせると総額は47,584,740円となり、本件工事費に比べて約210万円を節減することができたものと認められる。