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  • 昭和37年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第3日本電信電話公社|
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  • 物件

通信用PVC屋内線の購入にあたり仕様が適切でなかったため不経済となっているもの


(650) 通信用PVC屋内線の購入にあたり仕様が適切でなかったため不経済となっているもの

 日本電信電話公社で、昭和36年12月から38年3月までの間に、随意契約により岡野電線株式会社ほか7会社から通信用2心並列PVC屋内線ほか3点を総額366,654,000円で購入しているが、仕様の改訂を考慮しなかったため約2200万円が不経済となっていると認められる。

 本件通信用PVC屋内線は、電話加入者宅内の保安器と電話機間および共同加入電話機の電鈴ならびに地気線等の配線に使用するもので、その導体はすべて錫メッキ軟銅線を使用することとなっている。しかして、27年5月通信用PVC屋内線が仕様化される以前は屋内ゴム線が使用されており、その絶縁体がゴムであるため導体の硫化防止をはかる要があり、また、屋内ゴム線相互間および屋内ゴム線と機器を接続するとき半田付けを要する場合の半田付け作業を容易にするため、導体に錫メッキを必要としていたのであるが、通信用PVC屋内線が仕様化されてからは、それが塩化ビニール絶縁線であるためゴム絶縁線と異なり導体の硫化現象はなくなったものである。しかしながら、その後なお半田付けによる導体相互の接続を必要とするものがあったため錫メッキをすることとしていたところ、31年4月に導体相互間の接続にはプレススリーブ接続工法が用いられることになり、さらにその後通信用PVC屋内線と機器類の接続も機器類の端子板がねじ止め式となり、これら接続工法の変更により半田付けの必要がなくなり、また、35年9月新たに仕様化された通信用多対PVC屋内線の心線には錫メッキをしていないものがあることからみても、本件通信用PVC屋内線の導体に錫メッキをする必要はなかったものと認められる。

 いま、仮に本件通信用PVC屋内線を導体に錫メッキしないもので購入したとすれば、総額344,607,354円となり、本件購入価額に比べて約2200万円を節減することができたものと認められる。