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  • 昭和38年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第1 総理府|
  • (防衛庁)|
  • 不当事項|
  • 物件

通信線の購入にあたり仕様が適切でなかったため不経済となっているもの


(3) 通信線の購入にあたり仕様が適切でなかったため不経済となっているもの

(一般会計) (組織)防衛本庁 (項)防衛本庁

 (国庫債務負担行為) (組織)防衛本庁 (事項)器材整備

 防衛庁調達実施本部で、陸上幕僚監部の要求により、昭和38年度中に指名競争契約および指名競争後の随意契約により古河電気工業株式会社ほか7会社から通信線JWD− 1/TT8,514巻を総額108,993,480円で購入しているが、仕様が適切でなかったため、約140万円が不経済となっていると認められる。

 本件通信線は、野外通信用のポリエチレン絶縁電線で、仕様書によれば、その規格は素線径0.29ミリメートルの錫メッキ軟銅線4本、亜鉛メッキ鋼線3本をより合わせ、絶縁体としてポリエチレンの被覆を0.35ミリメートル以上とし、その上に厚さ0.15ミリメートル以上のナイロンジャケットをかぶせ、線心仕上り外径2.3ミリメートル以下としたものを2本よりとしているものである。

 しかして、軟銅線については錫メッキを施すこととしているが、通常錫メッキは導体の防錆および半田付け作業を容易にするため施すもので、本件通信線のように絶縁体としてポリエチレンを使用する場合はゴム絶縁体の場合と異なり硫化による腐食のおそれはなく、また、その使用に際しては接続に半田付けを行なわないこととなっているから、とくに錫メッキを施す必要はないものと認められる。

 いま、仮に本件通信線の購入にあたり軟銅線に錫メッキを施さないこととして購入したとすれば総額107,561,300円となり、本件購入価額に比べて約140万円を節減することができたものと認められる。