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  • 昭和38年度|
  • 第2章 国の会計|
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工事の施行にあたり捨土運搬費を過大に計上したため工事費が高価と認められるもの


(228) 工事の施行にあたり捨土運搬費を過大に計上したため工事費が高価と認められるもの

(国有林野事業特別会計) (国有林野事業勘定) (項)国有林野事業費

 大阪営林局倉吉営林署で、昭和38年5月、指名競争契約により有限会社井木組に蒜山林道新設工事を17,918,031円(当初契約額19,350,000円)で請け負わせ施行しているが、捨土運搬費を過大に計算したため、工事費が約120万円高価となっていると認められる。

 本件工事は、幅員3.6メートル、延長2,870メートルの2級自動車道を新設するため土砂切取り17,462立米、盛土4,606立米、捨土7,442立米、から積石垣1,370平米等を施行したものである。しかして、本件工事費のうち捨土運搬費4,185,330円の内訳を調査したところ、測点136から165までの延長232メートルの間および測点249から251までの延長27メートルの間に発生する捨土3,394立米については、平均120メートル運搬するものとし、運搬区間が上りこう配であるとして運搬距離をとくに歩増しして200メートルおよび210メートルと換算し、立米当り574円および602円としているが、現地の状況および設計図によれば下りこう配であることが明らかであるから運搬距離を歩増しする必要はなく、立米当り385円とすれば足りたものであり、また、測点99から104までの延長49メートルの間に発生する捨土456立米については、現場付近に捨土すれば足りるのに運搬捨土することとして立米当り574円を積算しているなどのため、989,851円が過大に計算されているものである。

 いま、仮に適正と認められる捨土運搬費に諸経費等を合わせて工事費を再計算すれば総額は16,622,113円となり、本件工事費はこれに比べて約120万円高価となっていると認められる。