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  • 昭和38年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第5 農林省|
  • 不当事項|
  • 補助金

公共事業に対する国庫補助金等の経理当を得ないもの


(259)−(491) 公共事業に対する国庫補助金等の経理当を得ないもの

(一般会計) (組織)農林本省 (項)土地改良事業費 (項)農用地開発事業費 (項)海岸事業費 (項)伊勢湾高潮対策事業費 (項)農業施設災害関連事業費 (項)昭和38年発生農業施設災害関連事業費 (項)農業施設災害復旧事業費 (項)昭和38年発生農業施設災害復旧事業費 (項)北海道土地改良事業費 (項)離島振興事業費 (項)昭和36年発生農業施設災害復旧事業費 (項)昭和37年発生農業施設災害復旧事業費 (項)昭和37年発生農業施設災害関連事業費
  (組織)林野庁 (項)林道事業費 (項)山林施設災害関連事業費 (項)昭和38年発生山林施設災害関連事業費 (項)山林施設災害復旧事業費 (項)北海道林道事業費 (項)離島振興事業費
(組織)水産庁 (項)漁港施設費 (項)海岸事業費 (項)伊勢湾高潮対策事業費 (項)漁港施設災害関連事業費 (項)漁港施設災害復旧事業費 (項)昭和38年発生漁港施設災害復旧事業費 (項)北海道漁港施設費 (項)離島振興事業費 (項)昭和36年発生漁港施設災害関連事業費 (項)昭和37年発生漁港施設災害復旧事業費
(国有林野事業特別会計) (治山勘定) (項)治山事業費

  地方公共団体、土地改良区、森林組合等が施行した土地改良、治山施設、林道開設、漁港修築および災害復旧等の工事に対する国庫補助金または国庫負担金(以下「国庫補助金」という。)は、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律(昭和25年法律第169号)等の根拠法規に基づいて交付されるものである。昭和39年中、その経理および工事施行の状況について、全国の工事現場49,724箇所のうち北海道ほか36都府県につきその6.7%に相当する3,321箇所(工事費23,258,531,944円、国庫補助金14,193,861,864円)を実地に検査したところ、これら施設のコンクリート工事において粗悪な骨材を使用したり、配合の悪い粗悪なもので施行したりしている事例が多く見受けられるほか、農業施設においては、頭首工の工事で玉石等を中詰めとし表面を粗悪なコンクリートで被覆しているためすでに漏水しているもの、水路護岸等の石垣工事で、石積みの施行が粗雑となっていたり、胴込および裏込のコンクリートがほとんど施行されていなかったり、その量が設計に比べて不足したりしているものなどがあり、治山施設および林道施設においては、玉石コンクリートえん堤および路側コンクリート擁壁の工事で、玉石等を中詰めとして表面を粗悪なコンクリートで被覆しているもの、設計に比べて玉石を多量に使用しているものなどがあり、漁港施設においては、防波堤等の堤体コンクリート工事で粗悪なコンクリートにぐり石を混入していたり、根固被覆捨石が設計量に比べて不足していたり、その張立てが粗雑となっていたりしているものなどがあり、国庫補助金を除外すべきことの判明したもので除外すべき額1工事10万円以上のものが北海道ほか30都府県において281工事144,499,829円となっており、このうち国庫補助金を除外すべき額1工事20万円以上のものをあげると別表第2のとおり233件136,961,031円である。

 しかして、この種不当な事例が多数に上っているのは、主として事業主体、とくに市町村、組合等における工事の実施体制が不十分なため、現場の指導監督および検査が行き届かなかったり、工事の発注にあたって業者の施行能力等を十分に調査、検討しないで契約したため適正な工事を施行することが困難となったりしていることによるが、なお関係当局における指導および検査が十分に行なわれていないことにもよるものと認められる。