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  • 昭和38年度|
  • 第2章 国の会計

昭和37年度決算検査報告掲記の是正改善の処置を要求しまたは改善の意見を表示した事項に対する処置状況


第9節 昭和37年度決算検査報告掲記の是正改善の処置を要求しまたは改善の意見を表示した事項に対する処置状況

 昭和37年12月から38年11月までの間に、不当と認めた事項につき是正改善の処置を要求し、または法令、制度もしくは行政に関して改善の意見を表示したものとして、昭和37年度決算検査報告に掲記した事項に対し、その後当局においてとっている是正改善処置の状況は、39年9月末現在、次のとおりである。

(1) 陸上、海上、航空各自衛隊間における共通器材の融通および調達の調整について改善の意見を表示したもの(昭和38年11月19日付け38検第539号防衛庁長官あて)

 陸上、海上、航空各自衛隊で共通して使用することができる航空機用部品等の調達にあたり各自衛隊間で相互の連絡調整を十分に行ない管理換の処置をとれば取急ぎ調達する要がなかったのにこれをしなかったため不経済となっているものがあり、各自衛隊間における器材の物品整理番号の統一事務を促進するとともに、共通器材の融通および調達の調整を効果的に実施する機構の確立をはかるなど適切な処置をとるよう改善の意見を表示したところ、防衛庁においては、人員および予算を増加して物品整理番号の統一事務をさらに推進するとともに、当面の改善策として、昭和39年3月、防衛事務次官通達をもって、各自衛隊間における器材の融通および調達の調整を行なうよう指示しており、各自衛隊間で管理換の処置をとったものは合計1,483品目1億1075万余円となっている。さらに、各自衛隊を通じてこれらの補給調整事務を統一的に実施する機関の確立について検討を進めている。

(2) 刑務作業における契約賃金等の決定について是正改善の処置を要求したもの(昭和38年10月22日付け38検第473号法務大臣あて)

 刑務所構内における労務提供契約、物品製作および加工修繕契約について、その賃金、価格等が低価に失すると認められるものがあり、関係規程の不備を改訂、整備するとともにその趣旨の徹底をはかるよう是正改善の処置を要求したところ、法務省においては、次のように、昭和39年3月、刑務作業規程(昭和28年法務大臣訓令矯正甲第461号)を改訂、整備するとともに、矯正局長通達をもって、関係施設の長に対し、その運用について指示している。

(ア) 労務提供契約にかかる賃金については、従前は一般労働者の職種別賃金を基準として定めることとなっていたのを、その地域における同種または類似の作業の労務賃金を基準として定めることに改めるとともに、その基準については、構内作業についても、労働省出先機関等について調査を行ない、また、最低賃金法(昭和34年法律第137号)による最低賃金等を勘案して妥当な評価に努めるよう指示している。

(イ) 物品製作および加工修繕契約における価格等については、従前は市価を基準とし、原価をしんしゃくして定めることとなっていたのを、市価を基準として定めることに改め、一方、原価計算を行なうための計算賃金については、従前は前年度の収容に要した経費の決算額を収容延人員で除した額とし、毎年7月1日をもって、法務大臣が定めることとなっていたのを、前年度の収容に要した経費の決算額を就業延人員で除した額をしんしゃくし、7月1日をもって法務大臣が定めることと改めている。

(3) 海外移住者受入事業に関する補助金の経理について是正改善の処置を要求したもの(昭和38年10月1日付け38検第456号 外務大臣あて)

 旧財団法人日本海外協会連合会の海外における移住者の現地受入事業に対する補助金の経理について、交付決定の内容に定められた使途以外に使用しているなど適切を欠いているものがあり、外務省に対して、同連合会解散後その事業を引き継いだ海外移住事業団の本部が在外各支部の会計経理の統制を十分に行なうよう指導するとともに、自らも現地在外公館を通じ指導監査を行なうよう是正改善の処置を要求したところ、同省の指導により、同事業団においては、会計規程および会計細則を整備して会計経理の基準を定めるとともに、内部監査機構を確立する計画を立てており、また、会計職員の素質向上をはかるため経理の実務経験者および現地の公認会計士を各支部の幹部や経理担当者に任命している。他方、会計経理の調査および現地指導を行なうため外務省担当官を含めた調査班を現地に派遣した。
 なお、外務省においては、補助金を別途に経理するなどしてその残額を保管していたものについてはこれを国庫へ返納させることに努めている。

(4) 都道府県の事務費に対する補助金の経理の適正化について是正改善の処置を要求したもの(昭和38年10月1日付け38検第457号農林大臣あて)

 農林省所管国庫補助金のうち、都道府県の事務費に対する補助金の経理について、補助費目ごとの区分経理を行なっていないものがきわめて多い状況であるので、適切な処置を講ずるよう是正改善の処置を要求したところ、農林省においては、昭和39年5月、農林事務次官通達をもって、各都道府県知事に対し、事務費補助金について区分経理するため補助簿等を備え、国庫補助金の種類ごとに旅費、備品費等の支出の内容を明らかにし、また、消耗品費、通信運搬費等の区分経理が困難な場合にあっては人頭割、予算額割等の算出基準を明らかにして、分担額をこれに記載することにより補助費目ごとの区分経理を行なうよう指示した。
 なお、類似の補助費目の整理統合については、その具体的処置を検討中である。

(5) 消費者米価の値上げに伴う販売業者の差益について改善の意見を表示したもの(昭和38年11月26日付け38検第555号農林大臣あて)

 農林省で米穀販売業者に売り渡した米穀を販売業者が販売する際の統制額を改定した場合、販売業者が改定時に手持ちしていた米穀につき発生する新旧価格の間の差益または差損を販売業者に帰属させる結果となっているのは適当でないので適切な処置を講ずるよう改善の意見を表示したところ、農林省においては、対策を検討中である。

(6) 国有林野事業特別会計に所属する国有財産の管理について改善の意見を表示したもの(昭和38年10月1日付け38検第458号農林大臣あて)

 国有林野事業特別会計に所属する国有財産を地方公共団体等に貸し付け恒久建物敷等に使用させていて、将来においても長期間にわたり本特別会計において使用される見込みがないものについて用途廃止、売払い、所管換等の適切な処置を促進するよう改善の意見を表示したところ、農林省においては、昭和39年3月、林野庁長官通達をもって、各営林局長に対しすみやかに適切な処置をとるよう指示し、また、7月、農林省設置法(昭和24年法律第153号)の一部を改正し、国有林野の管理および処分の適正な運営に資するため、各営林局の付属機関として学識経験者および関係行政機関等の職員をもって構成する国有林野管理審議会を設置するなどの処置を講じている。

(7) 道路整備、治水両特別会計の経理および直轄公共事業に対する都府県等の負担金について改善の意見を表示したもの(昭和38年11月19日付け38検第538号建設大臣あて)

 道路整備、治水両特別会計の歳出予算から地方建設局における一般行政事務に要した経費を支出していて予算の制をみだしていると認められるものおよび直轄公共事業に対する都府県等の負担金の計算において、事業に要した費用を基として負担金を賦課する建前からみて合理性を欠いていると認められるものがあり、これらについて是正または検討するよう改善の意見を表示したところ、建設省においては、次のとおり その改善をはかっている。

1 道路整備、治水両特別会計の経理について

 地方建設局に勤務してもっぱらその業務に従事している職員の給与を特別会計から支出しているものは57名減少して272名となっており、工事事務費の本局留置経理は、昭和38、39両年度において本局庁費の予算が増加し解消している。また、本局職員が使用していた特別会計所属宿舎50戸については、うち12戸の職員を一般会計所属の宿舎に収容した。

2 直轄公共事業費負担金について

 39年3月本省内に直轄事業負担金取扱改善連絡会を設置して、負担割合および資産の供用態様の変更ならびに事業の終了の結果により負担金を調整するなどの処置を検討中である。直轄事業が完了した場合負担金の対象とした財産に残存価額があるときは関係地方公共団体に当初賦課した負担金額を調整する処置を講ずることとした。