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  • 昭和39年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第4 厚生省|
  • 不当事項|
  • 補助金

工事の計画が適切を欠いたため不経済となっているもの


(195) 工事の計画が適切を欠いたため不経済となっているもの

(一般会計) (組織)厚生本省 (項)環境衛生施設災害復旧費

 秋田市が昭和39年度に施行した第1し尿消化槽災害復旧工事は、工事費22,511,000円(国庫補助金18,008,800円)で39年10月着工、40年3月完成したものであるが、復旧工法に対する検討が不十分で既設の消化そうをそのまま被覆する工法をとったため、消化そうを解体のうえ再建する工法を用いた場合に比べて工事費約237万円(国庫補助金相当額約190万円)が不経済となっていると認められる。

 本件工事は、上記第1し尿消化そうを復旧するもので、工事の早期完成を期し、被災した消化そうの壁体の外側を厚さ35センチメートルの鉄筋コンクリートで被覆する工法をとったため、壁体内外部の防水剤として伸縮性に富むデックス・オ・テックスを使用することが必要となったものであるが、デックス・オ・テックスは本件工事の工事期間である冬期においてはその使用が困難であるのに、このことについての調査が十分でないまま上記工法により施行したため、結局、当初予定の早期完成ができなかったものである。

 しかして、本件工法に代えて、被災した消化そうを解体し、その基礎ぐいの上に消化そうを再建する工法をとれば、防水剤として著しく高価なデックス・オ・テックスを使用する必要はなく、防水モルタルを使用すれば足りるため工事費も20,133,000円程度となるものであり、また、これによったとしても、その工事期間は本件工事とほぼ同期間と認められるので、とくに支障があったものとは認められない。
 いま、仮に再建する工法によったとすれば、本件工事費との差額約237万円(国庫補助金相当額約190万円)を節減することができたものと認められる。