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  • 昭和39年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第5 農林省|
  • 不当事項|
  • 工事

道路工事の施行にあたり砕石等の運搬費を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの


(209)  道路工事の施行にあたり砕石等の運搬費を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの

(特定土地改良工事特別会計) (項)土地改良事業費

 東北農政局八郎潟干拓事務所で、昭和39年6月、指名競争契約により株式会社間組に東部承水路右岸堤防小段道路工事その2その他工事を68,200,000円(当初契約額55,100,000円)で請け負わせ施行しているが、砕石等の運搬費の積算が適切を欠いたため予定価格が過大となり、工事費が約520万円高価となっていると認められる。

 本件工事は、幅員7,5メートル、延長8,989メートルの堤防小段道路の砕石舗装等を施行するもので、その予定価格68,240,000円についてみると、砕石等17,206立米および捨石等19,057立米の運搬は、本件道路の路床の状態が不良であるとの理由により全輪駆動式特殊6トン積みダンプトラック(時価236万円)を使用することとし、かつ、砕石等についてはトラックの時速を砕石場から工事現場入口までの5,700メートル区間を25キロメートルまたは30キロメートル、工事施行区間8,989メートルを工事現場とみなし15キロメートルとして、運搬費を砕石等立米当り829円計14,265,471円、捨石等立米当り337円計6,439,569円と積算したものである。

 しかしながら、本件舗装工事は施行区間が長距離で入口から逐次施行し完成していくもので、その施行方法は、砂地盤に散水して10トンローラーで5回以上締め固めた路床の上に基層砕石等を施行したのち10トンローラーで30回締め固め、その上に表層砕石等を施行するものであるから、完成した区間は砕石舗装された走行条件のよい道路となり、砕石等17,206立米の運搬にあたって走行条件を現場内として見込む区間は、当局の計算によっても1,450メートルにすぎず、この現場内は時速10キロメートル、完成区間は15キロメートルから30キロメートルとして計算すべきものであり、かつ、砕石等のうち表層工等に使用する11,201立米および捨石等19,057立米の全量は上記基層工が完成したのちに運搬するものであるから普通ダンプトラック(時価193万円)で運搬することとして積算すべきものと認められる。
 いま、仮に上記により工事費を再計算すると、運搬費は砕石等立米当り548円計9,436,000円、捨石等立米当り304円計5,802,689円で足り、その他の工事費を合わせると総額は62,988,875円となり、本件工事費はこれに比べて約520万円高価となっていると認められる。