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  • 昭和39年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第5 農林省|
  • 不当事項|
  • 工事

築堤盛土工事の施行にあたり山土運搬費を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの


(210)  築堤盛土工事の施行にあたり山土運搬費を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの

(特定土地改良工事特別会計) (項)土地改良事業費

 北陸農政局で、昭和39年4月、随意契約により鹿島建設株式会社に新川農業水利事業大通川付替工事を38,100,000円(当初契約額23,880,000円)で請け負わせ施行しているが、山土運搬費の積算が適切を欠いたため予定価格が過大となり、工事費が約150万円高価となっていると認められる。

 本件工事は、排水路延長2,626メートル等を施行するもので、その予定価格38,100,000円についてみると、山土運搬36,000立米は平均10.9キロメートル離れた下木島土取場から比重1.85の山土を運搬することとし、1.2立米トラクターショベル1台に6トン積みダンプトラック14台を組み合わせ、1サイクルの所要時間69.6分、ダンプトラック1台の積載量3.24立米として1日の作業量を232立米とし、立米当り592円として21,342,619円と積算したものである。

 しかしながら、工事の施行にあたっては、前記土取場から採取したものは3,250立米にすぎず、残量32,750立米は仁箇土取場ほか1箇所から採取するように指定しており、これらの運搬距離を平均すると9.9キロメートルとなり、1サイクルの所要時間が64.1分に短縮されるばかりでなく、山土の比重も平均1.76となるので、6トン積みダンプトラック1台に平均3.4立米を積載することが可能となり、また、積込みに使用する機械は土取場の状況からみてパワーショベルを使用することとするのが適当であったと認められるので、当局がトラクターショベルを使用することとしているものを修正して0.6立米パワーショベルを使用することとしても、パワーショベル1台に6トン積みダンプトラック14台または15台を組み合わせることとすれば1日の作業量は281立米に増大する計算となる。
 いま、仮に上記により工事費を再計算すると山土運搬費は立米当り554円計19,961,300円で足り、その他の工事費を合わせると総額は36,592,458円となり、本件工事費はこれに比べて約150万円高価となっていると認められる。