ページトップ
  • 昭和39年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第5 農林省|
  • 不当事項|
  • 工事

えん堤工事の施行にあたりコンクリート打設費等を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの


(211)  えん堤工事の施行にあたりコンクリート打設費等を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの

(特定土地改良工事特別会計) (項)土地改良事業費

 北陸農政局で、昭和39年4月から12月までの間に、随意契約により鹿島建設株式会社に手取川農業水利事業大日川堰堤(第4期)ほか2件の同えん堤工事を総額352,360,000円で請け負わせ施行しているが、堤体コンクリート打設費等の積算が適切を欠いたため予定価格が過大となり、工事費が約690万円高価となっていると認められる。

 本件工事は、堤体コンクリート打設60,870立米等を施行するもので、その予定価格352,360,000円についてみると、堤体コンクリート打設費は、1日当りの打設量を390立米、その所要作業時間を骨材輸送関係20時間(2交替)、骨材製造関係11時間および打設関係12時間とし、超過勤務および深夜勤務による割増しをそれぞれ11%、7%および8%と見込んで立米当り2,099円から3,866円として134,136,022円と積算したものである。

 しかしながら、1日の打設量390立米は年間80,000立米を打設することとして計画した場合の計算であって、本件工事の実施にあたっては年間60,000立米を打設することとしており、各契約のコンクリート打設量および工期により計算すると1日当りの打設量は293立米となるものであるから、これにより所要作業時間を算出してコンクリート打設費を積算すべきものと認められ、このようにしたとすれば、骨材輸送関係15時間(2交替)、骨材製造関係8.25時間および打設関係9時間となり、超過勤務および深夜勤務による割増しはそれぞれ2%、1%および3%となるなどのため、立米当り2,017円から3,592円で足りた計算となる。
 いま、仮に上記により工事費を再計算すると堤体コンクリート打設費は128,669,855円で足り、その他の工事費を合わせると総額は345,411,888円となり、本件工事費はこれに比べて約690万円高価となっていると認められる。