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  • 昭和40年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項

日本国有鉄道


不当事項

工事(367)(368)

(367)  保守用踏切舗装工事の施行にあたり計画当を得ないため不経済となっているもの

 (損益勘定) (項)修繕費
 (工事勘定) (項)東海道幹線増設費

 日本国有鉄道東海道新幹線支社東京保線所で、昭和39年12月、指名競争契約により潤生興業株式会社ほか3会社に東海道幹線矢上ずい道入口ほか3箇所通路踏切新設工事ほか3件の同種工事を計40,824,946円で請け負わせ、40年4月から6月までの間にしゅん功しているものがあるが、保守作業の実態等を考慮することなく施行したため、踏切の舗装はほとんど使用されないまま工事費約170万円をもって解体撤去されている状況である。
 本件工事は、機動力のある保守用車両を通行させるため、本線外側に沿った保守用通路とずい道の中央にある保守用通路とをずい道出入口で連絡させる59箇所の踏切を鋼製わくに角材を敷き並べた幅3.37メートル、長さ12.2メートルの長方形の踏板で舗装したものであるが、踏切舗装は、これを通行する保守用車両が実用化されていないためほとんど利用されないうえ、軌道整備の作業を行なうのに支障となるため、工事しゅん功後間もなく40年6月から41年8月ごろまでの間にすべてこれを撤去し、線路わきなどに仮保管している状況である。
 しかして、39年10月の東海道新幹線開業前、名古屋、大阪両幹線工事局で施行した保守用通路踏切20箇所は、前記同様の理由で、開業後間もない39年10月から11月ごろまでに全部撤去されている状況であって、本件工事を施行しても同様な結果となることが容易に判明し得たものであるから、工事の計画にあたっては、保守作業の実態を考慮し、軌道の安定と保守用車両の実用化をまって設計、施行するなどの処置をとるべきであったのに、新幹線建設当時参考として考えられていたものを漫然とそのまま採用して実施したため、しゅん功後間もなくすべて撤去するような不経済な結果となったものと認められる。

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