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  • 昭和40年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項

日本国有鉄道


(368)  舗装工事の積算が適切でなかったため工事費が高価と認められるもの

 (工事勘定) (項)諸設備費

 日本国有鉄道下関工事局で、昭和40年7月、指名競争契約により株式会社藤田組に博多港コンテナ設備新設土工その他工事を21,771,321円(当初契約額15,200,000円)で請け負わせ施行しているが、機械施行が可能な切取等を人力で施行することとして積算したなどのため予定価格が過大となり、ひいて工事費が約260万円高価となっていると認められる。
 本件工事は、博多港駅の一部を改良して、コンテナを取り扱うことができる施設とするものであって、その大部分はコンクリート舗装を施行して地平積卸場を新設する工事であるが、その予定価格についてみると、

(ア) 旧貨物積卸用低床ホームの切取1,212立方メートルおよび舗装新設のための根掘り1,411立方メートルは、人力で掘さくし、ベルトコンベヤによりダンプトラックに積み込むものとして計2,657,637円と積算しているが、本件工事の施行現場は障害物のない平地で、トラクタショベル等による機械施行が可能であるから、人力施行より有利な機械施行によるのが適切であったと認められる。
 いま、仮に切取等をトラクタショベルで施行するものとして、日本国有鉄道の積算基準により計算すると1,034,600円となり、当局の積算額はこれに比べて1,623,037円過大となっている。

(イ) コンクリート舗装に使用するスチールリング26,305個は、高さ8ミリメートル、内径530ミリメートルのものを使用することとして1個当り50円として1,675,208円と積算しているが、本件スチールリングは製作会社の価格表によると1個30円のものであるのに、誤って内径は同じであるが高さが11.5ミリメートルのものの価格を採用したものである。
 いま、仮にスチールリングの価格を1個当り30円として計算すると1,005,125円となり、当局の積算額はこれに比べて670,083円過大となっている。

(ウ) 路盤およびコンクリート舗装に使用する砂、切込砂利等3,300立方メートル、生コンクリート880立方メートル計4,180立方メートルは取卸場所から敷きならし箇所まで平均5メートルおよび10メートル小運搬するものとして立方メートル当り0.07人から0.1人を見込み、小運搬費488,025円と積算しているが、砂、切込砂利等の材料は直接敷きならし箇所まで搬入することができ、また、生コンクリートは直接アジテータトラックから打設することができるものであるから、小運搬費は積算する要がないものと認められる。
 以上各項により工事費を修正計算すると19,083,043円となり、本件工事費はこれに比べて約260万円高価となっていると認められる。

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