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  • 昭和41年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項

東北開発株式会社


第27 東北開発株式会社

 東北開発株式会社の昭和41営業年度末の資本金は74億1000万円(うち政府出資73億0750万円)で、前営業年度末に比べて14億円増加している。

(事業概要について)

 41営業年度は同会社再建5箇年計画の第3年度に当たっており、そのおもな生産品の販売については、セメント52万2千トン、カーバイド3万9千余トン、ハードボード1万8千余トンを計画したが、これに対する実績はセメント55万3千余トン、カーバイド4万余トン、ハードボード2万3千余トンとなっている。
 41営業年度の新規事業は、投融資事業等3億1500万円、化工事業の整備等16億円計19億1500万円の計画に対し、実績は投融資事業等については東北ホモボード工業株式会社に対する融資等1億8288万余円、化工事業の整備等については下北開発事業の一環として41年5月設立されたアツギむつナイロン株式会社に対する出資および融資3億円計4億8288万余円で、計画を14億3211万余円下回っているが、これは化工事業の整備計画が具体化しなかったことなどによるものである。また、前営業年度からの繰越事業で41営業年度に実施したものは会津ハードボード工場の整備等2億9590万余円である。

(資金について)

 41営業年度の所要資金104億9021万余円については、前営業年度からの繰越金12億1457万余円、政府出資金14億円、社債発行による収入金10億円、銀行からの借入金7億8000万円、営業収入55億9352万余円等を充当している。

(損益について)

 41営業年度の損益は、経常損益においては営業収益61億5339万余円、営業外収益3億5060万余円計65億0399万余円の収益に対し、営業費用58億1019万余円、営業外費用11億4210万余円計69億5229万余円の費用で、差引き4億4829万余円の損失を生じており、また、特別損益においては特別利益1億2596万余円および特別損失2億4709万余円があったため、当期損失金は5億6943万余円となっている。これを事業別等についてみると、セメント事業で1億4272万余円の利益、化工事業で1億5049万余円、ハードボード事業で1億8216万余円、本社部門で3億7949万余円の損失となっている。しかして、同営業年度末の欠損金累計額は78億2957万余円で、資本金の額を4億1957万余円上回っている。
 なお、上記損失金5億6943万余円は、再建5箇年計画における第3年度の予想損失金3億8509万余円を1億8434万余円上回っている。これはセメント事業では市況に支えられてはじめて年度計画を上回る実績をあげたが、化工事業で整備等が進ちょくしなかったこと、ハードボード事業でダプレボード等二次加工品の加工を委託している設立後間もないカイハツボード加工株式会社に対する指導が十分でなかったため予期の成果をあげることができなかったことなどによるものと認められるので、なお各事業の合理化について一層の努力の要があると認められる。