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  • 昭和42年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項

農林省


改善の意見を表示した事項

土地改良事業における直轄工事の予定価格の積算について

(昭和43年11月25日付け43検第359号)

 農林省において昭和42年度に直轄で施行した土地改良事業の事業費は359億余円に上っているが、43年中、148工事約127億円について予定価格積算の状況を検査したところ、機械の作業能力の算定等が工事施行の実情にそっておらず予定価格の積算が適正を欠くと認められるものが下記のとおり見受けられた。

 このような事態を生じているのは、主としてこれら請負工事の予定価格の積算について同省で制定した国営土地改良事業の直轄工事機械施行に関する積算基準が十分整備されていないことによるものと認められる。

 ついては、近年機械施行の割合が逐年増加する傾向にあることにかんがみ、その施行実績等を適確には握するなどして現行の積算基準に再検討を加え、施行の実態に即してその改訂、充実を図るなどして工事費積算の適正を期する要があると認められる。

(1) ダンプトラックで運搬する土砂等のうち軽い土質のものの積載量については、荷箱の容量を基礎として定めた積算基準により算定していて、その積載重量はダンプトラックの最大積載重量に満たないこととなっている。
 しかしながら、ダンプトラックには近年荷箱容量の大きいものが一般に使用されるようになっていることなどにより、規定の重量まで積載することが十分可能であると認められ、また、フィルダム等の築堤用土等あらかじめ土質試験が行なわれるものについては掘りゆるめられた状態の用土等の単位体積当りの重量が明らかとなっているものであるから、上記のように一律に積載量を定めているのは実情にそわないものと認められる。

(2) ダンプトラック以外の自走式建設用重機械類の運転労務費については、積算基準により運転上の補助および雑務に従事するものとして運転手のほか助手1名分の労務費を積算している。
 しかしながら、近年、建設機械等の進歩改良に伴い助手を必要としないものが多くなり、現に工事現場で助手がとう乗していないことなどから、機種、現場の作業条件等に応じ必要な場合に限り助手の労務費を積算すれば足りると認められるのに、一律に助手1名分の労務費を積算しているのは実情にそわないと認められる。

(3) フィルダム築堤等のために土砂等を敷きならす場合のブルドーザの作業能力については、掘削を主体とした作業の実績等により算出された時間当り基準作業量を基礎として算定しており、また、この場合の押土量については築堤量の全量を押土することとして算定している。
 しかしながら、土砂等の敷きならし作業は、掘りゆるめられた状態の土砂等を所要の厚さに敷きならすもので掘削を主体とした作業とは本質的に異なるものであって、また、土砂等の敷きならし作業は、ダンプトラック等から荷おろしした土砂等を所要の厚さに敷きならすものであるから、敷きならし厚に相当する部分については押土を行なわないものであるのに、基準作業量をそのまま基礎として全土量により算定しているのは実情にそわないと認められる。

(4) フィルダム等の盛土を転圧する場合の機械経費については、排土板を取り付けたブルドーザで、しかも、ローラ重量に比べて過大なけん引力を有するものを使用することとして積算している。
 しかしながら、転圧用ローラをけん引する場合は排土板を使用しないのであるからこのことを考慮して積算すべきであり、また、けん引力は機種ごとに定まっているものであるからローラ重量に適合するトラクタを選定すべきであるのに、上記のように機械経費を積算しているのは実情にそわないと認められる。

 

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