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  • 昭和44年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 政府関係機関その他の団体別の事項|
  • 第2 日本国有鉄道|
  • 意見を表示しまたは処置を要求した事項

コンテナ貨物等積卸料の算定について処置を要求したもの


(1) コンテナ貨物等積卸料の算定について処置を要求したもの

(昭和45年11月16日付け45検第359号 日本国有鉄道総裁あて)

 日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)で、昭和44年度中、日本通運株式会社ほか3会社に対し、コンテナ貨物およびフレートライナー貨物(以下「コンテナ貨物等」という。)の集貨、配達作業等委託契約に基づき、コンテナ貨物等の積卸料として6億6547万余円を支出している。上記契約による積卸料金は、全国一律に、従来受託人所有のフォークリフト(以下「受託人機」という。)を使用して積卸しを行なったものについては1個当り340円および230円(44年4月以降フレートライナー貨物分)、国鉄所有のフォークリフトを使用して積卸しを行なったものについては1個当り80円および125円(44年4月以降フレートライナー貨物分)であったが、45年2月に改訂し前者230円、後者100円となっている。
 しかして、この積卸料金算定の適否について検査したところ、受託人機の償却費の検討および積卸作業の実情の把握が十分でないなどのため、機械経費、人件費の算出が適切でないと認められるものが下記のとおり見受けられた。
 ついては、国鉄において、貨物輸送近代化の一環として、コンテナ貨物等の輸送を今後も積極的に拡大する方針で、その積卸数量が増加する傾向にあるので、積卸料金について再検討し、実情に適応した料金により契約するよう処置を講じて経費の節減を図る要があると認められる。

(1) 機械経費は、減価償却費、固定資産税等を見込んで算出しているが、これらのうち、減価償却費についてみると、すべての受託人機についてこれを見込んでいる。しかし、コンテナ貨物等の積卸しのために専用しているこれら受託人機のうちには、現行料金の算定時にすでに償却済みのものが相当数あるが、41年10月以降、増備および代替のためフォ−クリフトを新規に投入する必要が生じた場合にはすべて国鉄所有のものを配備することになっていることなどからみて、償却済みのものについてさらに減価償却費を見込む要はないと認められる。
 また、固定資産税についてみると、フォークリフトの取得価額に税率を乗じてこれを算出している。しかし、地方税法(昭和25年法律第226号)第388条第1項の規定に基づく固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)によれば、償却資産については取得価額から償却額を控除したものを課税標準とすることになっているから、これに税率を乗じて算出すべきであると認められる。

(2) 人件費は、基準要員として、フォークリフト1台につき運転手1人のほか、フォークリフトの積卸作業の誘導を行なうための作業員0.7人を要するとしてこれを算出している。
 しかし、各駅について実態を調査したところ、大部分の駅には作業員が配置されてなく、また、作業員が配置されている一部の駅についてみても、積卸作業の誘導のために専属して従事してはいない状況であった。したがって、上記のように作業員0.7人を要するとしているのは実情に合わないと認められる。