昭和４５年度決算検査報告
昭和４５年度の貸付計画は３５０億円で、これに対し、貸付実行額は３５０億円で、前年度に比べて３０億円増加している。 これを施設の種類別にみると、病院２１０億８２２６万円、診療所等１３９億１７７４万円になっている。また、これを資金の種類別にみると、新築資金１１９億０７４６万円、増改築資金１８４億８８６４万円、機械購入資金４２億２３２９万円、長期運転資金３億８０６１万円になっている。なお、４５年４月、新築資金および増改築資金の貸付限度を１施設当り３０００万円から５０００万円（病床数が４０床をこえる病院については５０００万円から８０００万円）に引き上げている。
貸付実行額から回収額１２１億５５３１万余円を差し引いた年間純増加額は２２８億４４６８万余円であり、年度末貸付金残高は１５２０億９１０３万余円（うち直接貸付は２２５億９０７５万余円）になっている。
４５年度中の資金交付額は３３３億８８０６万余円で、この原資には、資金運用部資金の借入金２９０億円および回収金等４３億８８０６万余円を充当している。
４５年度において、利益は、貸付金利息９４億４９５４万余円、一般会計より受入６億１８２１万余円等１０４億６８４１万余円、損失は、借入金利息８０億７３５８万余円、業務委託費１４億５９４７万余円、事務費４億０８７０万余円等滞貸償却引当金繰入前で１０３億６０９１万余円になり、差額１億０７５０万余円を滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入額は年度末貸付金残高の１０００分の０．７０に相当し、これを繰り入れた累積額１０億２１３８万余円は年度末貸付金残高の１０００分の６．７１になっている。
４５年度の総収益率は７．１２％で、一般会計からの受入額が前年度に比べて２億８６５４万余円増加したことなどにより０．１０％上昇している。滞貸償却引当金繰入前の経費率は７．０４％で、前年度に比べて０．０５％上昇している。これは、事務費率等は低下したが、貸付資金量が増加したことに伴い借入金が増加したため借入金利息率が上昇したことによるものである。また、滞貸償却引当金繰入率は０．０７％になり、前年度に比べて０．０４％上昇している。なお、一般会計からの受入額を除いた収益率は６．６７％になり、上記の経費率を０．３７％下回っている。